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July 13, 2020

米住宅太陽光の最新動向、シェアトップ企業がNo.2を買収! 「第3者所有モデル」席捲後、自己所有も復調、設置手法が多様化

Published at Nikkei Technology

クリーンでレジリエントなエネルギー

 米国の住宅用太陽光発電市場でリーディングカンパニーである米サンラン(Sunrun)は、同じ業界の競争相手であるビビント・ソーラー(Vivint Solar)を買収すると、7月6日発表した。

 サンランは、住宅用太陽光発電と蓄電池のサービスプロバイダーで現在、米住宅太陽光市場でシェアトップを誇る。一方、ビビント・ソーラーは、シェア2位の住宅用太陽光発電フルサービスプロバイダーである。つまり、業界1位と2位の合併ということになる。

 全株式交換による取引で、ビビント・ソーラー株1株に対してサンラン株0.55株を割り当てるというもので、買収総額は、32億ドル。両社の取締役会は全会一致でこの買収を承認しており 、買収手続きは、両社の株主と規制当局の承認などを経て、今年第4四半期(10〜12月)に完了する見通しだ。‘

 「米国はクリーンでレジリエントなエネルギーを求めています。ビビント・ソーラーが加わることにより、家庭用太陽光発電と蓄電池の利点をより高め、より多くの家庭に広められる、ハイクオリティーな営業チャンネルを得ることになります」。サンランの創業者兼最高経営責任者(CEO)リン・ジュリッチ氏は、買収計画発表の場でこう語った(図1)。

図1●サンラン社がNASDAQで株式上場記念(中央黄色いジャケットが同社CEO)
(出所:NASDAQ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 この買収により、サンランは、約50万人の顧客と3GWを超える太陽光発電の資産を持つ「リーディングオーナー」にもなるという(図2)。...Read More Here 

February 15, 2018

太陽光がEV普及を後押し、加州でシェア争いし烈に 深刻化する電力需要の「ダックカーブ」緩和に期待

Published at Nikkei Technology --- EVのテスト走行に注目
 カリフォルニア州サンディエゴ市で2月11日、太陽光発電関連の展示会「ソーラーエクスペリエンス」が開催された。
 この展示会は毎年行われているもので、例年太陽光発電や蓄電池メーカーの展示や参加者が多いが、今年特に注目を浴びていたのはEV(電気自動車)のテスト走行のデモンストレーションであった。独BMW、米GM、伊フィアット、トヨタ自動車が車両を出展した。カリフォルニア州のベンチャー企業であるレヴェロ(REVERO) もテスラのロードスター似たスポーツカータイプのハイブリッド車を展示した(図1)。
図1●サンディエゴで行われた太陽光発電関連展示会「ソーラーエクスペリエンス」の様子。手前はREVOROが展示した太陽光パネルを搭載したハイブリッド車
(出所:J. Movellan)
[画像のクリックで拡大表示]
 サンディエゴ市は、太陽光発電システムの設置量では、全米の都市で最大となっており、導入拡大により電力需要のロードカーブが急激に増減する現象「ダックカーブ」が早くも問題となっている。実際、サンディエゴ市の電力会社は、「南カリフォルニアで太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が進むにつれて、ピーク需要時が夕方から夜に変化している」とし、夏期時間別電気料金のピーク時間帯を従来の午前11時~午後6時から午後4~9時に移行した。
 このピーク時間帯の移行により、昼間の太陽光発電の電力はより低いオフピーク料金で売電され、太陽光が発電しない夕方から電気料金が高くなる。太陽光発電システムの所有者にとっては、「高く売り、安く買う」から「安く売り、高く買う」という経済的メリットが得られない状況となった。
 この解決策として、個人レベルでは、昼間の余剰電力を家庭用蓄電池で充電し、夜に放電するパターンが顕在化し、州レベルでは、EV所有者に対し、昼間にオフィスやショッピングセンターなどの駐車場で充電することを促す動きが出てきた。これにより、日中の余剰電力が減ることで「ダックカーブ」の緩和につながる。EVの普及により、太陽光を持続的に拡大しやすくなる余地が出てくる。

