Showing posts with label multicrystalline. Show all posts
Showing posts with label multicrystalline. Show all posts

November 12, 2020

2020年の太陽電池市場、「単結晶」が市場を独占 成長株の「n型」を牽引するテクノロジーは?

 Published at Nikkei: Mega Solar Business

83%が「単結晶」

 米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチが2020年10月に発行した太陽光発電市場レポートによると、2020年第1四半期から第3四半期(1月~9月)における世界における結晶シリコン型太陽光パネルの出荷量は、なんと83%を単結晶シリコンテクノロジーが占めたという。

 同レポートによると、2020年における単結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)の世界での出荷量は132.8GWで、 結晶シリコン型太陽電池セル全体の全世界における出荷容量の75%を占めると予想している(図1)。

図1●2020年・太陽光発電の世界市場における結晶シリコン系太陽電池のタイプ別シェア予測
(出所:SPV Market Research)




 実は、かつて1980年代から1990年前半には、スタンダードな「単結晶」セルが出荷量を独占していた。それが1998年になると、製造コストの低い「多結晶」セルが市場でシェアを伸ばしてきた。1999年から2009年の間、ドイツを含むヨーロッパで、太陽光発電の普及政策の一つである全量固定価格買取制度(FIT)の導入で市場が加速的に拡大し、「多結晶」セルが過半数のシェアを獲得した。この時期になると、中国の太陽電池メーカーが、ヨーロッパ、日本、そして米国市場で、シェアを奪い始めた。

PERCで単結晶への移行が加速

 そんななか、2012年に中国などのモジュール(太陽光パネル)メーカーは、「裏面不動態型セル」(PERC: Passivated Emitter and Rear Cell)を生産品目に加え始めた。当初、PERCには「p型単結晶」を使った製品と、「多結晶」シリコンを使った製品の両方があった。

 だが、徐々にPERCを手掛けるメーカーの多くは、主に「p型単結晶」による製品に絞っていった。PERC技術は生産において、製造コストは高かったが、潜在的なマージンの上昇と より高い変換効率という利点が市場で受け、メーカーは単結晶によるPERCに転換した。...Read More Here

May 25, 2020

2019年の世界太陽電池市場、シェアトップ5社は? 出荷量は前年比39%増、「単結晶」が主流に

Published at Nikkei Technology "Mega Solar Business"

出荷量は再び増加に転じる

 太陽光発電市場に関するリサーチ・コンサルティング会社である米SPV マーケットリサーチ(SPV Market Research)の最新レポート「ソーラーフレア(Solar Flare)」によると、2019年の全世界における太陽電池出荷量は、結晶シリコン系と薄膜系を合せ、前年比39%増の123.5GWだった。
 ちなみに、2018年の出荷量は、前年比5%減だったので、2019年に供給量は大きく改善され、盛り返したことになる。
 2019年の出荷量のシェアを国別に見てみると、1位は、中国で全世界出荷量の63%を占めた。2位はマレーシアだが、かなり距離を空けて、シェアは約20%だった。
 年間出荷量が10G Wを超えたのは、上位2位の中国とマレーシアだけだった。3位のベトナムは9GWを超えたが、 10GWにはとどかなかった。4位は台湾、5位は韓国となっている。米SPV マーケットリサーチによると、上位5位が2019年の全世界太陽電池出荷量の90%以上を占めた(図1)。
図1●2019年の国別世界太陽電池出荷量シェア(トップ5)(出所:SPV Market Research)

 さらに、2019年の出荷量をメーカー別に見てみよう。

上位10社で6割占める

 1位は、農業や新エネルギーを主力事業とする中国の通威集団傘下のシリコン系太陽電池メーカーである通威太陽能(Tongwei Solar)で、世界シェアは二桁の10%であった。同社がこの市場で首位につくのは初めてで、SPV マーケットリサーチによると、同社の2018年のシェアは5%だったので、1年間でシェアが2倍になったことになる(図2)。...Read More Here

