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March 12, 2020

米住宅太陽光・蓄電池の市場動向、「LG」「テスラ」が2強に ハリケーンに備え、蓄電池設型が2017年から倍増

 2019年の米国住宅用太陽光発電市場において、顧客はどのブランドを最も指定したのか?それは、韓国の大手企業グループである「L G」と、米国の電気自動車(EV)ベンチャーから成長している「TESLA(テスラ)」であった。
 米国での「蓄電池併設型太陽光発電」の販売、蓄電池のブランド評価、そして太陽光発電産業に携わる施工事業者の今後の事業戦略などのトレンドに関する調査結果が発表された。これは、全米 の太陽光発電施工事業者を対象としたアンケート調査で、米エネルギーセイジ(EnergySage)と米NABCEPが共同で実施した。
 米エネルギーセイジは、オンラインによる太陽光発電見積もりサービスを提供している。また、NABCEPとは「北米公認エネルギー実務者委員会(North American Board of Certified Energy Practitioners)」の略で、再生可能エネルギー産業に携わる施工業者などから構成される。
 調査の対象となったのは全米48州とワシントンD Cにわたる772の太陽光発電販売・施工事業者で、2019年12月末から2020年1月末にかけて実施された。ちなみに、この調査は今年で5回目になる。
 住宅用太陽光の購入を考えている消費者は、太陽光パネル、パワーコンディショナー(PCS)、そして蓄電池などの機器に対して、特定の趣向はあるのだろうか? 調査によると、消費者は前にも増して、積極的に太陽光発電関連機器の「リサーチ」を行っているため、機器に関する知識が高い。そのため、特定のブランドへの趣向・要求が増えていることがわかった。
 2019年最も指定されたブランドは、L Gとテスラ。L Gは太陽光パネルと蓄電池の両方で指名されているが、テスラは蓄電池のみでトップについた。3位の米エンフェーズと4位のソーラエッジは共にマイクロインバーターメーカーである。5位のパナソニックと米ソーラーパワーは共に高変換効率タイプの太陽光パネルで有名で、共に蓄電池を含めたトータルソリューションも提供する。つまり、消費者は、プレミアム価値のある機器を提供するメーカーへの趣向を見せている(図1)。..Read More Here
図1●2019年・消費者による住宅用太陽光関連機器のプランド評価
(出所:EnergySage)

November 19, 2019

いよいよ来年に迫る、米加州の「新築建物への太陽光設置義務」(後半) 太陽電池メーカーが拡大する住宅市場に先手

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 来年、米カリフォルニア州でスタートする、新築住宅への太陽光発電導入義務に向け、地場企業だけでなく、全米でビジネスを展開している太陽光発電関連会社も 、屋根施工会社とパートナーシップを結び、新たなビジネスチャンスを狙っている(関連記事)。
 そんな中、既に新築住宅向けの太陽光発電市場で全米ナンバーワンの地位を築き上げた会社がある。米国のサンパワー(SunPower)だ。同社は、世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト方式(IBC) の結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)、パネルの製造・販売で知られる世界的な太陽電池メーカーである(図1)。
図1●米国の新築住宅向け太陽光発電市場でシェアトップのサンパワー
(出所:SunPower)
クリックすると拡大した画像が開きます
 サンパワーは、ここ数年の間、全米の新築住宅向け太陽光発電市場で約50%という群を抜くトップシェアを維持している。...Read More Here

November 12, 2019

米サンパワーが「太陽電池メーカー」ではなくなる!? 太陽電池製造を分離し「分散型エネルギーサービス」に特化

Published Nikkei ---

 太陽光発電産業で、米国のサンパワー(SunPower)といえば、世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト方式(IBC) の結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)・パネルの製造・販売で知られる世界的な太陽電池メーカーである。そんなサンパワーが11月11日に、「セパレーション(分離)と投資」と題した発表を行った。
 発表によると、今回の「分離」とは、(1)北米に特化したエネルギーサービス提供会社であるサンパワーと、(2)世界屈指の先進技術で太陽電池を開発するマキシオン・ソーラー・テクノロジー(Maxeon Solar Technologies=以後マキシオン)という、それぞれ太陽光関連分野に特化した2つの専業会社に分かれる計画である(図1)。
図1●サンパワー分離後の体制(太陽電池開発・製造と分散型エネルギーサービス事業)を示すスライド(出所:SunPower)

 単結晶シリコンウエハを含む半導体材料、半導体デバイスなどの新材料の開発、製造・販売を手掛ける中国の天津中環半導体股分有限公司(Tianjin Zhonghuan Semiconductor=以後TZS)は、長期にわたりサンパワーの部材パートナーで、今回2億9800万米ドルを新会社のマキシオンに投資し、「マキシオン」ブランドの太陽電池の技術革新と生産規模の拡大に貢献する。
 マキシオンは、現在のサンパワーからスピンオフ(分離独立)することになり、本社はシンガポールになる。同社は、米株式市場ナスダックに上場する。現在、サンパワーのテクノロジー事業部の最高責任者であるジェフ・ウォーターズ氏がマキシオンのトップとなる。
 サンパワーの発表によると、このスピンオフとTZSの投資は、来年2020年第2四半期までに完了する予定という。TZSはマキシオンの約29%を所有することになり、現在のサンパワーの株主は、新生サンパワーを100%そのまま継続して所有し、加えてマキシオンの71%を新しく受ける。
 つまり、現在サンパワー株を100株持っている場合、分離後、100株の新生サンパワーと71株のマキシオン株を受け取ることになる(図2)。
図2●サンパワー分離後の株式分割の仕組み
(出所:SunPower)

 過去35年サンパワーは太陽電池技術のイノベーターとして活躍してきた。累積13GWを市場に投入した。今後、新会社・マキシオンは、「マキシオン」と「パフォーマンス」という2つのテクノロジープラットフォームで異なった市場を開拓することになる。..Read More Here

