November 12, 2019

米サンパワーが「太陽電池メーカー」ではなくなる!? 太陽電池製造を分離し「分散型エネルギーサービス」に特化

Published Nikkei ---

 太陽光発電産業で、米国のサンパワー(SunPower)といえば、世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト方式(IBC) の結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)・パネルの製造・販売で知られる世界的な太陽電池メーカーである。そんなサンパワーが11月11日に、「セパレーション(分離)と投資」と題した発表を行った。
 発表によると、今回の「分離」とは、(1)北米に特化したエネルギーサービス提供会社であるサンパワーと、(2)世界屈指の先進技術で太陽電池を開発するマキシオン・ソーラー・テクノロジー(Maxeon Solar Technologies=以後マキシオン)という、それぞれ太陽光関連分野に特化した2つの専業会社に分かれる計画である(図1)。
図1●サンパワー分離後の体制(太陽電池開発・製造と分散型エネルギーサービス事業)を示すスライド(出所:SunPower)

 単結晶シリコンウエハを含む半導体材料、半導体デバイスなどの新材料の開発、製造・販売を手掛ける中国の天津中環半導体股分有限公司(Tianjin Zhonghuan Semiconductor=以後TZS)は、長期にわたりサンパワーの部材パートナーで、今回2億9800万米ドルを新会社のマキシオンに投資し、「マキシオン」ブランドの太陽電池の技術革新と生産規模の拡大に貢献する。
 マキシオンは、現在のサンパワーからスピンオフ(分離独立)することになり、本社はシンガポールになる。同社は、米株式市場ナスダックに上場する。現在、サンパワーのテクノロジー事業部の最高責任者であるジェフ・ウォーターズ氏がマキシオンのトップとなる。
 サンパワーの発表によると、このスピンオフとTZSの投資は、来年2020年第2四半期までに完了する予定という。TZSはマキシオンの約29%を所有することになり、現在のサンパワーの株主は、新生サンパワーを100%そのまま継続して所有し、加えてマキシオンの71%を新しく受ける。
 つまり、現在サンパワー株を100株持っている場合、分離後、100株の新生サンパワーと71株のマキシオン株を受け取ることになる(図2)。
図2●サンパワー分離後の株式分割の仕組み
(出所:SunPower)

 過去35年サンパワーは太陽電池技術のイノベーターとして活躍してきた。累積13GWを市場に投入した。今後、新会社・マキシオンは、「マキシオン」と「パフォーマンス」という2つのテクノロジープラットフォームで異なった市場を開拓することになる。..Read More Here