June 14, 2016

米陸軍、基地内のメガソーラーで、エネルギー安全保障を強化 民間企業と連携し、再エネ主体のマイクログリッド構築

Published at Nikkei Technology Online ---  今年6月初め、米国ジョージア州西部にある米軍最大の歩兵部隊駐屯地フォートベニング(Fort Benning)基地に連系出力30MW(パネル容量42MW)のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が運転を開始した。

2025年までに1GWの再生可能エネルギー導入

 米陸軍機関は2025年までに1GWの再生可能エネルギーを導入する目標を掲げており、今回のメガソーラーはその実現に向けた取り組みの一つである。
 目標達成のため、陸軍エネルギーイニシアチブオフィス(the Office of Energy Initiatives、以下OEI)は、民間出資による10MW以上の大規模な再エネプロジェクトを開発して遂行、そして監督する。
 エネルギー確保と、その安全保障の強化は、陸軍本来のミッションを達成する能力と効率を高めるために欠かせない要素となる。そのため再エネは、陸軍のエネルギー安全保障戦略において重要な位置付けにある。OEIが現在、開発中の大規模な再エネプロジェクトは、すでに「1GWゴール」の30%以上を占める(図2)。
図2●米陸軍のメガソーラー導入状況。
緑色=運営中のメガソーラー、黄緑色=建設中、
黄色=契約・同意、青色=評価中、そして、灰色=高潜在度プロジェクトを示す
(出所:the Army Office of Energy Initiatives)
民間企業が基地内のメガソーラーを所有し運営も担う

 現在、陸軍基地に導入されているメガソーラーは、アリゾナ州フォートフアチュカ (Fort Huachuca) 基地内にある。地元の電力会社Tucson Electric Power(TEP)社が開発・運営する連系出力18MWの発電設備で、2014年の12月に完成した。メガソーラーはこの基地の約25%の電力需要を賄っている。陸軍はTEP社と30年間の電力購入契約を結んでいる。
 フォートベニング基地に竣工したばかりの連系出力30MW(パネル容量42MW)のメガソーラー、さらに同じジョージア州に建設中の2カ所の連系出力30MWのメガソーラー(フォートゴードンとフォートスチュアート)も、陸軍基地内に設置する。...Read More Here

June 9, 2016

米ラスベガス市、2017年に電力需要を「再エネ100%」に 目標達成に向け100MWのメガソーラー建設、街頭や市庁舎などに活用

Published at Nikkei Technology Online ---  ブラックジャック、ポーカー、ルーレット、そしてスロットマシーンと、夜も昼も24時間、カジノは休むことを知らない。巨大なカジノホテルは広大なテーマパークを備え、まばゆいばかりのネオンでライトアップされている。

 「常にきらびやかな不夜城では、どんなに電気が消費されるのか?」と、疑問に思わずにはいられない。周り一帯は乾燥地域で、「砂漠のオアシス」のようなラスベガス。そんなラスベガス市が実は再生可能エネルギー100%を目指しているのだ。

 今年4月に米Environment California Research & Policy CenterとFrontier Centerが共同で制作した「2016年:輝く市(Shining Cities 2016)」というレポートが発表された。そのレポートには2015年における米国太陽光発電の導入量の大都市(メトリポリタン)別ランキングが取り上げられている。ラスベガス市は、何とカリフォルニア州のサンフランシスコ市を抜き10位にランキングされていた。

Credit: the City of Las Vegas
都市別太陽光発電導入量でトップ10入り

 同レポートによると、ラスベガス市は公共用建物、コミュニティセンター、消防署、公園などの市所有の建物に合計6.2MW分の太陽光発電を導入済みである。 さらに(市内における)一人当たりの太陽光発電平均導入量は94Wで7位にランキングされている。ちなみに、1位はハワイ州ホノルル市の417Wになっている。

 昨年11月にラスベガス市は、「電力を再エネ100%で賄う」という目標を立て、2017年1月までに移行する予定であると発表した。同市が再エネで賄おうとする電力は、街路灯、公園、公共センター、消防署、作業所と、同市が所有する公共建物になる。今年の3月16日のアースデイ(地球の日)には市役所を含む公共建物の電源を一斉に切り、同市のサステイナビリティに対する大きな貢献を示した。

 今年初めに同市は、ネバダ州の地域独占電力NV Energy社とパートナーシップを組み、さらなる再エネ導入を目指す。このパートナーシップとは、同市の運営に関わる電力の一部を地元の太陽光発電で賄うというものだ。この太陽光発電とNV Energy社で供給される再エネ電力を合わせると、同市の消費する電力の100%を再エネで賄える。Read More Here