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July 13, 2020

米住宅太陽光の最新動向、シェアトップ企業がNo.2を買収! 「第3者所有モデル」席捲後、自己所有も復調、設置手法が多様化

Published at Nikkei Technology

クリーンでレジリエントなエネルギー

 米国の住宅用太陽光発電市場でリーディングカンパニーである米サンラン(Sunrun)は、同じ業界の競争相手であるビビント・ソーラー(Vivint Solar)を買収すると、7月6日発表した。

 サンランは、住宅用太陽光発電と蓄電池のサービスプロバイダーで現在、米住宅太陽光市場でシェアトップを誇る。一方、ビビント・ソーラーは、シェア2位の住宅用太陽光発電フルサービスプロバイダーである。つまり、業界1位と2位の合併ということになる。

 全株式交換による取引で、ビビント・ソーラー株1株に対してサンラン株0.55株を割り当てるというもので、買収総額は、32億ドル。両社の取締役会は全会一致でこの買収を承認しており 、買収手続きは、両社の株主と規制当局の承認などを経て、今年第4四半期(10〜12月)に完了する見通しだ。‘

 「米国はクリーンでレジリエントなエネルギーを求めています。ビビント・ソーラーが加わることにより、家庭用太陽光発電と蓄電池の利点をより高め、より多くの家庭に広められる、ハイクオリティーな営業チャンネルを得ることになります」。サンランの創業者兼最高経営責任者(CEO)リン・ジュリッチ氏は、買収計画発表の場でこう語った(図1)。

図1●サンラン社がNASDAQで株式上場記念(中央黄色いジャケットが同社CEO)
(出所:NASDAQ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 この買収により、サンランは、約50万人の顧客と3GWを超える太陽光発電の資産を持つ「リーディングオーナー」にもなるという(図2)。...Read More Here 

June 25, 2018

パナソニックとサンパワーが米市場でバトル!? 「ACモジュール」と米国内での増産を競い合う

Published at Nikkei Technology ---  米国で高効率の太陽光パネル(モジュール)メーカーと言えばサンパワー (SunPower)。日本で高効率パネルと言えばパナソニック。そんな2つのプレミアム・パネルメーカーが米国の住宅用太陽光市場でバトルを繰り広げようとしている。
 両社は「ACモジュール」と、米国国内でのセル(発電素子)・パネル生産に関してしのぎを削ることになりそうだ。

住宅市場で伸びる「ACモジュール」

 「ACモジュール」とは、太陽光パネル1枚ごとに超小型のインバーター(パワーコンディショナー=PCS)を背面に装着し、セルで出力した直流(DC)を交流(AC)に変換しつつ、MPPT(最大電力点追従)制御を行う技術だ。通常の直流を出力するモジュールに対して、モジュールレベルで交流に変換されるので、「ACモジュール」と呼ぶ 。
 クリーンテクノロジーリサーチ・コンサルティングの米GTMリサーチによると、2017年にマイクロインバーターは米国住宅用太陽光向けPCS市場で66%を占めていたという。
 パナソニックが今年2月にマイクロインバーター(超小型PCS)で先駆的なメーカーである米エンフェイズ (Enphase) と提携すると、発表した。パナソニックの「Nシリーズ」モジュールにエンフェイズのマイクロインバーターを取り付け、「ACモジュール」として販売するという。
 サンパワーも「ACモジュール」に数年前から力を入れている。同社は2014年にマイクロインバーターメーカーのソーラーブリッジ(SolarBridge)を買収した。同社の高変換効率のXシリーズモジュールとソーラーブリッジのマイクロインバーターを組み合わせた。Read More Here

August 7, 2017

米家庭用蓄電池、主導権を狙い有力企業が合従連衡 テスラ、LG化学、メルセデスが全米トップ3の施工業者と提携

Published at Nikkei Technology Online --- テスラのソーラーシティ買収が引き金

 米国で家庭向けに太陽光発電システムと蓄電池システムを併用する市場が立ち上がってきた。こうしたなか、蓄電池メーカーが太陽光発電システムの大手インストーラー(施工業者)との合従連衡を進める動きが激化してきた。

 急先鋒は電気自動車 (EV) と蓄電池メーカーの米テスラである。同社は2016年、米国住宅用市場でシェア1位の米ソーラーシティ(SolarCity)を買収し、定置型蓄電池の販売ルートを太陽光発電市場へ拡大した。ソーラーシティは、「初期費用なし、電気料金即削減」という 「第3者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」で急成長していた。

