July 27, 2017

米国で増えるRE100企業 再エネ導入で経費削減効果

Published at Solar Journal: 全ての事業運営を100%再生可能エネルギーで賄う「RE100」。参加する米国企業は31社。増加の理由はサステナビリティ戦略だけではなく、経費削減につながるという点も大きいようだ。

名だたる企業が続々参加
CSR戦略以外にもメリット

IT企業のアップル、グーグル、フェイスブック、大手食品会社(M&M’Sのチョコレートなど)のマース、スポーティンググッズのナイキ、コーヒーフランチャイズのスターバックス、大規模小売店のウォルマート、日用消費財メーカーのピーアンドジー、そして自動車会社のゼネラルモーターズ。これらの多様な業種に渡る米国企業に共通するものは?


それは、全ての事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという「RE100(再エネ100%)」の目標を持ち、積極的に再エネを導入しているという点だ。

再エネ導入は、CSR(企業の社会的責任)の一部としての温暖化問題への対策だけではない。太陽光発電や風力は運転に燃料費が不要であるため、化石燃料のコスト変動・高騰を回避し、自社の電力コストを安定化、さらに削減することができる。つまり、自社の社会的責任を果たすだけではなく、自社の経費削減による経営改善にもなる。

太陽光発電コストが
化石燃料のコストを下回る

「経費削減」ができる理由の一つには、近年の太陽光発電の導入コストが大きく低下し、発電コストが火力や原子力よりも低くなってきたことがある。そのため従来の化石燃料の電力を購入するより、再エネを導入した方が、経済的メリットが出るようになってきたのだ。実際、全世界での事業を再エネ100%で賄う目標を2017年中に達成するグーグル社は、再エネの価格低下により「再エネの電力は最も低コストな選択肢になってきた」と、再エネ導入拡大の加速を説明した。

米ファイナンシャル会社のラザード社によって昨年末に発表された発電源別均等化発電原価(LCOE)の分析によると、2016年における大規模太陽光発電所の発電コストは前年比11%減、2009年からは85%減と大きく下がっている。実際、シリコン系モジュールによる大規模太陽光発電所の発電コストは49〜61ドル/MWh、薄膜シリコン系モジュールは46〜56ドル/MWhと報告されている。

つまり、kW時だと5セント〜6セントということだ。石炭火力の発電コストは、60〜143ドル/ MWh、天然ガス火力発電コストは48〜78 ドル/MWhであった。これは、太陽光発電の発電コストが、従来の化石燃料の発電コストに匹敵、さらに下回るまでの低コスト化が進んでいることを意味する。..Read More Here

July 25, 2017

「高密度実装モジュール」で成長する米ソラリア社の戦略 米国で太陽電池メーカーは生き残れるのか

Published at Nikkei Technology Online ---  米国を代表する太陽光パネルメーカーとしては、高変換効率の結晶系太陽電池で世界をリードしてきたサンパワー (SunPower) と、テルル化カドミウム (CdTe)を使った化合物型太陽光パネルのトップメーカーであるファーストソーラー(First Solar)の2社が挙げられる。この2社に続いて、独自技術を武器に存在感を示し始めたベンチャー企業が登場した。

「短冊」を瓦のように重ねる

 はんだ付けでなくセル(発電素子)を直接、接続するタイプの「高密度実装モジュール」を開発・販売しているソラリア(Solaria)である。同社は、カリフォルニア州フレモントに拠点と、セルの生産工場を構えている。ちなみにテスラ社の電気自動車(EV)工場は、ここから10分ほどの距離にある。

 同社は当初、集光型太陽光発電(CPV)に特化したスタートアップ企業として2000年に設立された。その過程で100件以上の 基板材料、工程、応用、製品、製造機械、自動化などの特許を取得した。 
 そうした技術蓄積をベースに、高密度実装モジュール「PowerXT」を開発した。PowerXTは、単結晶PERC(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)を用いた住宅用太陽光パネル(320~330W/枚)で、変換効率は19%以上である(330W/枚タイプの変換効率は19.3%)。通常の ウエハーを短冊形にカットしたもの(ストリップと呼ばれる)を17枚、瓦のように重ね直接接続して1枚の「PowerXTセル」を製造する(図1)。
図1●ソラリア社の高密度実装モジュール「PowerXT」
Credit: Solaria


リボンとはんだ付けが不要に

 ソラリア社の最高経営責任者 (CEO) であるスビ・シャルマ氏によると、「PowerXT」は、バスバーとストリングリボンの接続がなく、20枚のセルから構成されている。

 同社が独自に開発した工程で17枚のストリップを直接接続する。1枚のウエハー(幅156mm)からは5枚のストリップが取れる。つまり、ストリングリボンとバスバー不要のセル間直接接続プロセスで、セル間のスペースを削減し、パネル(モジュール)の受光面積と美観を改善させたのである。高度なセル相互接続、およびパネル製造プロセスは同社独自の技術と製造機械を使用しているという。

 さらに同氏は、「PowerXT」は従来の太陽光パネルと比べ、20%発電量が多いという。1枚のパネルの発電量が多いことから、使用するパネルの数を減らせ、トータルコストを下げられるとしている。

 また、ストリングを並列に接続しているため、影による出力低下の影響が下がり、「ストリングリボン不要」「はんだ付け不要」という特徴によりシステムの耐久性と信頼性が高まるという...。Read More Here
図2●効率性や耐久性、信頼性の点で利点が多いというCredit: Solaria