22万台に補助金を交付

 カリフォルニア州では2010年3月から、蓄電池だけで走るEV(図2ではBEV)とPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)への「クリーン自動車補助金プログラム(CERP)」を開始し、後にFCEV(燃料電池自動車)も加わった。現在、FCEV には5000ドル、EVには2500ドル、PHEVには1500ドルが支給される。さらに、州政府からは、税金の支払い時にEVの購入者は7500ドルの税額控除が適用される。
 カリフォルニア州では、今までに約22万台に対して補助金が交付された。金額ベースでは4億8000万ドルを超える。...Read More Here

October 20, 2017

続報・米国の輸入パネル関税問題、メーカー間で賛否が割れる 課税で恩恵を得るのはファースト・ソーラーとテスラ、痛いのはサンパワー

Published at Nikkei Technology Online ---  米国に輸入される太陽光パネルに関税を課すかどうかで、米国の太陽光発電産業が揺れている(関連記事)。
 これまで、関税が課されたら、太陽光パネルの値段が上がり、国内市場と雇用が大きく収縮してしまう、と懸念する企業が多く、それに沿った報道も多かった。一方で、関税を求めている国内メーカー以外にも、関税で「恩恵」を受ける企業が関税賛成の声を上げ始め、両者による議論が白熱してきた。

ファースト・ソーラーが「関税賛成」を表明

 先月、米国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:米ITC)は、大量に輸入された低価格な結晶シリコン型太陽電池で国内製造業が深刻なダメージを受けたと認定した。
 この決定に対して、米国太陽光発電産業は一団となるどころか、分裂してしまった。 米ITCに貿易救済措置を懇願した結晶シリコン型太陽電池メーカーの米サニバ社と、同じく米国内で結晶シリコン型太陽電池を生産しているドイツに親会社を持つソーラーワールド・アメリカの2社以外の全ては、関税「反対派」にまわってしまったのである。
 しかし、米ITCの損害認定の発表により、今まで沈黙を保っていた米国のビックプレーヤーが「賛成派」につくことを表明した。
 薄膜(CdTe 型)太陽光パネルメーカーの米ファースト・ソーラー社である。同社は薄膜太陽電池において世界トップのシェアを持ち、太陽電池全体の市場でも昨年トップ6位にランクされた。さらに同社は、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者としても、世界シェアで首位に立っている(図1)。
図1●電力事業用の大規模太陽光発電所開発で
世界トップのファースト・ソーラー
Credit: First Solar


サンパワーが「反対」に回った理由

 ファースト・ソーラー社は、いち早く電力事業用大規模太陽光発電所向けの市場開拓に成功し、太陽光パネル製造販売だけでなく、大規模システム向けのEPCとO&M(運用・保守)サービスに展開した。それが、結晶シリコン型が95%を占める世界の太陽光パネル市場での生き残り策だった。
 ファースト・ソーラー社の最高経営責任者(CEO)であるマーク・ウイドマー氏は「米国太陽電池メーカーは海外メーカーとの不公平な競争に直面している。公平かつ効果的な支援策の必要性を強調する」と、ITC宛の手紙に書いて、支援措置に賛成の意を示した。
 一方で、米太陽エネルギー産業協会(SEIA)が反対派の旗振りとなり、安い輸入結晶シリコン型太陽光パネルの恩恵を受けていた輸入会社、施工会社、プロジェクトデベロッパーなどが関税反対のキャンペーンに加わった。SEIAと共に公的な場で反対を唱えるのは、結晶シリコン型太陽電池メーカーの米サンパワー社である。
 サンパワー社は、世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト方式の結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)・パネルの製造・供給で知られる世界的メーカーで、太陽光発電所のEPCサービスやO&Mサービスも手掛けている。...Read More Here

September 20, 2017

米展示会レポート、 太陽光市場の成長は蓄電池が担う! EV普及で定置型蓄電池の低コスト化が加速との見方

Published at Nikkei Technology Online -- 北米最大の太陽光関連展示会に2万人来場

 北米最大の太陽光発電関連の国際展示会「ソーラー・パワー・インターナショナル(Solar Power International=SPI) 2017」(2017年9月10~13日)がネバダ州ラスベガスで開催された。今年も昨年と同様、北米最大のエネルギー貯蔵関係の国際展示会「エネルギー・ストレージ・インターナショナル(Energy Storage International = ESI)との併催となった。今年で14年目を迎えるSPIは 2万人を超える参加者を動員し、大きな賑わいを見せた。