October 22, 2019

米で普及期待の両面受光型、「関税免除」撤回の影響は? 米国内太陽電池メーカー、発電事業用で優位も

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 一度は関税を免れた「両面受光型太陽電池」が、また関税対象に戻ってしまった。
 2010年以降、米国では、中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。国内製造業を保護するため、トランプ政権は昨年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4年間にわたり関税を課すことを決定した。
 まず、1年目の2018年にCSPVのセル(発電素子)とモジュール(太陽光パネル)の輸入価格に30%が課され、2年目の今年は5ポイント減の25%となっている。
 米通商代表部(USTR)に対しては、関税措置の開始当初から多くのメーカーから関税控除要求が寄せられた。まず、昨年9月に米メーカーであるサンパワーのバックコンタクト(IBC)方式の結晶シリコン太陽電池セル・モジュールは、「多数の米国メーカーを破綻に追いやった安価で、コモディティ化した輸入品とは違う」とされ、関税免除になった。
 そして、今年6月に両面受光(両面発電)型太陽電池も関税免除のリストに加えられた。この除外には米太陽光エネルギー協会(SEIA) の後押しがあった。SEIAは、その背景として、「米国へ輸出される両面受光型太陽電池の生産量が非常に限られており、製品が米国で生産されたCSPV製品と直接競合せず、除外が保護措置の目的を損なうことはない」との除外理由を公表していた(図1)。...Read More Here
図1●両面受光型太陽電池の設置例
(出所:SilFab Solar)

April 22, 2019

米住宅太陽光市場で、パナソニックのシェアが急伸 変換効率の高い単結晶モジュールが人気に

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500社以上と契約する「一括見積り」サイト

 米エネルギーセイジの最新レポートによると、パナソニックが米国の住宅用太陽光発電市場でシェアを大きく伸ばしている。
 インターネットによる太陽光発電見積もりサービスを提供するエネルギーセイジは、同社の審査基準をクリアした500社以上の太陽光発電販売施工会社との提携を通して、太陽光発電システム、さらに、蓄電池と太陽光発電の併設導入を検討している顧客に対し、一括見積り比較の場を提供する。同社は、1日あたり100万を超える米太陽光発電市場の動向に関するデータを収集しているという。
 エネルギーセイジは、4月に2018年前期と後期の米住宅太陽光市場の動向をまとめた「マーケットインテル」レポートを発表した。同レポートによると、パナソニックと韓国LGの2社を合わせると、全体の50%以上のシェアを占めた。
 こうした勢力図になったのは、エネルギーセイジが4年前に「マーケットインテル」レポートを発行し始めて以来、初めて。さらに、パナソニックのモジュール(太陽光パネル)は、2018年に太陽光販売会社が「最も多く見積もったブランド」として挙げられている(図1)。
図1●エネルギーセイジの半期別トップモジュールメーカー調査結果(藍色:パナソニック、オレンジ色:LG、黄色:ハンファQセルズ)
(出所:EnergySage)
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パナソニック、LGとパートナーシップ

 エネルギーセイジでコミュニケーション・マネジャーを務めるニック・リベラティ氏は、「LGとパナソニックのモジュールは、双方とも(同社が収集するモジュールの設置価格の)価格帯の上限に位置する。両社は、高品質の機器、堅実な保証を提供し、一般消費者から認知度の高いブランドになっている」と言う。
 ただ、エネルギーセイジの公表するシェア情報に関しては、同社がパナソニック、LGとパートナーシップを結んでいることが影響している可能性もある。
 エネルギーセイジが提供する見積もりプラットフォーム「ソーラーマーケットプライス」では、見積もり後に同プラットフォームを通じてパナソニックとLGの太陽光発電システム製品を購入・設置する場合、特別割引が適用される。具体的には、250米ドルの割引となる。...Read More Here

March 12, 2019

米の発電市場を支える「1~5MW」のメガソーラー 「コミュニティソーラー」による地産地消が背景に

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発電事業用が30GW以上に

 米国では2010年ごろから、発電事業用の太陽光発電設備が急速に増え始め、2018年末で累積30GW以上の発電事業用メガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働している(図1)。
図1●米国における発電事業用の太陽光発電設備・年間導入量推移
(出所:DOE EIA)
[画像のクリックで拡大表示]
 日本や欧州と比べ、広大な土地と日照に恵まれているカリフォルニア州を含む米国西部では、これまでに世界最大級のメガソーラーが建設されてきた。
 米国で発電事業用の太陽光市場を引っ張ってきたのは、こうした何百MWサイズもの巨大なメガソーラーというイメージがある。だが今回、この市場を支えているのは、むしろ5MW以下のメガソーラーであることがわかった。
 日本では数MWでも「大規模」というイメージがあるが、米国では比較的、小規模なプロジェクトという位置づけになる。

加州では「500MW超」3基

 米国で太陽光発電の導入量でトップのカリフォルニア州には、連系出力500MWを超える巨大なメガソーラーがすでに3基稼働している。
 現在、米国で最大規模となるのは、2015年に稼働開始した「ソーラースター」と呼ばれる連系出力579MW(太陽光パネル出力747.3 MW)のメガソーラーである。高効率で有名な米サンパワー製の単結晶シリコン型パネルが約170万枚、使用され、年間発電量は一般世帯約25万5000世帯の消費電力に相当する。
 サンパワーは、パネルの提供だけではなく、EPC(設計・調達・施工)サービス、 さらにO&M(運営・保守)も手がけている(図2)。
図2●米国で最大級のメガソーラー(連系出力579MW)
(出所:SunPower)
[画像のクリックで拡大表示]
 次に、 「デサートサンライトソーラー」と「トパーズソーラー」が続く。これらは共に連系出力550MWとなる。
 ちなみに、この2基は、サンパワーのライバル企業である米ファーストソーラーが開発・建設した。ファーストソーラーは、カドミウムテルル(CdTe) 型化合物系太陽電池を生産し、薄膜タイプのパネル製造・販売で世界最大手のメーカーであり、EPCサービス事業者としても世界トップに立っている。