 この買収により、米国太陽光発電市場における提携関係に変化が起こった。

 これまで米国の住宅向け太陽光発電システムのインストーラーは、コスト削減と供給確保のため複数の太陽光パネルメーカーと契約を結んできた。

 だが、蓄電池に関しては「独占契約」を選択し始めたのである。ナンバー1のソーラーシティがテスラと独占契約したのに続き、ナンバー2の米サンラン(Sunrun)は韓国のLG化学(LG Chem)と、ナンバー3のビビントソーラー(Vivint Solar)はドイツのメルセデス・ベンツと提携した(図1)。

図1●米国住宅用太陽光発電市場における蓄電池で競争を繰り広げる
テスラ(左)、LG化学 中央)、メルセデス(右)の製品
(出所:テスラ、LG化学、メルセデス・ベンツ)


政策の変わり目がビジネスチャンス

 太陽光発電システムと蓄電池システムの併用が脚光を浴びるようになった背景には、政府の政策の変化がある。

 これまで、ネットメータリング(余剰電力買取制度)などの再生可能エネルギーを拡大するための政策によって太陽光市場は飛躍的に拡大した。しかし、太陽光の大量導入により、電力会社は系統網の電圧や周波数が不安定化する問題に直面することになった。

 さらに、電力会社は、「ネットメータリング制度による余剰電力買取の増加で、太陽光を所有しない電力需要家の負担金額が増え不公平が生じている」と主張し、同制度の大幅な改正に乗り出した。その結果、電力会社の系統網に連系する太陽光の経済メリットが下がり、蓄電池の併用による「自己消費モデル」への移行が模索され始めた。

 ハワイ州では、2015年10月にネットメータリング制度が廃止され、それに代わって、「自己供給」と「グリッド供給」という系統接続オプションが導入された。

 「自己供給」とは、太陽光の全発電量を自家消費するもので、蓄電池が必須になる。「グリッド供給」は余剰分を系統網に流せるものの、買取量に制限があり、これまでの小売価格よりかなり低い価格で買い取られることになった。

 サンランは2016年5月、ハワイ州を皮切りに「ブライトボックス(BrightBox)」という太陽光・蓄電池の併設サービスを開始した。同サービスは、月単位で支払うリース(20年)、事前に支払うプリペイドリース(20年)、購入・ローンという3種類の支払いオプションを用意している。...Read More Here

March 22, 2017

米ランカスター市、初の「ネットゼロエネルギーシティ」に 全ての新築住宅に「ネットゼロエネルギー規制」

Published at Nikkei Technology Online --- 「温暖化対策は地方自治体が決める」

 米国カリフォルニア州サンディエゴ市で開催された「コミュニティチョイスエネルギー・フォーラム」で、同州ランカスター市のレックス・パリス市長は、トランプ米大統領の顔写真を指差し、こう言い放った。

 「我々は(温暖化対策を実施するにあたり)連邦政府のサポートは必要ありません。なんと言っても建物の許可が出せるのは私ですから。(温暖化対策の)決断はローカルが出すのです」―ー

 この発言は、地方自治体が温暖化対策に大きな役割を果たすことを意味する。実際、同市は、どの地方自治体、州政府、そして連邦政府よりも、革新的、そして包括的なCO2 削減対策を促進している(図1)。

図1●「ネットゼロエネルギーシティ」に向けての
取り組みについて語る加州ランカスター市長(出所:Climate Action Campaign





ランカスター市は、ロスアンゼルスの北のアンテロープ・バレーと呼ばれるモハベ砂漠の西端に跨るバレー(低地)に位置し、年間300日以上が晴れという太陽光発電に大変恵まれた地域にある。

 そんなランカスター市は、2011年に米国初の「ネットゼロエネルギー (ZNE) シティ」と「世界の代替エネルギーの首都」になるという意欲的な目標を掲げた。「消費する電力量より、太陽光発電などの発電量が上回る。それは私たちとって、もうそこまで来ています。実際、2017年には(ネットゼロエネルギーを)達成します」と、パリス市長は語った。

中国BYD社が太陽電池と蓄電池を供給

 そして、この目標を達成するための同市による数々の環境条例、促進事業の説明を行った。

 パリス市長によると、ZNEホームは、従来から存在していたが、高価なものばかりだったという。市長のビジョンは、「一般の家庭が購入できる」ZNEホームを同市に建築することだった。

 「多くに人が、『それは無理だ』と言いましたが、私は、『どうすれば可能になりますか』と問い返しました。また、官僚的な煩雑な手続きのため、『建物の許可を取るのに時間がかかる』と言われました」。パリス市長は、こう振り返る。