 ちなみに、今回の会場となったマンダレイベイ・ホテル&カジノのコンベンションセンターの屋根には出力6.4MWの太陽光発電システムが設置されている。2年前に稼働したこの発電システムは、ホテルそしてカジノのピーク需要の20%を賄っているという。

太陽光と蓄電池の統合がトピックに

 さて、今回のSPIでの大きなトピックの1つは「太陽光発電の大量導入による蓄電池の統合」であった。これまでのSPIでは、太陽光発電の導入を拡大するため、コスト削減や政府の普及政策などのトピックが多くを占めた。

 従来、太陽光発電はRPS法(再生可能エネルギー導入義務制度)など、公的な政策主導で導入が拡大してきた。しかし、低価格化が急速に進み、発電コストが従来の電源に匹敵、または勝るようになってきた。そのため、政策・規制による促進だけでなく、「経済的に」メリットが生じ、企業や電力会社による電力事業用のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発が加速した。実際、2016年に電力事業用セグメントの設置容量は10GWを超えた。

 カリフォルニア州やハワイ州では太陽光発電の大量導入に伴い、日中に需要を上回る太陽光発電の余剰供給が発生し、系統の安定的な運用を脅かすと同時に、今後のさらなる太陽光の導入拡大の壁となっている。

 SPIでは、太陽光発電が昼間に生み出す「過剰」電力量に対応するため 、さまざま手法が議論された。例えば、自産自消モデルを促進するネットメータリング制度の改定、時間帯別電気料金プランの導入、デマンドチャージの導入、マイクログリッド、電力会社による分散型電源の統括計画など蓄電池を併用する政策、そして、新たなビジネルモデルなどを通じた「次世代のグリッド」などがテーマとなった(図2)。
図2●電力会社などの幹部が集まり、太陽光発電の大量導入に対する
グリッドへの対応が話し合われた
(出所:J. Movellan)
電力会社が蓄電の導入を加速

 太陽光パネルは大量生産によってすでに低価格化したが、蓄電池の市場は一体どうなっているのだろうか? 12日に行われた「ソーラーと蓄電池の交差点」と題する基調講演で、電力会社で構成される米スマートエレクトリックパワー協会(SEPA)でCEO(最高経営責任者)兼社長を務めるジュリア・ハム氏は...Read More Here

August 7, 2017

米家庭用蓄電池、主導権を狙い有力企業が合従連衡 テスラ、LG化学、メルセデスが全米トップ3の施工業者と提携

Published at Nikkei Technology Online --- テスラのソーラーシティ買収が引き金

 米国で家庭向けに太陽光発電システムと蓄電池システムを併用する市場が立ち上がってきた。こうしたなか、蓄電池メーカーが太陽光発電システムの大手インストーラー(施工業者)との合従連衡を進める動きが激化してきた。

 急先鋒は電気自動車 (EV) と蓄電池メーカーの米テスラである。同社は2016年、米国住宅用市場でシェア1位の米ソーラーシティ(SolarCity)を買収し、定置型蓄電池の販売ルートを太陽光発電市場へ拡大した。ソーラーシティは、「初期費用なし、電気料金即削減」という 「第3者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」で急成長していた。

 この買収により、米国太陽光発電市場における提携関係に変化が起こった。

 これまで米国の住宅向け太陽光発電システムのインストーラーは、コスト削減と供給確保のため複数の太陽光パネルメーカーと契約を結んできた。

 だが、蓄電池に関しては「独占契約」を選択し始めたのである。ナンバー1のソーラーシティがテスラと独占契約したのに続き、ナンバー2の米サンラン(Sunrun)は韓国のLG化学(LG Chem)と、ナンバー3のビビントソーラー(Vivint Solar)はドイツのメルセデス・ベンツと提携した(図1)。

図1●米国住宅用太陽光発電市場における蓄電池で競争を繰り広げる
テスラ(左)、LG化学 中央)、メルセデス(右)の製品
(出所:テスラ、LG化学、メルセデス・ベンツ)


政策の変わり目がビジネスチャンス

 太陽光発電システムと蓄電池システムの併用が脚光を浴びるようになった背景には、政府の政策の変化がある。

 これまで、ネットメータリング(余剰電力買取制度)などの再生可能エネルギーを拡大するための政策によって太陽光市場は飛躍的に拡大した。しかし、太陽光の大量導入により、電力会社は系統網の電圧や周波数が不安定化する問題に直面することになった。