発電事業を支える「1~5MW」

 米エネルギー省・エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)が昨年12月までに集計したデータによると、累計2600以上の発電事業用の太陽光発電設備が米国で稼働している。連系出力で30GWを超える規模になる。ちなみに、EIAの「発電事業用設備」の定義は、総発電出力が1MW以上(連系ベース)のものとしている。
 米国では、このような数百MWの「半GW」級メガソーラーが次々と稼働し、話題になるため、発電事業では数百MW規模のメガソーラーが主流のようにも思える。...Read More Here

September 27, 2018

米国の事業用太陽光、コスト低下で「追尾型」が主流に 導入コストは「1.56ドル/W」、パネルトップはジンコ

Published at Nikkei Technology -- 5MW以上の20GWを分析

 米国における発電事業用の太陽光市場に関する最新の分析レポートを米ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory:LBNL)が発表した。

 同レポートの筆者であるマーク・ボリンガー氏によると、2017年に6.2 GW(DC・直流:太陽光パネルベース)の発電事業用太陽光が米国で導入され、米太陽光市場全体の59%を占めたという。累積導入量で見ると31GWを越えており、累積導入量全体の60%を占めている。

 同研究所は、2017年末までに稼働を開始した5 MW(AC・交流:連系出力ベース)以上の発電事業用太陽光(590プロジェクト、総累積容量は20.515 MW)を基に、導入量、テクノロジー、設置コストなどを分析した。

ジンコ、ハンファ、トリナがトップ3

 太陽光パネル(太陽電池モジュール)の技術で見てみると、結晶シリコン系が発電事業用プロジェクトで最も使用されており、2017年には年間導入量全体の77%(連系出力3.03 GW)を占めた。ちなみに、結晶シリコン系モジュールをメーカー別にみると、中国ジンコソーラーが15%とシェアトップで、韓国ハンファ(14%)、中国トリナ・ソラー(10%)、カナディアン・ソーラー(6%)、米ミッションソーラーエネルギー(5%)と米サンパワー(5%)となっている。

 薄膜系(化合物型)では米ファースト・ソーラーが2017年の薄膜系プロジェクト全体の97%を占めた。残りの3%は日本のソーラーフロンティアによるものだった。

 2017年までの累積導入量で見てみると、設置(架台)のタイプでは追尾型が全体の67%を占め、モジュールでは結晶シリコン系が全体の69%を占めた。さらに、組み合わせでみると、「結晶シリコン系+追尾型」が連系出力11.09GWと最も多く、「薄膜系+固定型」が連系出力3.70 GW、「結晶シリコン系+固定型」で2.97 GW、「薄膜系+追尾型」が2.68GWと続いた(図1)。...Read More Here
図1●米国の発電事業用太陽光市場におけるパネルと架台のタイプ
Credit: LBNL

August 26, 2018

米サンパワーを追い、韓国メーカーが急伸 米加州の新築住宅での太陽光パネルシェア

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10年間で360MWの導入目指す

 今年5月、米カリフォルニア州は、新築住宅に太陽光発電も導入を義務化する新しい規制を承認した。施行は2020年1月からになる。新築住宅向け太陽光市場の拡大に期待が高まる。
 実はカリフォルニア州には、今回決まった「義務化」以前にも、新築住宅向け太陽光への補助金プログラムが導入されている。
 2006年に同州は2006年から2016年までに合計1.9GWの太陽光発電システムの導入目標を掲げ、「California Solar Initiative (CSI)」と呼ばれる補助金プログラムを創設した。CSIのプログラムの中に、「New Solar Homes Partnership(NSHP)」と呼ばれる新築住宅用の特別なプログラムも設定された。
 NSHPプログラムは、2007年1月にスタートした。その目的は、消費者に対してエネルギー効率の高い太陽光搭載住宅の需要を喚起し、ホームビルダーに対して太陽光の「標準搭載」を促すこと。10年間で360MWの太陽光システムを新築住宅に導入することを目標とした。
 環境の改善、市場の開拓、そして住宅オーナーのコスト削減などのインパクトを最大化するために、 新築住宅はエネルギー消費を最小化するという条件がNSHPには含まれている。
 カリフォルニア州では、建築物における電力・天然ガスなどのエネルギー消費の削減を促すため、「タイトル24」と呼ばれるエネルギー効率(省エネ)基準が導入されている。NSHPの補助金を得るためには、住宅を「タイトル24」省エネ基準よりもさらに、15~35%カットしなくてはならない。
 当初、このプログラムは2016年までの予定だったが、補助金申請の締め切り日が今年6月1日まで延長された。8月6日の時点で、NSHPプログラムは合計11万6871件の申請を認定している。それは太陽光パネル容量で427MW(交流ベース)に達する。このうち3万9000件(123MW)の太陽光発電システムが既に新築住宅に導入され、約7万8000件(304MW)が導入待ち、または導入中ということになっている。
 ちなみに、以下のデータは、NSHPプログラムの申請が認定された日付で集計しており、「導入済み」のデータは太陽光発電の設置、または系統連系された日付ではない(図1)。
図1●カリフォルニア州ホームビルダー用太陽光発電補助金 (NSHP) データ(年間推移)
(出所:California Energy Commission)
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「サンパワー・1強」が崩れる

 さて、カリフォルニア州の新築住宅市場における太陽光パネルメーカーのシェアはどうなっているのか? 導入済み(累積設置量)で見てみると、米サンパワー (SunPower) が39%でダントツのトップである。次に韓国の現代重工業(ヒュンダイ)が12%、中国のトリナ・ソーラーが8%、そして、京セラが6%となっている(図2)。...See More Here