 そこで、まず「その手続きのプロセスを短縮化しました。さらに、太陽光発電の導入手続きも簡素化しました。従来なら数週間以上かかってしまう申請や許可などの手続きを、申請に訪れた時に完了できるよう20分程度に短縮しました」。パリス市長は、市の受け入れ態勢を大幅に改正したことについて語った。

 パリス市長は中国に行き、蓄電池メーカー大手BYD社(比亜迪)と交渉しつつ、ホームビルダーである米KB Home社とパートナーシップを組み、「未来のホーム」を作った..Read More Here

November 28, 2016

米ソーラーシティ、住宅太陽光でシェア低下、テスラと組み、巻き返し? 「第3者所有」より自己所有のローンを好む傾向が顕著に

Published at Nikkei Technology Online --- テスラによるソーラーシティの買収が可決

 先週(11月17日)米テスラモーターズ株主総会において、「圧倒的な賛成で」米ソーラーシティ(SolarCity)の買収が可決された。

 テスラでCEO(最高経営責任者)を務め、ソーラーシティの代表取締役会長も務めるイーロン・マスク氏はこの買収に関わる総会で議決権を放棄したにもかかわらず、約85%が23億米ドルの買収に賛意を示した。

 マスク氏は可決後、「(テスラ株主の)確信は報われるでしょう」と、新しいエネルギー会社の統合を祝った。

 テスラの買収で報道が増えたソーラーシティだが、同社のビジネスモデルには陰りも見え始めている。

 ソーラーシティは「初期費用なし、電気料金即削減」という 「第3者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」で急成長し、2015年には米国住宅用太陽光発電市場の3分の1以上のシェアを占めた。

 しかし、ここに来て同社の市場シェアが下がり始めている。理由の一つは、成長の原動力だった 第三者所有モデルの利用が減っていることだ。

 TPOモデルは、ソーラーシティのような販売・施工とファイナンスを統合したソーラープロバイダーが、太陽光発電システムを顧客に無料で提供し、家庭の屋根に設置する。そして、太陽光発電システムから発電される電力を消費者に 従来の電力会社の電気料金単価より低い値段で販売するものだ。

「第3者所有」モデルのシェアは半分以下に

 消費者は、多額な導入費無し、修理・メインテナンスに煩わされずに、太陽光発電の恩恵を享受できる。こうした利点が受け、 2007年に登場したTPOモデルは、2014年にはなんとオーナー所有(現金、ローン購入)を大きく抜き、米国住宅用太陽光発電市場の72%を占めるまでに成長した。

米国住宅用太陽光発電市場における
第三者とオーナー所有率の比較予想
(出所:GTM Research)

しかし、米クリーンエネルギーリサーチ・コンサルティング会社のジーティーエム・リサーチ(GTM Research: GTM) は、「来年には第3者所有が45%までに下がる」と予測している。つまり、オーナー所有率がTPOモデルを抜き、55%を占めるというのである。その後も、TPOモデルは下降を続け、2020年には27%までに落ちると予想している...Read More here

November 3, 2016

米テスラがパナソニックと太陽電池生産で提携、その真意は? 「トンネル接続」と「ヘテロ接合」、どちらを生産するか?

Published at Nikkei Technology Online --- 先月、米電気自動車(EV)大手の米テスラ・モーターズ(Tesla Motors)とパナソニックは、共同で太陽電池の生産を米国で始める検討に入ったと、発表した。

米国で「HIT太陽電池」を共同生産

 世界トップレベルの変換効率を持つパナソニックの「HIT太陽電池」(結晶シリコンと非晶質シリコンによるヘテロ接合型太陽電池)のセル製造技術を使い、2017年に太陽電池の生産開始を予定している。生産候補地は現在、米ニューヨーク州バッファローとなっている。

 テスラといえば、この夏、分散型太陽光発電システム販売・施工において米国ナンバーワンの米ソーラーシティ(SolarCity)を26億米ドルで買収すると発表したばかりである。実は、そのソーラーシティは数年前から年間1GWの生産能力を持つ「ギガファクトリー(Gigafactory)」と呼ばれる太陽電池工場を、同じニューヨーク州バッファローに建設している。

SolarCity GigaFacutry Ground Breaking in New York
Credit: State of New York

 ソーラーシティの1GWの太陽電池工場の完成が間近に迫るなか、テスラはなぜパナソニックと太陽電池生産の提携を進めようとしているのか?