 さらに、電力会社は、「ネットメータリング制度による余剰電力買取の増加で、太陽光を所有しない電力需要家の負担金額が増え不公平が生じている」と主張し、同制度の大幅な改正に乗り出した。その結果、電力会社の系統網に連系する太陽光の経済メリットが下がり、蓄電池の併用による「自己消費モデル」への移行が模索され始めた。

 ハワイ州では、2015年10月にネットメータリング制度が廃止され、それに代わって、「自己供給」と「グリッド供給」という系統接続オプションが導入された。

 「自己供給」とは、太陽光の全発電量を自家消費するもので、蓄電池が必須になる。「グリッド供給」は余剰分を系統網に流せるものの、買取量に制限があり、これまでの小売価格よりかなり低い価格で買い取られることになった。

 サンランは2016年5月、ハワイ州を皮切りに「ブライトボックス(BrightBox)」という太陽光・蓄電池の併設サービスを開始した。同サービスは、月単位で支払うリース(20年)、事前に支払うプリペイドリース(20年)、購入・ローンという3種類の支払いオプションを用意している。...Read More Here

June 19, 2017

米テスラ社の「ソーラールーフ」、予約販売の開始日に完売 価格は公表、変換効率は未だに「ミステリー」

Published at Nikkei Technology Online ---  昨年10月末、米テスラ社のCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏が「ソーラールーフ・タイル」と名付けた新型の「建材一体型太陽電池」を発表し、業界を騒がせた。その後、半年以上経った今年5月10日、同社は 「ソーラールーフ・タイル」の販売予約を開始した。

まずカリフォルニア州で施工開始

 昨年のマスク氏の発表では、 日本瓦に似たS型でオレンジ色のツーソン・タイル、斧で割った石片のようなスレート・タイル、斧で割った木片のような質感のテクスチャーガラス・タイル、そして、平らなスームズガラス・タイルの4種類が紹介された。

 そのうち、今回販売開始となったのはスームズガラス・タイルとテクスチャーガラス・タイルの2種類。スレートとツーソン・タイルは来年に販売を開始する予定となっている。

 同社は数カ月前からこの新製品のため、屋根職人の雇用を拡大し、6月からまず太陽光発電システムの市場が最も大きいカリフォルニア州でソーラールーフの施工を始めると発表した(図1)。

図1●テスラ社のソーラールーフ・タイルが設置された住宅(出所:Tesla)

価格とソーラーと非ソーラーの比率を表示

 この販売予約の開始と同時に、同社はついにソーラールーフの価格を公開した。

 同社のウエブサイトに、購入希望者が住所をインプットするとシステム価格とソーラー・タイルと非ソーラー・タイル(太陽電池の含まれていないタイル)の設置比率が計算される。

 ちなみに、年間の推定発電量はグーグル社のサンルーフプロジェクトのデータに基づいた日射量を使用しているようだ。サンルーフプロジェクトは、グーグルマップを基に、地理的、気候的、さらに屋根面積と屋根への陰などを考慮して、年間発電量が推定される。

 カリフォルニア州に住む筆者自身の住所をインプットすると、ソーラールーフのシステムコスト(Cost of roof)が9万8400米ドルと表示された... Read More Here

May 15, 2017

米加州、予算を大幅に増加し蓄電池を推進 放電時間と容量で補助率を変動する新手法、需給バランスに活用

Published at Nikkei Technology Online --- 蓄電池向けの予算を増額

 米国カリフォルニア州は2017~19年の3年間に5億6669万ドルの予算を投じ、コージェネレーション(熱電併給)システム、風力、蓄電池、そして燃料電池などの導入を拡大する。

この予算が組まれているのは、セルフ・ジェネレーション・インセンティブ・プログラム(SPIG:自家発電補助金プログラム)で、2010年にカリフォルニア州の温室効果ガス排出の削減とグリッド(系統網)の安定化を促すために開始した。

 今回は蓄電池への予算が拡大され、総予算の79%の4億4819万ドルが蓄電池に充てられる。うち3億9081万ドルは出力10kW以上の大型蓄電池、残りの5738万ドルは出力10kW未満の小規模・住宅用蓄電池に充てられている。