June 25, 2018

パナソニックとサンパワーが米市場でバトル!? 「ACモジュール」と米国内での増産を競い合う

Published at Nikkei Technology ---  米国で高効率の太陽光パネル(モジュール)メーカーと言えばサンパワー (SunPower)。日本で高効率パネルと言えばパナソニック。そんな2つのプレミアム・パネルメーカーが米国の住宅用太陽光市場でバトルを繰り広げようとしている。
 両社は「ACモジュール」と、米国国内でのセル(発電素子)・パネル生産に関してしのぎを削ることになりそうだ。

住宅市場で伸びる「ACモジュール」

 「ACモジュール」とは、太陽光パネル1枚ごとに超小型のインバーター(パワーコンディショナー=PCS)を背面に装着し、セルで出力した直流(DC)を交流(AC)に変換しつつ、MPPT(最大電力点追従)制御を行う技術だ。通常の直流を出力するモジュールに対して、モジュールレベルで交流に変換されるので、「ACモジュール」と呼ぶ 。
 クリーンテクノロジーリサーチ・コンサルティングの米GTMリサーチによると、2017年にマイクロインバーターは米国住宅用太陽光向けPCS市場で66%を占めていたという。
 パナソニックが今年2月にマイクロインバーター(超小型PCS)で先駆的なメーカーである米エンフェイズ (Enphase) と提携すると、発表した。パナソニックの「Nシリーズ」モジュールにエンフェイズのマイクロインバーターを取り付け、「ACモジュール」として販売するという。
 サンパワーも「ACモジュール」に数年前から力を入れている。同社は2014年にマイクロインバーターメーカーのソーラーブリッジ(SolarBridge)を買収した。同社の高変換効率のXシリーズモジュールとソーラーブリッジのマイクロインバーターを組み合わせた。Read More Here

June 15, 2018

トランプ関税の影響ジワリ、米で続々と太陽電池の増産計画 海外メーカーが工場新設、国内メーカーも増設を表明

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大手メーカーの増産計画は合計4GWに

 中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。日本メーカーの京セラはカリフォルニア州、シャープはテネシー州、そして旧三洋電機(現パナソニック)はオレゴン州に2010年前後に建設された米国内での生産事業から撤退している。
 太陽光発電の導入容量では、米国市場は中国に続き世界第2位の規模を誇るものの、供給面でみると世界に占める割合が微々たるものとなっている。
 国内製造業を保護するため、トランプ政権は今年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を課すことを決定した。トランプ政権による関税措置の発表後、複数の大手メーカーが米国内での生産拡大を表明した。これら企業の新設・増設計画を合わせると実に4GW近くに達する。
 今年5月末、韓国のハンファQセルズがジョージア州ウリットフィールド郡に太陽光パネル生産工場を建設すると発表した。今年中に着工し、来年2019年に新工場が完成する予定だ。完成時の生産能力は年間1.6GWを超えるという、大規模な計画である。
 他の海外メーカーで米国進出を表明したのは、世界トップのパネルメーカーの中国ジンコソーラーである。同社はフロリダ州ジャクソンビル市に5000万ドルを投資して工場を新設する。 新工場の稼働は今年9 月か10月前を目指している。実は、ジンコソーラーは関税措置の発表前から米国での生産開始を計画していたという(図1)。
図1●メーカー別・太陽光パネル(モジュール)の米国内での生産計画
(注:増設は現在の生産容量に足される増産容量を示す、出所:筆者)

米メーカーも国内で増産を表明

 ジンコソーラーは、200人の新規雇用を2019年末までに創出し、5000万ドルを投資することを条件に、ジャクソンビル市から340万ドル相当の税制優遇措置を数年にわたり受けることになっているという。..Read More Here

January 25, 2018

米「太陽電池・関税」決定の波紋、どうなる太陽光設置産業? 1年目は30%、4年目に15%、関税免除の申請は可能か?

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30%は10~15セント/Wに相当

 トランプ政権は1月22日、結晶シリコン型太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して30%の関税を課すことを決定した。 まず、1年目にCSPVのセル(発電素子)とパネル(モジュール)の輸入価格に30%が 課され、4年間にわたり、関税率は年々5%ずつ下げる(表参照)。各年で、輸入セルの最初の2.5GWには関税は課されない。(図1)。
図1●輸入CSPVセルとモジュールへの「セーフガード」関税
(出所:筆者)
 クリーンエネルギーリサーチ・コンサルティングの米GTMリサーチ社によると、30%の関税は10~15セント/Wに相当する。米ゴールドマンサックス社は、30%関税は発電事業用太陽光発電のコストを3%、住宅用太陽光発電システムのコストを7%、押し上げると試算している。
 22日時点では、米国貿易代表委員によって発表された概況報告書「ファクトシート」には、貿易措置対象外の国などの詳細は発表されていなかったが、23日に情報がアップデートされた。そこには、「貿易措置対象外の国」の項目の下、「対象外から否定」という形で、メキシコ、カナダ、韓国、そして、タイとフィリピンと書かれていた。

サニバ社は50%を要求したが・・・

 今回の措置は、昨年5月米CSPVメーカーであるサニバ社が、輸入太陽電池の急増が国内産業に重大な損害を与えているとし、関税の賦課又は輸入数量を制限する「セーフガード」と呼ばれる輸入制限措置をITC(米国際貿易委員会)に要求したのが発端である。昨年9月、 米ITC は、大量に輸入された CSPV 製品が、米国内の製造業者に「深刻な損害」を与えていると認定し、米ITCはその後、 独自の救済措置提案を10月31日に発表した。
 サニバ社が要請したのは関税50%相当だったが、トランプ政権は米ITCの推薦案の1つである30%を選択したとみられる。
 「ファクトシート」によると、現在、中国は世界の太陽電池セルの60%、モジュールの71%を生産している。2012~2016年にかけて、米国における太陽電池セルの輸入は約500%増加し、価格は急落した。 太陽電池セルやモジュールの価格は60%低下し、米国の生産者のほとんどが国内生産を中止、製造工場を他の国に移転、または破綻手続きの申請などに追い込まれた。
 2012年以降、25社が閉鎖され、2017年までに米国のCSPV製造産業はほとんど姿を消した。残ったのは、太陽電池セルとモジュールの両方を生産する米サニバ社と米ソーラーワールド・アメリカ社の2社と、輸入セルでモジュールを生産する8社のみだった。 2017年には、サニバ社が破綻手続きを申請し、国内での生産を停止する事態になった。...Read More Here
図3●「ファクトシート」で発表された「30%関税」
(出所:USTR)