「トンネル接続」型技術で効率24%を目指していたが…

 ソーラーシティは、2014年6月に米太陽電池ベンチャーであるシボレ社(Silevo)を2億米ドルで買収した。

 同ベンチャーは、アプライドマテリアズ(Applied Materials)の幹部によってカリフォルニア州シリコンバレーに設立された。結晶シリコンと薄膜のハイブリッドの太陽電池セルの開発・生産を行う会社である。「トンネル接続型」という先端技術を使用して、高効率化しつつ、製造工程を減らし低コストを達成した。同社のトリックス (Triex)と呼ばれるセルテクノロジーの変換効率は22~23%で、世界トップレベルにある。

 既に、カリフォルニア州フレモントでパイロット生産と、...Read More here

October 30, 2016

「従来の屋根材より美しい」太陽光パネル、米テスラが発表 瓦のような4タイプの「ソーラールーフ・タイル」を商品化

Published in Nikkei Technology Online ----  10月末、米テスラ・モーターズ(Tesla Motors)のCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏がまた業界を騒がす発表をした。

 発表会ではまず、テスラが現在、買収をかけているソーラーシティ(SolarCity)のCEO(最高経営責任者)でマスク氏の従兄弟にあたるリンドン・ライヴ氏がまずステージに現れた。同社は、分散型太陽光発電の販売・設置で米国ナンバーワン企業だ。

 「これから紹介するプロダクトにとてもワクワクしています。このプダクトは、テスラとソーラーシティが共同で念入りに開発したものです。このプロダクトのビジョンをより理解するために、イーロン・マスク氏を呼びましょう」と、マスク氏をステージに招いた。

 ちょっと洒落た郊外の住宅地にセッティングされたと思われるマスク氏が立っているステージは、実はカリフォルニア州ロサンゼルス郡にあるハリウッド映画スタジオとして有名な、ユニバーサル・スタジオの一部。同氏は周りの家を指し、「これらの全ての家にソーラー(太陽電池)が付いているのが、わかりますか?」と、参加者に問いかけた。

 まさしく、周りの洒落た家の「ルーフ(屋根)」が、今回の新しいプロダクトなのである。...Read More Here
Elon Musk announces new Solar Roof Tiles at Universal Studio, Credit Tesla

October 6, 2016

米国で地域の設置事業者が扱うパネルとパワコンメーカーのトップ5は? パネルは韓国LG、パワコンは米SolarEdge社がナンバー1

Published at Nikkei Technology Online ---  現在、米Tesla社の買収で話題の米SolarCity社は、米国住宅用太陽光発電市場の販売設置量でダントツのナンバーワンである。その次はSolarCity社のように全国展開しているVivint社とSunRun社になっている。しかし、クリーンエネルギー関連のリサーチを行う米国GTM Research社によると、トップ3社の市場シェアは下がってきているという。同社のレポートによると、2014年第3四半期には53.4%あった3社合計のシェアが、2016年第1四半期には50%を切り47.5%まで下がった。

地域の事業者によるオンラインマーケット

 この背景には、地方、または地域に根付いた販売・設置事業者が成長し、シャアを伸ばしたことを意味する。

 米EnergySage社は、ネットで飛行機のチケットを買うように、「ゴー・ソーラー(太陽光発電の購入)」を手軽に行える。具体的にいうと、複数業者から見積もりを取れる便利なオンラインマーケットを提供している。同社のサイトは米国エネルギー省(DOE)からも推奨されていて、現在、米国50州中、30州に居住する太陽光発電の購入希望者とその地元の太陽光発電販売・設置事業者をつなぐマーケットとなっている(図1)。

 EnergySage社でコミュニケーションマネジャーを務めるNick Liberati氏によると、既に2万5000人以上が、このオンラインマーケットを通じて見積もりを取ったという。同社の統計によると、一件につき平均3社から見積もりを取ることが多いようだ。同社のサイトには、厳しい審査基準をクリアした、高い実績・評判を持つ地域の販売・設置事業者350社以上が参加している。しかし、米国住宅用太陽光発電市場において全国規模でビジネスを展開しているSolarCity社、Vivint社、SunRun社などは参加していない。

 同社は半年毎に、収集した見積もりデータを分析し「ソーラー・マーケットプレイス インテリ・レポート」として発表している。ここで興味深いのは、全国レベルで展開しているSolarCity社、Vivint社、SunRun社などのデータが含まれていないので、今後成長すると期待されている地域に密着した、または地方で強い中小規模の事業者の傾向が分かることだ。...Read More Here
地域の販売・設置事業者が取り扱うトップ5パネルメーカー
(出所:EnergySage社)