 5月1日に予約申請の公募を開始した。実は、前回の公募ではプログラム開始と同時に蓄電池用の予算枠が少数の施工業者・メーカーによって、非住宅蓄電池用に抑えられてしまった。その反省から、今回はより多くの家庭や企業に蓄電池が広まように、制度上、いくつか改善している。

 まず今回は、住宅用に予算が割り当てられ、1社の施工業者が申請できる件数にも上限をもうけた。さらに、補助金が5段階(ステップ)に分かれており、予約申請の合計額が予算に達すると補助金が下がる(ステップダウン)仕組みになっている。

 具体的には、ステップ予算に達するたびに補助金額は0.05ドル/Wh下がるようになっている。しかし、もしプログラム開始10日以内に予算に達した場合、2倍の0.10ドル/Whで下がる。つまり、需要が高ければ、補助金額の下がりかたに加速がつき、資金効率を高めている(表1・2)。
表2●加州SGIP蓄電池用補助金(ドル/Wh)ステップ別


グリッド安定化に貢献する電池を優先

 今回は、「Investment Tax Credit(ITC)」と呼ばれる連邦政府からの「再生可能エネルギー導入投資税控除(システム設置にかかった投資額の30%を税額控除)」を利用する場合、大型蓄電池用に限り、補助金額が0.04ドル/Wh低く設定されている。

 さらに、前回は少数のメーカーまたは施工会社などによって、プログラム開始と同時に補助金予算枠が押さえられてしまったので、今回は、もし1日で応募が予算を超えた場合、「抽選」制度が使用される。温室効果ガス排出の削減量、またはグリッド(系統網)への利点が多いプロジェクトは優先権が得られる。... Read More Here

February 16, 2017

米加州で80MW超の大規模蓄電池を導入、ガス火力を代替へ 太陽光由来の電気を使い、「ダックカーブ」に対応

Published at Nikkei Technology Online --- ガス火力の燃料不足に現実味

 2016年10月、米カリフォルニア州の天然ガス貯蔵施設で大規模なガス漏れの事故が発生した。天然ガスの不足が危惧され、電力の需要ピーク時における供給不足にも現実味が出てきた。こうした事態の中、同州の州知事は急きょ、出力約100MWの大規模蓄電池の入札、そして建設を電力会社に促した。

 これを受け、カリフォルニア州に数サイトで80MWを超える大規模蓄電池が緊急に導入された。その一つには、米テスラ社が供給した容量80MWh・定格出力20MWのLiイオン蓄電池が含まれる。この蓄電池の運営はすでに2016年末から始まっているが、2017年1月末に正式な完成記念式が行われた。

 「ミラ・ロマ」と呼ばれるこの蓄電池プロジェクトは、10MWの2つのモジュールからなっており、各モジュールは198のパワーパック2(Powerpack2)と、14のインバーターから構成される(計396パワーパック2)。フル充電されていれば、1万5000軒の世帯に4時間分の電気を供給できるという。

図: テスラ社の蓄電池が導入されたカリフォルニア州
「ミラ・ロマ」蓄電池プロジェクトの完成式
(出所:Ernesto Sanchez)

3カ月で80MWhの蓄電池を設置・稼働

 膨大な量の天然ガス漏れが発見されたのは、ロサンゼルス盆地付近にあるアリソキャニオンガス貯蔵施設であった。この貯蔵施設は熱用とガス火力発電所用にガスを供給していたが、安全のために閉鎖されることになった。そのため地域でのガス不足を引き起こしたのである。

 カリフォルニア州で電力小売事業を独占する米サザン・カリフォルニア・エジソン電力会社(Southern California Edison:SCE)は150万の電力顧客数を抱える。SCEは、需要ピーク時の電力供給に天然ガス火力を稼働していた。電力不足を防ぐため、SCEは蓄電池システムの設置を競争入札にかけ、テスラ社が契約者として落札した。

 この緊急の事態に、テスラ社は約3カ月で蓄電池を製造、出荷、建設、そして運営にまでこぎ着けた。蓄電池は、カリフォルニア州ロスアンジェルスから離れた東部の変電所に設置された...See More Here