January 2, 2018

「単結晶」が「多結晶」を抜く、2017年の太陽光パネル市場 PERC技術で変換効率アップ、価格が低下

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「単結晶」のシェアが49%に上昇

 2017年に「単結晶シリコン型」の太陽光パネル出荷量が初めて「多結晶シリコン」を抜いたーー。米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチが2017年12月に発行した太陽光発電市場レポートから、明らかになった。
 2000年初頭、シャープ、京セラ、三菱電機といった日本企業が太陽光発電市場のトップ企業として君臨していた当時、モジュール(パネル)の主流は多結晶シリコン型だった。当時、単結晶シリコン型は高効率だが高価なため、安価な「多結晶型」が価格競争で優位性を示していた。しかし、その後、「単結晶型」が徐々にシェアを上げ、ついに首位を奪った格好だ。
 同レポートによると、2017年における太陽電池セル(発電素子)の世界での生産容量は97.7GW、このうち出荷量は93.8GW、設置容量は95.1GWと予測している。モジュールタイプ別シェア分析では、93.8GWの出荷量のうち、単結晶シリコン型のシェアは49%で、多結晶シリコン型は46%、化合物型のカドミウムテルル(CdTe)タイプは3%となっている(図1)。
図1●2017年の世界太陽光発電市場(出荷量)
における太陽光パネル・タイプ別シェア
(出所:SPV Market Research)


「プレミア」モジュールが押し上げ

 2016年における多結晶シリコン型のシェアは54%で、単結晶よりも13ポイントも多く、首位を保っていた。しかし、2017年には、単結晶シリコン型のシェアが、多結晶型よりも3ポイント多くなり、初めて逆転した(図2)。
 同レポートでは、単結晶シリコンがシェアを増加させた要因として、モジュールメーカーがプレミアムモジュールに移行したことを挙げている。その一つが、2016年にモジュールメーカーが生産を本格化し始めたp型単結晶シリコンを使った「裏面不動態型セル」(PERC: Passivated Emitter and Rear Cell)である。2017年にはPARCの商業生産が拡大し、高効率化と共に価格が低下してシェア増加に貢献した。
 2015年には、米サンバワー社の「バックコンタクト(IBC)」、パナソニックのヘテロ接合 (HIT)、韓国LG社の太陽電池パネルが市場でプレミアム価格を発揮した。また高変換効率のn型の単結晶シリコンを使ったパネルへの期待が高まった。
 2016年に入ると、p型単結晶と多結晶シリコンを使った「PERC」を使った太陽光パネルへの移行が顕著になった。「2013年第3四半期に起こった価格下落は、n型太陽電池のプレミアムをはぎ取り、太陽電池メーカーの方向性をp型単結晶シリコン型に促した」と、SPVマーケットリサーチの創立者・チーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏は語る。... Read More Here

October 20, 2017

続報・米国の輸入パネル関税問題、メーカー間で賛否が割れる 課税で恩恵を得るのはファースト・ソーラーとテスラ、痛いのはサンパワー

Published at Nikkei Technology Online ---  米国に輸入される太陽光パネルに関税を課すかどうかで、米国の太陽光発電産業が揺れている(関連記事)。
 これまで、関税が課されたら、太陽光パネルの値段が上がり、国内市場と雇用が大きく収縮してしまう、と懸念する企業が多く、それに沿った報道も多かった。一方で、関税を求めている国内メーカー以外にも、関税で「恩恵」を受ける企業が関税賛成の声を上げ始め、両者による議論が白熱してきた。

ファースト・ソーラーが「関税賛成」を表明

 先月、米国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:米ITC)は、大量に輸入された低価格な結晶シリコン型太陽電池で国内製造業が深刻なダメージを受けたと認定した。
 この決定に対して、米国太陽光発電産業は一団となるどころか、分裂してしまった。 米ITCに貿易救済措置を懇願した結晶シリコン型太陽電池メーカーの米サニバ社と、同じく米国内で結晶シリコン型太陽電池を生産しているドイツに親会社を持つソーラーワールド・アメリカの2社以外の全ては、関税「反対派」にまわってしまったのである。
 しかし、米ITCの損害認定の発表により、今まで沈黙を保っていた米国のビックプレーヤーが「賛成派」につくことを表明した。
 薄膜(CdTe 型)太陽光パネルメーカーの米ファースト・ソーラー社である。同社は薄膜太陽電池において世界トップのシェアを持ち、太陽電池全体の市場でも昨年トップ6位にランクされた。さらに同社は、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者としても、世界シェアで首位に立っている(図1)。
図1●電力事業用の大規模太陽光発電所開発で
世界トップのファースト・ソーラー
Credit: First Solar


サンパワーが「反対」に回った理由

 ファースト・ソーラー社は、いち早く電力事業用大規模太陽光発電所向けの市場開拓に成功し、太陽光パネル製造販売だけでなく、大規模システム向けのEPCとO&M(運用・保守)サービスに展開した。それが、結晶シリコン型が95%を占める世界の太陽光パネル市場での生き残り策だった。
 ファースト・ソーラー社の最高経営責任者(CEO)であるマーク・ウイドマー氏は「米国太陽電池メーカーは海外メーカーとの不公平な競争に直面している。公平かつ効果的な支援策の必要性を強調する」と、ITC宛の手紙に書いて、支援措置に賛成の意を示した。
 一方で、米太陽エネルギー産業協会(SEIA)が反対派の旗振りとなり、安い輸入結晶シリコン型太陽光パネルの恩恵を受けていた輸入会社、施工会社、プロジェクトデベロッパーなどが関税反対のキャンペーンに加わった。SEIAと共に公的な場で反対を唱えるのは、結晶シリコン型太陽電池メーカーの米サンパワー社である。
 サンパワー社は、世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト方式の結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)・パネルの製造・供給で知られる世界的メーカーで、太陽光発電所のEPCサービスやO&Mサービスも手掛けている。...Read More Here