August 24, 2016

ハワイ州では「ソーラー・プラス・バッテリー」が電気料金より安い! 蓄電池を併設した分散型太陽光が米国で急成長

Published at Nikkei Technology Online ---  米Tesla社が米SolarCity社を合併するニュースが業界を騒がしている。これは、米国で今後、「ソーラー・プラス・バッテリー(分散型太陽光発電と蓄電池)」市場が大きく成長していくことを意味する。

「ビハインド」は前年比3倍に急伸

 米クリーンエネルギーリサーチ・コンサルティング会社のGTM Research(以下GTM) 社によると、今年第1四半期 (1~3月)における米国エネルギー貯蔵 設置容量は前年同期比127%増の18.3MWと、大きく拡大した。

 特に成長した分野は、「ビハインド・ザ・メーター(behind-the-meter)」と呼ばれる電力消費者の電気メーターの背後に設置される蓄電池である。これらの蓄電池は主に分散型太陽光発電と併設され、電力消費者サイトで発生した太陽光発電の余剰をグリットに流さずに貯め、自家消費用に使うものである。

 「ビハインド・ザ・メーター」に対する概念は「フロント・オブ・ザ・メーター (Front of the Meter)」と呼ばれ、主に電力会社などの電力供給側に設置された蓄電池を示す。GTM社によると、フロント・オブ・ザ・メーター側の設置容量は、前年同期比で2倍に拡大したが、ビハインド・ザ・メーターは前年同期から3倍とさらに大幅に成長した。これは、州政府の分散型電源の大量導入による制度改革を反映している。... Read More Here

Tesla社のパワーウォール (Powerwall)と合わせたセルフ・サプライ用システムを設置するSunrun社
(出所:Sunrun社)

August 1, 2016

分散型太陽光の拡大で「消費者が力をつける」時代に (北米「インターソーラー2016」レポート(後編))

Published at Nikkei Technology Online --- 今年で9年目を迎える太陽光発電関連で北米最大規模の総合イベント「Intersolar North America(北米インターソーラー)」(2016年7月11~13日)が、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された。
 今回のイベントでは、これからの太陽光発電と蓄電池を含む分散型電源(Distributed Energy Resources:DER)の導入拡大とグリッド(送配電網)との統合などに関する話題が多くの講演で取り上げられた。

電力の消費者がアクティブな役割を果たす

 米国の住宅用太陽光発電市場でリーディングカンパニーである米Sunrun社の創業者兼最高経営責任者(CEO) Lynn Jurich氏が、イベントのオープニングセレモニーで基調講演を行った。米Sunrun社は、住宅用のみに特化したターンキープロバイダーで、累計30億米ドル以上の住宅用太陽光発電システムを全米15州で売り上げた。リースなどのファイナンスを含めて提供している。
 Jurich氏は、「パワーセクター:電力消費者が力をつける時代」と題し、分散型電源のグリッドにおける利点について講演した。これは電力の消費者(需要家)が電力会社から電気を購入するだけの一方通行で受動的な立場から、太陽光発電、蓄電池などの分散型電源を利用して、発電や売電などもっとアクティブな役割を電力市場で果たすことを意味する。
 「消費者が自ら『決定する力を持つ』時代が到来しました。消費者は自分が購入する、または選択するサービスに対してコントロールを欲するようになり、ビジネスセクターは消費者のニーズを理解しない限り、顧客を獲得できません」と、Jurich氏は語った(図1)。
図1●北米インターソーラーのオープニングセレモニーで基調講演を行う
米Sunrun社の創業者兼最高経営責任者(CEO) Lynn Zurich氏
(出所:Solar Promotion International GmbH・July 2016)

将来膨れ上がる電力インフラへの総投資コスト


次にJurich氏は、将来膨れ上がる電力インフラへの総投資コストについて話した。米国研究機関The Brattle Groupによると、1989~2009年の20年間における電力インフラ(発電、送・配電網)に対する投資は5230億米ドルであった。これに続く20年間(2010~2030年)には、なんと約3倍の1兆5000億米ドルに膨れ上がると予想されている...Read More Here

April 12, 2016

「第3者所有モデル」で急成長した米ソーラーシティ社 「太陽光発電を無料で設置!」は日本で成功するか?