November 28, 2016

米ソーラーシティ、住宅太陽光でシェア低下、テスラと組み、巻き返し? 「第3者所有」より自己所有のローンを好む傾向が顕著に

Published at Nikkei Technology Online --- テスラによるソーラーシティの買収が可決

 先週(11月17日)米テスラモーターズ株主総会において、「圧倒的な賛成で」米ソーラーシティ(SolarCity)の買収が可決された。

 テスラでCEO(最高経営責任者)を務め、ソーラーシティの代表取締役会長も務めるイーロン・マスク氏はこの買収に関わる総会で議決権を放棄したにもかかわらず、約85%が23億米ドルの買収に賛意を示した。

 マスク氏は可決後、「(テスラ株主の)確信は報われるでしょう」と、新しいエネルギー会社の統合を祝った。

 テスラの買収で報道が増えたソーラーシティだが、同社のビジネスモデルには陰りも見え始めている。

 ソーラーシティは「初期費用なし、電気料金即削減」という 「第3者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」で急成長し、2015年には米国住宅用太陽光発電市場の3分の1以上のシェアを占めた。

 しかし、ここに来て同社の市場シェアが下がり始めている。理由の一つは、成長の原動力だった 第三者所有モデルの利用が減っていることだ。

 TPOモデルは、ソーラーシティのような販売・施工とファイナンスを統合したソーラープロバイダーが、太陽光発電システムを顧客に無料で提供し、家庭の屋根に設置する。そして、太陽光発電システムから発電される電力を消費者に 従来の電力会社の電気料金単価より低い値段で販売するものだ。

「第3者所有」モデルのシェアは半分以下に

 消費者は、多額な導入費無し、修理・メインテナンスに煩わされずに、太陽光発電の恩恵を享受できる。こうした利点が受け、 2007年に登場したTPOモデルは、2014年にはなんとオーナー所有(現金、ローン購入)を大きく抜き、米国住宅用太陽光発電市場の72%を占めるまでに成長した。

米国住宅用太陽光発電市場における
第三者とオーナー所有率の比較予想
(出所:GTM Research)

しかし、米クリーンエネルギーリサーチ・コンサルティング会社のジーティーエム・リサーチ(GTM Research: GTM) は、「来年には第3者所有が45%までに下がる」と予測している。つまり、オーナー所有率がTPOモデルを抜き、55%を占めるというのである。その後も、TPOモデルは下降を続け、2020年には27%までに落ちると予想している...Read More here

November 3, 2016

米テスラがパナソニックと太陽電池生産で提携、その真意は? 「トンネル接続」と「ヘテロ接合」、どちらを生産するか?

Published at Nikkei Technology Online --- 先月、米電気自動車(EV)大手の米テスラ・モーターズ(Tesla Motors)とパナソニックは、共同で太陽電池の生産を米国で始める検討に入ったと、発表した。

米国で「HIT太陽電池」を共同生産

 世界トップレベルの変換効率を持つパナソニックの「HIT太陽電池」(結晶シリコンと非晶質シリコンによるヘテロ接合型太陽電池)のセル製造技術を使い、2017年に太陽電池の生産開始を予定している。生産候補地は現在、米ニューヨーク州バッファローとなっている。

 テスラといえば、この夏、分散型太陽光発電システム販売・施工において米国ナンバーワンの米ソーラーシティ(SolarCity)を26億米ドルで買収すると発表したばかりである。実は、そのソーラーシティは数年前から年間1GWの生産能力を持つ「ギガファクトリー(Gigafactory)」と呼ばれる太陽電池工場を、同じニューヨーク州バッファローに建設している。

SolarCity GigaFacutry Ground Breaking in New York
Credit: State of New York

 ソーラーシティの1GWの太陽電池工場の完成が間近に迫るなか、テスラはなぜパナソニックと太陽電池生産の提携を進めようとしているのか?