September 20, 2019

米「太陽電池関税」の影響、課税後に輸入量は逆に回復! モジュールはマレーシア、セルは韓国が大半を占める

Published at Nikkei Tech --

 中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。国内製造業を保護するため、トランプ政権は昨年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を課すことを決定した。
 具体的には、まず、1年目にCSPVのセル(発電素子)とモジュール(太陽光パネル)の輸入価格に30%が 課され、4年間にわたり、関税率は年々5%ずつ下げる。各年で、輸入セルの最初の2.5GWには関税は課されない(図1)。関税2年目の今年2月からは関税率が25%に下がったが、米国の太陽電池輸入は昨年からどのように変わってきたのだろうか?
図1●輸入CSPVセルとモジュールへの「セーフガード」関税
(出所:筆者作成)

 米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が8月中旬に発表したデータによると、2018年2月からモジュールに関税が課されたにもかかわらず、米国へのモジュール輸入量は部分的に回復したという結果になっている。
 米国へのモジュール輸入は、トランプ政権による関税措置の発表、そして関税の実施開始の翌月に削減した。EIAによると、関税の発表前の2017年中期には月約1200MWあったモジュール輸入量が、関税を実施してから2カ月後には月300MW以下まで急減した。
 しかし、2019年の最初の4カ月間のモジュールの月平均輸入量は、644MWに回復し、それは関税の話が持ち上がった2017年の最初の4カ月の月平均輸入量の16%増に匹敵する(図2)。
図2●米国月間太陽電池モジュール輸入量推移(単位MW)
(出所:EIA)

 EIAは、世界的な太陽電池モジュール価格の継続的な低下が、輸入品への関税への影響を相殺したのではないか、と分析している。単結晶モジュールと多結晶モジュールの世界平均スポット価格(関税を含まない)は、2017年12月から2018年7月に、それぞれ27%と26%下がったという。...See More Here

January 2, 2018

「単結晶」が「多結晶」を抜く、2017年の太陽光パネル市場 PERC技術で変換効率アップ、価格が低下

Published at Nikkei Technology Online ---

「単結晶」のシェアが49%に上昇

 2017年に「単結晶シリコン型」の太陽光パネル出荷量が初めて「多結晶シリコン」を抜いたーー。米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチが2017年12月に発行した太陽光発電市場レポートから、明らかになった。
 2000年初頭、シャープ、京セラ、三菱電機といった日本企業が太陽光発電市場のトップ企業として君臨していた当時、モジュール(パネル)の主流は多結晶シリコン型だった。当時、単結晶シリコン型は高効率だが高価なため、安価な「多結晶型」が価格競争で優位性を示していた。しかし、その後、「単結晶型」が徐々にシェアを上げ、ついに首位を奪った格好だ。
 同レポートによると、2017年における太陽電池セル(発電素子)の世界での生産容量は97.7GW、このうち出荷量は93.8GW、設置容量は95.1GWと予測している。モジュールタイプ別シェア分析では、93.8GWの出荷量のうち、単結晶シリコン型のシェアは49%で、多結晶シリコン型は46%、化合物型のカドミウムテルル(CdTe)タイプは3%となっている(図1)。
図1●2017年の世界太陽光発電市場(出荷量)
における太陽光パネル・タイプ別シェア
(出所:SPV Market Research)


「プレミア」モジュールが押し上げ

 2016年における多結晶シリコン型のシェアは54%で、単結晶よりも13ポイントも多く、首位を保っていた。しかし、2017年には、単結晶シリコン型のシェアが、多結晶型よりも3ポイント多くなり、初めて逆転した(図2)。
 同レポートでは、単結晶シリコンがシェアを増加させた要因として、モジュールメーカーがプレミアムモジュールに移行したことを挙げている。その一つが、2016年にモジュールメーカーが生産を本格化し始めたp型単結晶シリコンを使った「裏面不動態型セル」(PERC: Passivated Emitter and Rear Cell)である。2017年にはPARCの商業生産が拡大し、高効率化と共に価格が低下してシェア増加に貢献した。
 2015年には、米サンバワー社の「バックコンタクト(IBC)」、パナソニックのヘテロ接合 (HIT)、韓国LG社の太陽電池パネルが市場でプレミアム価格を発揮した。また高変換効率のn型の単結晶シリコンを使ったパネルへの期待が高まった。
 2016年に入ると、p型単結晶と多結晶シリコンを使った「PERC」を使った太陽光パネルへの移行が顕著になった。「2013年第3四半期に起こった価格下落は、n型太陽電池のプレミアムをはぎ取り、太陽電池メーカーの方向性をp型単結晶シリコン型に促した」と、SPVマーケットリサーチの創立者・チーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏は語る。... Read More Here