Published at Nikkei Technology Online ---  日本で太陽光発電のリーディングカンパニーである日本エコシステムがついに「あのサービス」を立ち上げた。「あの」とは、太陽光発電を手持ち資金なしで設置でき、自分の屋根で発電した電気を自分で使える電力小売りモデルである。

 「じぶん電力」と名付けたこの新サービスは、米国で2008年から急速に普及し始めた「第三者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」の仕組みとほぼ同じである。

 米国には、自宅に太陽光発電設備を設置して、電気料金を削減し、地球温暖化防止に貢献したいと思うものの、システムの高額な導入費と長期間に渡るシステムメインテナンスを考えると一歩踏み出せない、という電力消費者が多い。そんな消費者の要望に応えるように、太陽光発電を手軽に活用できる方法として、TPOモデルが登場した。

ニューヨーク州での「TPOモデル」浸透率は90%

 従来は、インストーラーがシステムを販売して設置し、電力消費者がシステムを(現金、またはローンで)購入、所有していた。TPOモデルの場合、デベロッパーが第三者から資金を調達して電力消費者の自宅の屋根に太陽光発電を設置し、さらに、システムから発電される電力を消費者に販売するものだ。

 消費者は大きな導入費無し、修理・メインテナンスに煩わされずに、太陽光発電の恩恵を享受できる。このモデルはシステムのリースと違い、電力売買を伴うので、電力購入契約(Power Purchase Agreement:PPA)とつなげて、TPOPPAと呼ばれることもある。

Residential PV TPO Penetration Rates by Key States, Credit: NREL

 「導入費なし」が受け、TPOはオーナー所有(現金、ローン購入)をぐんぐん抜き、2014年には米国住宅用太陽光発電市場のなんと72%を占めるまでに成長した。その設置容量は890MWに達する。TPOの貢献は大きく、米国住宅用太陽光発電市場は過去4年連続で50%の成長率を続け、2014年から非住宅用(産業・商業)市場規模を上回るまでになった。Read More Here

November 18, 2015

ハワイ州で“夜間用メガソーラー”を建設へ 蓄電池併設で夜間のピークを賄い、石油火力の出力抑制

Published at Nikkei Technology ---  ハワイ州は太陽光発電産業において「未来からの絵葉書」と呼ばれる。その理由は太陽光発電の大規模導入により将来、本土で起こりうると予想されているイベントが、このハワイ州で全て既に起きているからだ。イベントとは、グリッドパリティー、分散型太陽光発電システムの接続保留、メガソーラー(大規模太陽光発電所)への蓄電池併設による出力抑制防止など──。ハワイ州では、全米の太陽光発電設置容量の50%以上を占める本土カリフォルニア州よりも一足先に、これらを経験済みで、本土の電力会社はハワイ州の行動から目が離せないのである。

 そんなハワイ州でまた「全米初」のイベントが起ろうとしている。

 太陽光発電は、日照条件で出力変動し、さらに必要な時に発電できないという欠点がある。しかし、蓄電池の併設により、メガソーラーの急峻な出力変動を平滑化したり、または昼間の余剰電力を貯めておき夜間に放電したりすることが可能になった。既に米国本土でも、蓄電池を併設する手法は採用されている。

 しかし、今回のハワイでのケースは、蓄電池の併設によって昼間の発電を「夜間用」に使用する。つまり、メガソーラーを「夜間用電源」として活用するものだ。

 ハワイ諸島の最北端に位置するカウアイ島をサービス管轄に持つ電力会社Kauai Island Utility Coop(KIUC)社は、メガソーラーと蓄電池を合わせた長期電力購入契約を米SolarCity社と交わしたことを今年9月に発表した。米SolarCity社は、米国の住宅用太陽光市場でシェアトップを握る企業だ。

 今回の契約は、KIUK社とSolarCity社との2回目のパートナーシップを意味する。KIUC社は、2014年に運転開始した「Koloa」と呼ばれる、SolarCity社の出力14MW(連系出力12MW)のメガソーラーから電力を購入し始めたばかりである(図1)。

14 MW-DC "Kola Solar" installed by SolarCity for Kauai Island Utility Corp
17MWのメガソーラーに52MWhの蓄電池を併設

 蓄電池の供給先はまだ発表されていないが、米Tesla社の可能性か高いと予想されている。それは、テスラ社のCEO(最高経営責任者)、Elon Musk氏はSolarCity社のCEOを務めるRive氏の従兄弟にあたり、さらに、SolarCity社の会長を務める。つまり、両社は親密な関係がある。...Read More Here

September 8, 2015

米国防総省が2025年までに再エネ3GWを導入へ、安全保障とコスト削減を両立

Published at Nikkei Technology ---  米国の陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4つの軍を配下に抱える米国防総省は、2025年までに太陽光発電を含め出力3GWもの再生可能エネルギーの導入計画を掲げている。同省は、エネルギーコストの削減に加え、海外からの輸入燃料への依存度を減らすことで、エネルギーの安全保障と持続可能性を高める、というミッションを担っている。

