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April 30, 2017

米加州の住宅太陽光のコストが下がりにくい理由 発電量よりも電気料金の水準が導入費用に影響

Published at Nikkei Technology Online --- 太陽光発電導入コストが3.36ドル/Wに低下

 米エネルギーセイジ(EnergySage)社の最新のレポートによると、太陽光発電システムの全米平均導入コストは、2016年後期(7~12月)の3.36ドル/Wで前期(1月から6月)から6.25%も下がった。

 この削減率は、ここ数年で一番大きかったという(図1)。この価格の低下は、顧客獲得コストの低下、市場競争の高まり、そして太陽光発電の設備コストの低下などが反映されている。

図1●米国における半期別太陽光発電システム導入コスト(米ドル/W)
(出所:EnergySage)

 エネルギーセイジ社は、太陽光発電システムに興味を持つ住宅所有者に複数の業者から見積もりを取れる便利なオンラインマーケットを提供する 。 同社のサイトには、厳しい審査基準をクリアした、高い実績・評判を持つ地域の販売・設置事業者350社以上が参加している。しかし、米住宅太陽光市場において全国規模でビジネスを展開しているテスラ社に昨年末買収されたソーラーシティ社やサンラン社などは参加していない。

導入コストは州によって大きな差

 エネルギーセイジ社は半年毎に、収集した見積もりデータを分析し、「ソーラー・マーケットプレイス インテリ・レポート」として発表している。このレポートで興味深い点は、全米のみならず、州別の導入コストのデータが含まれていることだ。今回のレポートに含まれている州は、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、ニューヨーク、オハイオ、テキサス、バージニアの全10州となる。

 どの州でも前期から後期にかけて平均導入コストは低下したが、特に低下の大きかった州はバージニアだ。後期の導入コストは前期から14%減の3.02ドル/Wだった(図2)。ちなみに、同州の2016年における太陽光発電の導入量は192MWで、全米で17番目だった。しかし、導入量の大部分は、電力発電事業用の大規模太陽光発電所であった。

 アリゾナ州の平均導入コストは、2.97ドル/Wとなり、3ドル/Wを切った。同州の2016年における太陽光発電導入量は656MWで、全米で7位番目だった。導入量の約3分の1は住宅用システムが占め、同州の住宅太陽光市場(累積)はカリフォルニア州に続き、全米で2番目に位置する。

 低コスト化が進んでいるのは、住宅用システムに導入量、または普及率の高さを反映しているとも考えられる。...Read More Here

December 13, 2016

「2030年に太陽光で電力の3割賄う」、米政府が目標 メガソーラーの発電コスト、3セント/kWhを目指す

Published at Nikkei Online Technology
2030年に太陽光のコストを半減

 2016年11月、米エネルギー省(Department of Energy: DOE)は、「2030年までに太陽光発電のコストを2020年から半分にする」という「2030ゴール」を発表した。
 それは、電力会社による発電事業のためのメガソーラー(大規模太陽光発電所)のコストを、「2030年には3米セント/kWhまで引き下げる」というものである。
 DOEは2011年に、太陽光発電システムのコスト削減に向けた「サンショット・イニシアティブ(SunShot Initiative)」と呼ばれる10年間に及ぶ技術開発プロジェクトを開始した。
 この「サンショット2020」の開始時のゴールは、2010年に27セント/kWhだった発電事業用のコストを、「2020年に約70%減の6セント/kWhに削減する」というものであった。ゴールの発電コストは、従来の化石燃料の発電コストに匹敵する。ちなみに、太陽光の発電コストには税額控除などの補助金は全く含まれていない。

住宅用は5セント、非住宅用は4セント/kWhに

 その後、太陽光発電産業は目覚ましく前進し、2010年には 27セント/kWhだった発電事業用のコストが現時点で7セント/kWhまで下がり、サンショット開始5年で既に2020年のゴールの約90%を達成するまで下がっている。
 この進展により、DOEはメガソーラーの均等化発電原価(Levelized Cost of Electricity : LCOE)を2030年には、2020年時点の半分の水準でとなる「3セント/kWh」に削減する新たなゴールを設定した。
 さらに、発電事業用と同じように住宅用と非住宅用(商業用)のコスト目標も大幅に引き下げた。非住宅用の発電コストは2020年の7セント/kWhから、4セント/kWhへ、そして住宅用の発電コストは2020年の9セント/kWhから5セント/kWhに設定された。
 ちなみに、現時点での非住宅用の発電コストは13セント/kWh、そして住宅用の発電コストは18セント/kWhと、発電事業用ほどではないが、2020年のゴールの70%はすでに達成している。... Read More Here
サンショット太陽光発電コスト2030年ゴール
(出所:The Department of Energy)

October 18, 2016

米メガソーラーの設置コストは1.42ドル/Wに低下!追尾型の設置が全体の7割まで上昇

Published at Nikkei Technology Online ----  日本では固定価格買取制度(FIT)の買取価格が下がり、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の新規開発の規模が縮小している。一方、米国では、メガソーラーが含まれる発電事業用セグメントがさらに拡大すると期待されている。現時点で、2016年の年間導入量は10GWに達すると予想されている。今回は、このセグメントの価格とシステム動向を2つの最新レポートを照合わせて見ていく。

設置価格は前年同期比20%減

 米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL:National Renewable Energy Laboratory)が9月に2016年第1四半期における米国太陽光発電システム設置コストのベンチマークを発表した。

 それによると、同四半期における発電事業用太陽光発電所(100MW、固定型)の設置コストは1.42米ドル/W-DC・直流(1.79米ドル/W-AC・交流)で、前年同期比20%減となった(図1)。

図1●下がり続けるメガソーラーの設置コスト
(出所:NREL)


 この大幅減には、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者、またはデベロッパーによるスケールメリット(規模の経済)の追求が大きく貢献しているという。ちなみに、このベンチマーク(基準値)は、同研究所で収集されたコストデーターをボトムアップアプローチのモデリングで算出した数値である。

「ソフト」コストの比率が下がる

 太陽光発電の設置コストには、太陽光パネル、パワーコンディショナー(PCS)、架台、接続箱ケーブルなどを含む他の電気部品、設置工事費、EPC間接費、消費税、土地購入(貸借費)、建設許可費、系統連系費用、送電線費用、デベロッパー間接費、そしてEPC・デベロッパーの純利益が含まれている。...Read More Here