「トンネル接続」型技術で効率24%を目指していたが…

 ソーラーシティは、2014年6月に米太陽電池ベンチャーであるシボレ社(Silevo)を2億米ドルで買収した。

 同ベンチャーは、アプライドマテリアズ(Applied Materials)の幹部によってカリフォルニア州シリコンバレーに設立された。結晶シリコンと薄膜のハイブリッドの太陽電池セルの開発・生産を行う会社である。「トンネル接続型」という先端技術を使用して、高効率化しつつ、製造工程を減らし低コストを達成した。同社のトリックス (Triex)と呼ばれるセルテクノロジーの変換効率は22~23%で、世界トップレベルにある。

 既に、カリフォルニア州フレモントでパイロット生産と、...Read More here

October 30, 2016

「従来の屋根材より美しい」太陽光パネル、米テスラが発表 瓦のような4タイプの「ソーラールーフ・タイル」を商品化

Published in Nikkei Technology Online ----  10月末、米テスラ・モーターズ(Tesla Motors)のCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏がまた業界を騒がす発表をした。

 発表会ではまず、テスラが現在、買収をかけているソーラーシティ(SolarCity)のCEO(最高経営責任者)でマスク氏の従兄弟にあたるリンドン・ライヴ氏がまずステージに現れた。同社は、分散型太陽光発電の販売・設置で米国ナンバーワン企業だ。

 「これから紹介するプロダクトにとてもワクワクしています。このプダクトは、テスラとソーラーシティが共同で念入りに開発したものです。このプロダクトのビジョンをより理解するために、イーロン・マスク氏を呼びましょう」と、マスク氏をステージに招いた。

 ちょっと洒落た郊外の住宅地にセッティングされたと思われるマスク氏が立っているステージは、実はカリフォルニア州ロサンゼルス郡にあるハリウッド映画スタジオとして有名な、ユニバーサル・スタジオの一部。同氏は周りの家を指し、「これらの全ての家にソーラー(太陽電池)が付いているのが、わかりますか?」と、参加者に問いかけた。

 まさしく、周りの洒落た家の「ルーフ(屋根)」が、今回の新しいプロダクトなのである。...Read More Here
Elon Musk announces new Solar Roof Tiles at Universal Studio, Credit Tesla

August 24, 2016

ハワイ州では「ソーラー・プラス・バッテリー」が電気料金より安い! 蓄電池を併設した分散型太陽光が米国で急成長

Published at Nikkei Technology Online ---  米Tesla社が米SolarCity社を合併するニュースが業界を騒がしている。これは、米国で今後、「ソーラー・プラス・バッテリー(分散型太陽光発電と蓄電池)」市場が大きく成長していくことを意味する。

「ビハインド」は前年比3倍に急伸

 米クリーンエネルギーリサーチ・コンサルティング会社のGTM Research(以下GTM) 社によると、今年第1四半期 (1~3月)における米国エネルギー貯蔵 設置容量は前年同期比127%増の18.3MWと、大きく拡大した。

 特に成長した分野は、「ビハインド・ザ・メーター(behind-the-meter)」と呼ばれる電力消費者の電気メーターの背後に設置される蓄電池である。これらの蓄電池は主に分散型太陽光発電と併設され、電力消費者サイトで発生した太陽光発電の余剰をグリットに流さずに貯め、自家消費用に使うものである。

 「ビハインド・ザ・メーター」に対する概念は「フロント・オブ・ザ・メーター (Front of the Meter)」と呼ばれ、主に電力会社などの電力供給側に設置された蓄電池を示す。GTM社によると、フロント・オブ・ザ・メーター側の設置容量は、前年同期比で2倍に拡大したが、ビハインド・ザ・メーターは前年同期から3倍とさらに大幅に成長した。これは、州政府の分散型電源の大量導入による制度改革を反映している。... Read More Here

Tesla社のパワーウォール (Powerwall)と合わせたセルフ・サプライ用システムを設置するSunrun社
(出所:Sunrun社)

June 6, 2015

蓄電池の入札に60倍以上の応募、州政府の設置義務で市場拡大へ

Published at Nikkei Technology Online ---  2014年12月に、カリフォルニア州で最大規模の電力会社である米Pacific Gas &Electric(PG&E)社が、78MWの蓄電池の競争入札を開始した。2015年2月末の締め切りまでに、なんと募集の約64倍に相当する5000MW以上の応募があったという。

 PG&E社を含むカリフォルニア州の大手電力会社3社は合計で、2015年中に200MWの蓄電池を落札する予定である。3社による入札は、今後も2016年と2018年、2020年に予定されている。米国でエネルギー貯蔵用の蓄電池の市場が急速に拡大しそうだ。