 米国防総省は年間200億ドルをエネルギー調達に費やし、約50億ガロンもの石油を消費するという、世界でも最大規模のエネルギー多消費型の組織である。同省は2025年までに消費するエネルギーの25%を再生可能エネルギーで賄うというゴールを立てた。同省の配下である陸軍、海軍、空軍は、それぞれ2025年までに最低1GWの再生可能エネルギーを導入すると公約している。3つの軍を合わせると3GWになるわけだ。


Navy signs US largest solar deals with Sempra, Credit: US Navy

すでに再エネ比率は10%を超える

2015年5月に同省が発表したエネルギーマネジメントレポートによると、2014年度時点で、空軍は6.7%、陸軍11.3%、そして海軍は26.5%のエネルギー需要を再生可能エネルギーで賄っている。国防総省全体では12.3%になり、目標である25%の約半分まで達したことになる。

 2014年度時点で同省は、1130以上の再生可能エネルギーに関するプロジェクトを進めている。地熱発電が発電量では全体の約50%を占める。さらに、2014年に陸軍が60MWのバイオマスをフォートドラム(Fort Drum)基地に導入したことにより、バイオマスの割合が21%までに高まった。次に太陽光発電が11%を占める。太陽光は、米国内の基地に645のシステムを設置し、発電している。

 米国防総省の各組織は、軍事基地内に大規模・分散型発電所を建設する場合であっても、自らプロジェクトを所有せず、主にプロジェクトデベロッパーに開発・設置を委ね、長期間の電力購入契約(Power Purchase Agreement : PPA)を結ぶ。...Read More Here

December 4, 2014

EVだけじゃないTesla Motors社、新電池工場で生産の3割を定置型に

Published at Nikkei Business --- 電気自動車(EV)のスポーツカー「Roadster」でEV業界に旋風を巻き起こした米Tesla Motors社。その蓄電池は、自動車だけでなく、家庭や商業・工業向けでも活躍している。

 Tesla Motors社は2014年9月、カリフォルニア州の隣のネバダ州に、「ギガファクトリー(Gigafactory)」と名付けた業界最大のLiイオン2次電池工場の建設を発表した。この電池工場では2020年までに、年間50 GWh相当の蓄電池の生産を開始する予定だ。

 Tesla Motors社の広報担当者によると、Gigafactoryで製造する約30%の蓄電池が、自動車以外の家庭用、商業・工業用などの定置型蓄電池として使われるという。需要家側に設置する定置型蓄電池だけでなく、発電や送電といった供給側に設置する大規模貯蔵システムにも対応できるとする。Read More Here

Tesla Roadster

Tesla Stationary Energy Storage 400kWh /200kW

November 10, 2014

From Module Cleaning Robots to Flying Drones: Japan’s Growing Solar O&M Marke

Published at Renewable Energy World ---  Japan has installed almost 11 GW of photovoltaic (PV) capacity in just two years after the introduction of the feed-in tariff (FIT) program. This amount is equivalent to twice as much as the cumulative capacity installed over the two decades before the FIT. Besides over 16.5 GW of installed PV capacity, Japan has close to 70 GW of reserved PV capacity under the FIT as of July 2014.

Although the non-residential segment represents 57 percent of the existing installed capacity, it represents 96 percent of the reserved capacity. The fast-growing non-residential PV capacity makes Japan one of the hot markets for PV Operations and Maintenance (O&M) services.




Fuji Keizai Co., a research and consulting company, forecasted that the 2013 non-residential PV O&M market in Japan will almost quadruple by 2020. The research firm specifically projected that the maintenance market will grow from ¥1.5 billion in 2013 to ¥8.2 billion in 2020 and the operations market will grow from ¥16.3 billion to ¥60.4 billion.

To meet the growing O&M demand cost effectively and efficiently, Japan is turning to high-tech gadgets. See More Here

October 28, 2014

太陽電池モジュールと資金が不足する「2016年問題」、北米最大の展示会「SPI 2014」で議論

Published at Nikkei Technology ---  太陽光発電関連の北米最大の展示会「Solar Power International(SPI) 2014」(2014年10月20~23日)が、米国ネバダ州ラスベガスで開催された。ネバダ州はカジノだけではなく、世界最大規模の太陽熱と太陽光の発電所があり、さらに電気自動車(EV)メーカーの米Tesla Motors社がLiイオン2次電池の工場「ギガ」の建設地に選んだ。

SPI 2014 in Las Vegas - General Session

 1万8600m2の展示会場には、世界25カ国から、計1600社が出展した。SPIは今年で11年目になり、年々規模が小さくなっている。しかしこれは、米国の太陽光発電市場が縮小しているのではなく、成熟期に入ったことを意味する。米国の太陽電池メーカーでEPC事業者(EPCは、engineering(設計)、procurement(調達)、construction(建設)の意味)でもある米Sun Power社や米First Solar社さえも、ここ数年ブースは構えていない。