July 18, 2017

米で主役に躍り出る蓄電池、2025年までに35GW目指す: 北米「インターソーラー・電気エネルギー貯蔵2017」報告

Published at Nikkei Technology Online --- 太陽光導入のカギは蓄電池

 太陽光発電関連で北米最大規模の総合イベント「Intersolar North America(北米インターソーラー)」(2017年7月10~13日)が、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された。

 同展示会は、今年で10年目を迎えるが、昨年に続き今年も、蓄電池およびエネルギー貯蔵システムの展示会である「ees North America(北米電気エネルギー貯蔵)」と同時開催となった。

 両イベントは、3日間の専門セミナーと展示会・技術講演会で構成される。今後太陽光発電の導入を拡大するには、蓄電池が大きなカギを握ると共に、技術革新が相次いでいることから、蓄電池が主役のイベントとなった(図1)。
図1●サンフランシスコで同時開催された
「ees North America(北米電気エネルギー貯蔵)」
(出所:Solar Promotion International GmbH・2017年7月)

「ベーコン」と「スイスアーミーナイフ」

 今回の展示会を取材して印象的だったのは、蓄電池の代名詞として、食材の「ベーコン」と「スイスアーミーナイフ」いう言葉を頻繁に耳にしたことである。

 「ベーコン」は、卵、サンドイッチからチョコレート、アイスクリーム、そしてカクテルのマティーニまで合う食材。「スイスアーミーナイフ」は、ナイフとしてだけでなく、缶切り、ドライバーなど多くの機能を備えた道具である。

 カリフォルニア・エネルギー貯蔵協会の共同創立者でストラージェン・コンサルティング社のチーフテクノロジーオフィサーを務めるジャニス・リン氏は、「エネルギー貯蔵は、ベーコンのようで、何とでも合わせやすい」と語る。

 中でも蓄電池は、太陽光、風力、ガスタービンなど異なる発電所と併設でき、発電から配電段階まですべてのプロセスに対応できる。さらに、バックアップ電源、周波数調整、再エネ導入拡大、ピークカット、インバランス調整、送配電網の増強、送配電網の投資抑制など多様な機能や役割を期待できる。

 ees North Americaの展示会場で開かれた「エクザクティブ討論」では、蓄電池産業からの4人のエキスパートが参加して将来の蓄電池市場について討論した。中でも、蓄電池市場が今後拡大するための要因として、「高い再生エネ普及率」、「電気料金制度の変更」、「補助金制度」について活発な議論が交わされた。...Read More Here
図2●「北米電気エネルギー貯蔵」の展示場ステージでの
「エクザクティブ討論」
(出所:Junko Movellan)

July 7, 2017

太陽光パネルの評価結果に波紋、品質と生産規模の関係に一石 22社の「トップパフォーマー」の持つ意味

Published at Nikkei Technology Online ---  太陽光パネル価格は2010年から2016年の間に約80%下落し、直近の2016年初めから2017年半にかけても約35~50%も下がった。こうした価格低下は太陽光発電産業の成長を加速したのも事実だが、一方で太陽光パネルメーカーの一部は、品質改善を犠牲にしてコスト削減を進めて規模拡大に走ったのではないかという見方も広まっている。

5項目の加速試験で評価

 このほど、そうした品質と規模の関係に一石を投じる報告書がノルウェーの第三者調査機関であるDNV GL社から発表された。

 太陽光パネルの信頼性調査結果をまとめた報告書「PVモジュール信頼性スコアカード」の2017年版がそれで、22社のパネルのメーカーを品質の高い「トップパフォーマー」として選択している。DNV GL社は各社のパネルについて、温度サイクル、動的機械加重、高温高湿、結露凍結、PID(Potential Induced Degradation)という5項目の加速試験を実施し、スコアをつけた。づけをした。

 同報告書の結果について、一部のメディアは、「トップパフォーマーは必ずしもトップ生産者ではない」、「メーカーの規模の大きさは品質の良さと必ずしも比例しない」と報道したが、果たしてこの見方は妥当なのかどうかを検討してみたい(図1)。
図1●DNV GL社によって発表されたトップパフォーマーと
テストに使用されたパネルモデル数

参加25社のうち22社が「トップパフォーマー」

 一方、太陽光発電市場リサーチ・コンサルティング会社である米SPV Market Researchの最新レポート (Photovoltaic Manufacturer Capacity, Shipments, Price & Revenues 2016/2017:2016・2017年 太陽電池メーカー生産容量、出荷量、価格と収入)によると、2016年のトップ10太陽電池パネルルメーカーは以下のようになる(図2)。


図2●トップ10太陽電池パネルメーカー,
Credit: SPV Market Research


 DNV GL社の調査でトップパフォーマーに入っている、トップ10メーカーは、Trina Solar、Hanwha Q-Cells、Jinko Solar、Longi Lerriと、Yingli Solarの5社である。そうなると、トップパフォーマーに入らなかった、他のトップ10メーカーのパネルの品質、信頼性は低いということになるが、果たしてそれは本当だろうか。

 DNV GL社のジェンヤ・メイドブライ氏によると、この報告書用の試験に参加したのは25のパネルメーカー、そしてそのメーカーから提出された50のパネルが実際にテストされた。さらに、試験されたパネルは全て結晶系のみで、薄膜型や他のタイプは含まれていない。つまり、トップ10メーカーに入っている米First Solar社のパネルはもともと試験の対象外というわけだ。...Read More Here