州政府が蓄電池の設置を義務付け

 カリフォルニア州は、2020年までに再生可能エネルギーによる電力販売比率を33%にする目標を設定している。同州の電力会社は、この目標を予定よりも早く達成できる勢いで太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を進めている。



 しかし、再生可能エネルギーの大規模導入に伴って生じる、電圧変動などの電力系統への悪影響が顕著になってきたため、同州は民間電力会社 3 社(米Southern California Edison(SCE)社、PG&E社、米San Diego Gas & Electric(SDG&E)社)に、2020 年までに合計1325MWのエネルギー貯蔵用蓄電池の設置を義務付けた。州政府が電力会社に対して、蓄電池の設置を義務付ける法律を制定したのは、これが米国で最初の例となった。See More Here

December 23, 2014

高速道路での優遇が決め手、EV10万台超のカリフォルニア

Published at Nikkei Electronics --- 赤いスポーツカーが、カリフォルニア州の青い空と青い海を背景に、高速道路をさっそうと走行する場面が映画にたびたび登場する(図1)。カリフォルニア州は、面積が広いにもかかわらず、米国の東海岸や日本のように、公共交通機関が発達していない。必然的に車への依存度が高くなり、5~6車線もある高速道路でも交通渋滞が頻発している。

 「車社会」のカリフォルニア州では、CO2排出量の40%が、道路交通部門からのものである。自動車の排気ガスを大幅に削減するために、電気自動車(EV)への期待が高まっている。カリフォルニア州では2025年までに15億台のEVを導入するという、全米で最も高い目標を掲げている。Get Magazine Here See More Here

日経エレクトロニクス 2014年12月22日号
日経エレクトロニクス 2014年12月22日号
The Plug-in Electric Vehicle (PEV) Owner Survey by California Air Resources Board (ARB)

December 4, 2014

EVだけじゃないTesla Motors社、新電池工場で生産の3割を定置型に

Published at Nikkei Business --- 電気自動車(EV)のスポーツカー「Roadster」でEV業界に旋風を巻き起こした米Tesla Motors社。その蓄電池は、自動車だけでなく、家庭や商業・工業向けでも活躍している。

 Tesla Motors社は2014年9月、カリフォルニア州の隣のネバダ州に、「ギガファクトリー(Gigafactory)」と名付けた業界最大のLiイオン2次電池工場の建設を発表した。この電池工場では2020年までに、年間50 GWh相当の蓄電池の生産を開始する予定だ。

 Tesla Motors社の広報担当者によると、Gigafactoryで製造する約30%の蓄電池が、自動車以外の家庭用、商業・工業用などの定置型蓄電池として使われるという。需要家側に設置する定置型蓄電池だけでなく、発電や送電といった供給側に設置する大規模貯蔵システムにも対応できるとする。Read More Here

Tesla Roadster

Tesla Stationary Energy Storage 400kWh /200kW

October 28, 2014

太陽電池モジュールと資金が不足する「2016年問題」、北米最大の展示会「SPI 2014」で議論

Published at Nikkei Technology ---  太陽光発電関連の北米最大の展示会「Solar Power International(SPI) 2014」(2014年10月20~23日)が、米国ネバダ州ラスベガスで開催された。ネバダ州はカジノだけではなく、世界最大規模の太陽熱と太陽光の発電所があり、さらに電気自動車(EV)メーカーの米Tesla Motors社がLiイオン2次電池の工場「ギガ」の建設地に選んだ。

SPI 2014 in Las Vegas - General Session

 1万8600m2の展示会場には、世界25カ国から、計1600社が出展した。SPIは今年で11年目になり、年々規模が小さくなっている。しかしこれは、米国の太陽光発電市場が縮小しているのではなく、成熟期に入ったことを意味する。米国の太陽電池メーカーでEPC事業者(EPCは、engineering(設計)、procurement(調達)、construction(建設)の意味)でもある米Sun Power社や米First Solar社さえも、ここ数年ブースは構えていない。

 2000年代のSPIは、太陽電池メーカーやパワーコンディショナメーカーなど、ハードウエア系の最新技術や製品のお披露目の場であった。ここ数年は、施工を簡素化する架台や、システムの監視システム、顧客獲得を効率化するクラウドサービス、そして系統電力量の制御に貢献する蓄電池とそのソフトウエアなどが、展示の中心になっている。。。。See More Here