 2000年代のSPIは、太陽電池メーカーやパワーコンディショナメーカーなど、ハードウエア系の最新技術や製品のお披露目の場であった。ここ数年は、施工を簡素化する架台や、システムの監視システム、顧客獲得を効率化するクラウドサービス、そして系統電力量の制御に貢献する蓄電池とそのソフトウエアなどが、展示の中心になっている。。。。See More Here

October 15, 2014

無人航空機で空から太陽電池を監視、Google社も出資するSkycatch社

Published at Nikkei Technology ---  米国の太陽光発電産業でメジャーな存在である米First Solar社と米SolarCity社が、相次いで無人航空機(UAV:unmanned aerial vehicle)の活用に乗り出した。UAVと関連ソフトウエアは、シード期に米Google社などから出資を受けて2013年に設立された、スタートアップ企業の米Skycatch社(カリフォルニア州サンフランシスコ)が開発したものである。
 Skycatch社は、高精度な画像を空撮できる小型UAVと、収集した画像を処理・分析するソフトウエアをパッケージにしたターンキーサービスを提供している。建築や鉱山、農業、太陽光発電などの業界に携わる大手企業が主な顧客である。See More Here

July 30, 2014

SolarCity Mail Solicitation - Looks like Government Notification That You Must Open

It looks like a document sent by a government.  So instead of tossing it, I opened the mail. Just in case it is a notification of unpaid taxes or some kind of violation (not that I recall any...).

The first heading starts with "county participation." In the actual text, it says "our records indicate that your home at the above address may qualify for an Energy Cost Reduction.  Incentives are available under the federal Energy Policy Act of 2005 and Section 25D and 48 of the Internal Revenue Code for homeowners who add solar energy systems to their homes."

"Federal Energy Policy Act." "Internal Revenue Code." Sounds like government related.

Well, it is a solicitation letter from SolarCity - the largest residential PV installer in the US.

At the very end of the letter, it also says "... local government are not associated or affiliated with SolarCity, and nothing herein is an express or implied endorsement by your utility or local government of SolarCity....

They got me. They made me open the letter and read it.






July 7, 2014

米国で住宅用太陽光発電システムが急成長のワケ、カギはファイナンスオプションの多様化にあり

Published at Nikkei Technology Online --- 日本では大規模なメガソーラーの建設に注目が集まっているが、実は米国では今、住宅用市場が急成長している。米国における2013年の太陽光発電システム市場全体の成長率が41%だったのに対して、住宅用市場はそれを上回る60%だった。

 全米太陽光発電協会(SEIA)とGTM Research社の太陽光発電市場レポートによると、2014年第1四半期には米国の住宅用市場が非住宅用市場(企業や政府機関などの建物、工場、倉庫など)を抜くまでに成長した。具体的には、住宅用が232MW、非住宅用が225MW、発電事業用が873MWだった。

 米国の2014年第1四半期の住宅用市場は、日本のそれの1/3程度の規模とまだ小さいが、過去2年の四半期平均成長率(CQGR:compounded quarterly growth rate)は18%で、日本の8%を大きく上回った。

US Residential PV Market vs. Japan Residential PV Market
Source: GTM/SEIA and JPEA


多様なファイナンスが成長を牽引
 米国で住宅用市場の拡大に貢献しているのは、多種多様な「ファイナンスオプション」である。現金購入や銀行融資だけでなく、ホームエクイティローン(HEL、HELOC)やメーカーローン、ソーラーリース、ソーラー電力購入契約(PPA)、そして地方自治体が提供するPACE(property assessed clean energy)ファイナンスなどがある。Read More Here

January 29, 2014

ソーラーでもクラウドファンディング、1年で560万米ドルを調達 (Solar Crowd-Funding)

Published at Nikkei Technology --- 米国の住宅用太陽光発電市場で最大のシェアを誇る米SolarCity社が、新たなサービスを展開しようと動き始めた。詳細はまだ明らかになっていないが、太陽光発電分野の「クラウドファンディング事業」の可能性がある。同社は、ユーザーの建物や敷地に太陽光発電システムを設置して電力を販売する「第三者所有(TPO:third party ownership)」モデルで市場を席巻した企業である。単なるシステム設置業者ではなく、プロジェクト開発や金融などの事業者としての顔を持っている。数々の企業買収などを通じて、事業規模を拡大してきた。... Read More Here
Solar Crowd Funding by Mosaic