October 5, 2017

「貿易救済措置」に揺れる米国、太陽光市場の行方に悲観と楽観 輸入太陽電池による米国内製造業への損害を認定

Published at Nikkei Technology Online ---

輸入太陽電池に関税や最低価格も

 米国の太陽光発電市場は貿易論争の真っただ中にある。
 9月22日に、米国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:米ITC)は、大量に輸入された低価格な結晶シリコン太陽電池で国内製造業が深刻なダメージを受けたと認定した。これにより、関税など貿易救済措置によって、今後、米国内に流通する太陽電池の価格が上る可能性が出てきた。
 こうした事態のなか、「米太陽光市場は、今後落ち込むだろう」と、悲観的な意見が米国内外で飛び交う一方で、「2017年は持ちこたえそう」という見方も出てきた。
 ことの発端は、今年4月に米太陽電池メーカーのサニバ社が、米ITC に輸入結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子) に新たな関税、そして米国以外で生産された結晶シリコン型太陽光パネルに最低価格を課すように提訴したこと。これは、中国、東南アジアなどから安値で輸入される太陽電池セル・パネルから米国の製造業を保護するためである。
 ITCの決定は、この提訴を概ね認めたものだ。この一件の評価を巡り、米太陽光発電産業では賛否が分かれている。
 関税による国内産業保護への賛成者は、当事者であるサニバ社とドイツに親会社を持つソーラーワールド・アメリカ社。反対派は、主に太陽光発電産業の川下チャンネルでビジネスを営む施工会社、プロジェクトデベロッパーが含まれている。

5年間に47GW以上の設置量を失う?

 ちなみに、太陽電池メーカー大手のサンパワー社も反対派の一社だ。同社は米企業であるが、結晶シリコン型太陽電池のセル・パネルを国外のフィリピン、マレーシアで製造している。このため、国内保護政策は、同社にとってマイナスの影響を与える。
 反対派の旗振りをしているのは、米太陽エネルギー産業協会(SEIA)。同協会は、「この救済措置により太陽電池の価格が上がり、 太陽光発電を利用する消費者に大きなしわ寄せがいく。国内市場と雇用が大きく収縮してしまう」と、主張している。SEIAは、「8万8000人の国内雇用が失われる」と、救済申請に対する反対キャンペーンを繰り広げた(図1)。..Read Here More
図1●米国太陽エネルギー産業協会と共にサニバ社の貿易保護の
反対キャンペーンに参加する企業の一部
Credit: SEIA

July 25, 2017

「高密度実装モジュール」で成長する米ソラリア社の戦略 米国で太陽電池メーカーは生き残れるのか

Published at Nikkei Technology Online ---  米国を代表する太陽光パネルメーカーとしては、高変換効率の結晶系太陽電池で世界をリードしてきたサンパワー (SunPower) と、テルル化カドミウム (CdTe)を使った化合物型太陽光パネルのトップメーカーであるファーストソーラー(First Solar)の2社が挙げられる。この2社に続いて、独自技術を武器に存在感を示し始めたベンチャー企業が登場した。

「短冊」を瓦のように重ねる

 はんだ付けでなくセル(発電素子)を直接、接続するタイプの「高密度実装モジュール」を開発・販売しているソラリア(Solaria)である。同社は、カリフォルニア州フレモントに拠点と、セルの生産工場を構えている。ちなみにテスラ社の電気自動車(EV)工場は、ここから10分ほどの距離にある。

 同社は当初、集光型太陽光発電(CPV)に特化したスタートアップ企業として2000年に設立された。その過程で100件以上の 基板材料、工程、応用、製品、製造機械、自動化などの特許を取得した。 
 そうした技術蓄積をベースに、高密度実装モジュール「PowerXT」を開発した。PowerXTは、単結晶PERC(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)を用いた住宅用太陽光パネル(320~330W/枚)で、変換効率は19%以上である(330W/枚タイプの変換効率は19.3%)。通常の ウエハーを短冊形にカットしたもの(ストリップと呼ばれる)を17枚、瓦のように重ね直接接続して1枚の「PowerXTセル」を製造する(図1)。
図1●ソラリア社の高密度実装モジュール「PowerXT」
Credit: Solaria


リボンとはんだ付けが不要に

 ソラリア社の最高経営責任者 (CEO) であるスビ・シャルマ氏によると、「PowerXT」は、バスバーとストリングリボンの接続がなく、20枚のセルから構成されている。

 同社が独自に開発した工程で17枚のストリップを直接接続する。1枚のウエハー(幅156mm)からは5枚のストリップが取れる。つまり、ストリングリボンとバスバー不要のセル間直接接続プロセスで、セル間のスペースを削減し、パネル(モジュール)の受光面積と美観を改善させたのである。高度なセル相互接続、およびパネル製造プロセスは同社独自の技術と製造機械を使用しているという。

 さらに同氏は、「PowerXT」は従来の太陽光パネルと比べ、20%発電量が多いという。1枚のパネルの発電量が多いことから、使用するパネルの数を減らせ、トータルコストを下げられるとしている。

 また、ストリングを並列に接続しているため、影による出力低下の影響が下がり、「ストリングリボン不要」「はんだ付け不要」という特徴によりシステムの耐久性と信頼性が高まるという...。Read More Here
図2●効率性や耐久性、信頼性の点で利点が多いというCredit: Solaria

July 7, 2017

太陽光パネルの評価結果に波紋、品質と生産規模の関係に一石 22社の「トップパフォーマー」の持つ意味

Published at Nikkei Technology Online ---  太陽光パネル価格は2010年から2016年の間に約80%下落し、直近の2016年初めから2017年半にかけても約35~50%も下がった。こうした価格低下は太陽光発電産業の成長を加速したのも事実だが、一方で太陽光パネルメーカーの一部は、品質改善を犠牲にしてコスト削減を進めて規模拡大に走ったのではないかという見方も広まっている。

5項目の加速試験で評価

 このほど、そうした品質と規模の関係に一石を投じる報告書がノルウェーの第三者調査機関であるDNV GL社から発表された。

 太陽光パネルの信頼性調査結果をまとめた報告書「PVモジュール信頼性スコアカード」の2017年版がそれで、22社のパネルのメーカーを品質の高い「トップパフォーマー」として選択している。DNV GL社は各社のパネルについて、温度サイクル、動的機械加重、高温高湿、結露凍結、PID(Potential Induced Degradation)という5項目の加速試験を実施し、スコアをつけた。づけをした。

 同報告書の結果について、一部のメディアは、「トップパフォーマーは必ずしもトップ生産者ではない」、「メーカーの規模の大きさは品質の良さと必ずしも比例しない」と報道したが、果たしてこの見方は妥当なのかどうかを検討してみたい(図1)。
図1●DNV GL社によって発表されたトップパフォーマーと
テストに使用されたパネルモデル数

参加25社のうち22社が「トップパフォーマー」

 一方、太陽光発電市場リサーチ・コンサルティング会社である米SPV Market Researchの最新レポート (Photovoltaic Manufacturer Capacity, Shipments, Price & Revenues 2016/2017:2016・2017年 太陽電池メーカー生産容量、出荷量、価格と収入)によると、2016年のトップ10太陽電池パネルルメーカーは以下のようになる(図2)。


図2●トップ10太陽電池パネルメーカー,
Credit: SPV Market Research


 DNV GL社の調査でトップパフォーマーに入っている、トップ10メーカーは、Trina Solar、Hanwha Q-Cells、Jinko Solar、Longi Lerriと、Yingli Solarの5社である。そうなると、トップパフォーマーに入らなかった、他のトップ10メーカーのパネルの品質、信頼性は低いということになるが、果たしてそれは本当だろうか。

 DNV GL社のジェンヤ・メイドブライ氏によると、この報告書用の試験に参加したのは25のパネルメーカー、そしてそのメーカーから提出された50のパネルが実際にテストされた。さらに、試験されたパネルは全て結晶系のみで、薄膜型や他のタイプは含まれていない。つまり、トップ10メーカーに入っている米First Solar社のパネルはもともと試験の対象外というわけだ。...Read More Here

April 9, 2017

米加州の太陽光パネルシェア、分散型では「米国製」が2強 米サンパワーと独ソーラーワールドが中国製を抑える

Published at Nikkei Technology Online --- 2016年に5GW以上を導入した米加州

 太陽光パネルの出荷シェアを世界レベルでみると、中国のジンコソーラー、トリナソーラーなどが2016年にトップを占めたが、米国カリフォルニア州に限定すると、どのようなランキングになっているだろうか?

 カリフォルニア州は米国で、年間の新設と累積の両方で太陽光発電設置量が最も多く、米国太陽光設置市場の約50%を占める。2016年に同州では5GW以上の太陽光が導入され、そのうち住宅、商業・産業、そして公共用からなる分散型太陽光が約1.3GWを占めた。

分散型トップ2は米サンパワーと独ソーラーワールド

 カリフォルニア州の電力市場は、民間の3大電力会社(Pacific Gas & Electric=PG&E、Southern California Edison=SCE、San Diego Gas & Electric=SDG&E)と、30社以上の地方自治体の運営する公営電力事業者からなっている。

 数で見ると公営電力の方が多いものの、量的には3大電力会社が同州の80%の電力を供給している。今回は、これら3大電力のサービス管轄内に系統連系された分散型太陽光発電システムのデータ分析から見る、米カリフォルニア州における太陽光発電のランキングを紹介する。

 まず、2016年にカリフォルニア州で分散型用に導入された太陽光発電システムのパネルメーカー別のシェアを見てみよう。ナンバーワンは米サンパワー、そして、独ソーラーワールド、そしてカナディアン・ソーラーが続く。日本の京セラはシェア6%で、6位に入っている。京セラの前後には韓国のLG電子とハンファ、そして現代重工となっている。

出所:the CSI Program Administrators,
GRID Alternatives, the CA IOUS, and the CPUC

住宅分野3位にRECソーラー、京セラは5位に

 分散型市場のうち、住宅分野に絞ると、トップ2のサンパワーとソーラーワールドは同じだが、3位にはノルウェーに基盤を持つRECソーラーが入っている。京セラはシェア9%でランキングは5位になっている。...Read More Here

July 1, 2016

300軒分の住宅太陽光と蓄電池で「仮想発電所」を構築, NYの大手電力が「クリーンで災害に強い」新サービス

Published at Nikkei Technology Online --- 電力大手と太陽光パネル、蓄電池メーカーが連繋

 米ニューヨーク州の大手電力会社 Consolidated Edison(以下Con Ed)社は、1500万米ドルを投じ、「仮想発電所(バーチャルパワープラント:VPP)」のパイロットプログラムを開始すると発表した。米SunPower社と米SunVerge社とのパートナーシップのもとで実施する。
 同プログラムでは、ニューヨーク州の「エネルギービジョンの改革(REV)」の一部で、同州ブルックリン市とクイーンズ市の家庭約300戸に高効率太陽光発電システムと定置型Liイオン蓄電池を設置し、Con Ed社が「仮想発電所」として制御する。
 多数の小規模太陽光発電と蓄電池をアグリゲーション(集約・統合管理)することにより、非常時のバックアップ用途だけではなく、グリッド(電力系統)の復元力、信頼性、そしてサステナビリティの改善を目指す。
 「仮想発電所」とは、送配電系統の需給に合わせ、太陽光や蓄電池などの分散電源をあたかも一つの発電所のように群制御することで、需給バランスを最適化する次世代型の電力ビジネスモデルである(関連記事)。Con Ed社では、従来のエネルギー供給モデルを補い、経済的、効率的、そしてイノベーティブな仮想発電所の提供を目指す。

需給ミスマッチを蓄電池の「放電」で最適化

 ニューヨークでは2014年の1年間で過去の累計設置容量を上回る勢いで屋根置きの太陽光が設置された。太陽光の導入拡大は温室効果ガスの削減と大気質の改善に大きく貢献することは間違いない。
 ただ、Con Ed社のサービス管轄内では、太陽光発電による電力供給のピーク時間帯と電力需要のピーク(午後5時以降)が異なっている。従って、夕方から夜にかけては、化石燃料を燃やす火力発電に依存することになり、太陽光によるクリーンな電力を送配電網の貴重な資産として最大かつ最適に活用できない(図2)。
図2●Con Ed社のサービス管轄内に設置された太陽光発電システム(白丸)と電力需要:
青色は日中の電力需要がある地域を示し、黒色は電力需要が夕方・夜に起こる地域を示す。
太陽光発電と需要ピークのミスマッチがわかる(出所:Consolidated Edison社)

June 14, 2016

米陸軍、基地内のメガソーラーで、エネルギー安全保障を強化 民間企業と連携し、再エネ主体のマイクログリッド構築

Published at Nikkei Technology Online ---  今年6月初め、米国ジョージア州西部にある米軍最大の歩兵部隊駐屯地フォートベニング(Fort Benning)基地に連系出力30MW(パネル容量42MW)のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が運転を開始した。

2025年までに1GWの再生可能エネルギー導入

 米陸軍機関は2025年までに1GWの再生可能エネルギーを導入する目標を掲げており、今回のメガソーラーはその実現に向けた取り組みの一つである。
 目標達成のため、陸軍エネルギーイニシアチブオフィス(the Office of Energy Initiatives、以下OEI)は、民間出資による10MW以上の大規模な再エネプロジェクトを開発して遂行、そして監督する。
 エネルギー確保と、その安全保障の強化は、陸軍本来のミッションを達成する能力と効率を高めるために欠かせない要素となる。そのため再エネは、陸軍のエネルギー安全保障戦略において重要な位置付けにある。OEIが現在、開発中の大規模な再エネプロジェクトは、すでに「1GWゴール」の30%以上を占める(図2)。
図2●米陸軍のメガソーラー導入状況。
緑色=運営中のメガソーラー、黄緑色=建設中、
黄色=契約・同意、青色=評価中、そして、灰色=高潜在度プロジェクトを示す
(出所:the Army Office of Energy Initiatives)
民間企業が基地内のメガソーラーを所有し運営も担う

 現在、陸軍基地に導入されているメガソーラーは、アリゾナ州フォートフアチュカ (Fort Huachuca) 基地内にある。地元の電力会社Tucson Electric Power(TEP)社が開発・運営する連系出力18MWの発電設備で、2014年の12月に完成した。メガソーラーはこの基地の約25%の電力需要を賄っている。陸軍はTEP社と30年間の電力購入契約を結んでいる。
 フォートベニング基地に竣工したばかりの連系出力30MW(パネル容量42MW)のメガソーラー、さらに同じジョージア州に建設中の2カ所の連系出力30MWのメガソーラー(フォートゴードンとフォートスチュアート)も、陸軍基地内に設置する。...Read More Here

June 9, 2016

米ラスベガス市、2017年に電力需要を「再エネ100%」に 目標達成に向け100MWのメガソーラー建設、街頭や市庁舎などに活用

Published at Nikkei Technology Online ---  ブラックジャック、ポーカー、ルーレット、そしてスロットマシーンと、夜も昼も24時間、カジノは休むことを知らない。巨大なカジノホテルは広大なテーマパークを備え、まばゆいばかりのネオンでライトアップされている。

 「常にきらびやかな不夜城では、どんなに電気が消費されるのか?」と、疑問に思わずにはいられない。周り一帯は乾燥地域で、「砂漠のオアシス」のようなラスベガス。そんなラスベガス市が実は再生可能エネルギー100%を目指しているのだ。

 今年4月に米Environment California Research & Policy CenterとFrontier Centerが共同で制作した「2016年:輝く市(Shining Cities 2016)」というレポートが発表された。そのレポートには2015年における米国太陽光発電の導入量の大都市(メトリポリタン)別ランキングが取り上げられている。ラスベガス市は、何とカリフォルニア州のサンフランシスコ市を抜き10位にランキングされていた。

Credit: the City of Las Vegas
都市別太陽光発電導入量でトップ10入り

 同レポートによると、ラスベガス市は公共用建物、コミュニティセンター、消防署、公園などの市所有の建物に合計6.2MW分の太陽光発電を導入済みである。 さらに(市内における)一人当たりの太陽光発電平均導入量は94Wで7位にランキングされている。ちなみに、1位はハワイ州ホノルル市の417Wになっている。

 昨年11月にラスベガス市は、「電力を再エネ100%で賄う」という目標を立て、2017年1月までに移行する予定であると発表した。同市が再エネで賄おうとする電力は、街路灯、公園、公共センター、消防署、作業所と、同市が所有する公共建物になる。今年の3月16日のアースデイ(地球の日)には市役所を含む公共建物の電源を一斉に切り、同市のサステイナビリティに対する大きな貢献を示した。

 今年初めに同市は、ネバダ州の地域独占電力NV Energy社とパートナーシップを組み、さらなる再エネ導入を目指す。このパートナーシップとは、同市の運営に関わる電力の一部を地元の太陽光発電で賄うというものだ。この太陽光発電とNV Energy社で供給される再エネ電力を合わせると、同市の消費する電力の100%を再エネで賄える。Read More Here