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August 8, 2019

「太陽光の次は蓄電池」、州政府が相次いで普及政策を導入 電力会社への「調達義務付け」や「補助金プログラム」など

Published at Nikkei Technology ---

 2年前、米国カリフォルニア州太陽エネルギー産業協会の政策アドバイザーが 、「2017年のエネルギー貯蔵市場は、太陽光発電市場が2007年にいた位置にいる」と言っていた。つまり、エネルギー貯蔵市場は、太陽光発電の10年後を追っていると評価されている。
 太陽光発電市場の成長過程を振り返ると、1990年代の終わりから2000年代の初めは「コストが高い」とされ、補助金など州政府による政策的な後押し無しでは、市場は拡大できなかった。しかし、コスト削減が加速されると、市場も飛躍的に拡大し、公的な支援からも徐々に「卒業」できるようになった。
 エネルギー貯蔵は今米国では成長初期の段階で、太陽光発電のようにさらなる成長には政府のサポートが必要なのである(図1)。
図1●カリフォルニア州の年間エネルギー貯蔵導入量(MW)
(青色:年間、黄色:累積、出所:CALSEIA)

 今年7月末、エネルギー貯蔵テクノロジー・アドバンスメント・パートナシップ(ESTAP)が、「エネルギー貯蔵の州政策ベストプラクティス(効率的な実践方法)」と題したセミナーを開催した。ESTAPとは、エネルギー貯蔵技術の普及を米国で加速させることを目的とした情報共有プロジェクトで、米エネルギー省(DOE) から資金を提供され、サンディア国立研究所によって管理されている。
 以下の地図は、2019年第1四半期時点における州別のエネルギー貯蔵に関する推進策の段階が示されている(図2)。グレー以外の州は、すでに何らかの推進策が考慮または、実施されている。特に、緑色の州は「リーダー」的に存在で、3つ以上のエネルギー貯蔵の推進策が成立している。米国ではエネルギー貯蔵の導入政策が至る所で始まっているのがわかる。...Read More Here

October 17, 2018

米加州、蓄電池向け補助金を強化、 総額10億ドルに! 「貯めて使う」ことで、高い電気の購入を避ける

Published in Nikkei Technology ---

総容量は366MWに

 先月末、米カリフォルニア州のブラウン州知事は分散型エネルギーを貯蔵するシステムの導入を奨励するプログラムに関し、さらに5年間延長する法律に調印した。このプログラムに対し、追加的に投入される予算は総額8億3000万米ドルに達し、大半の約7億米ドルは家庭・商業用の蓄電池に当てられると予想されている。
 このプログラムは「セルフ・ジェン」または「SGIP(Self-Generation Incentive Program)」と呼ばれる、自家発電設備の導入支援補助プログラムで、2000 年夏から2001年にかけて起きたカリフォルニアでの大停電を契機にスタートした。同州は、同プログラムを電力需要と温室効果ガス(GHG)の排出削減策として位置づけている。
 補助対象の自家発電設備には、コンバインドサイクル発電、風力発電、燃料電池などが含まれる。ちなみに太陽光発電もこのプログラムに含まれていたが、2007年に太陽光発電用の「California Solar Initiative (CSI)」と呼ばれるプログラムが新設されたのに合わせて、SGIPの補助対象から外れている。分散型エネルギーの貯蔵システムに関しては2008年からSGIP の補助対象になった。
 実は同州は昨年5月に2017~19年の3年間を対象に5億6669万ドルの予算を投じたばかりである。この時には、総予算の79%となる4億4819万ドルがエネルギー貯蔵システムに割り当てられた。
 ちなみに、現時点での補助金申請データを分析してみると、設備導入済み・補助金交付済みの分散型エネルギー貯蔵は92MWで、支払われた補助金の総額は1億5100万ドルになる。補助金認定済みのエネルギー貯蔵は、導入済みの2倍以上の238MWであるが、支払われる補助金総額は約1億6200万ドルで、市場拡大に合わせて補助金額が引き下げられるのがわかる。ここに、補助金申請済みで認定待ちのエネルギー貯蔵を含めると、総容量は366MWに達し、補助金総額は3億3700万ドルとなる(図1)。
図1●カリフォルニア州SGIPエネルギー貯蔵補助金申請ステイタス
(2018年10月2日付)
[画像のクリックで拡大表示]
 これに近日、法案の可決された7億ドルを加えると、総額10億ドルを超えることになる。...https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/column/15/286991/101600094/?n_cid=nbpnxt_mled_dm

April 10, 2018

米で「太陽光+蓄電池」サミット、見えてきた「使いこなし」への課題 複雑さ増すビジネス、顧客価値の評価と提供が鍵に

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「スイス・アーミーナイフのよう」

 北米エネルギー貯蔵協会(ESNA)が主催するエネルギーストレージ関連のイベント「ソーラー・プラス・ストーレージ(太陽光発電とエネルギー貯蔵)サミット」が3月27日にカリフォルニア州サンディエゴ市で開催された。
 今回議論の焦点となったのは、太陽光発電システムとエネルギー・ストレージ・システムをいかに併設して統合するか、である。住宅、非住宅、発電事業用のセグメントごとに、併設・統合に伴う課題や解決策が活発に議論された。
 近年米国のエネルギー業界では、「エネルギーストレージはスイス・アーミーナイフのようだ」とよく言われる。
 電力の需給バランス、電力系統の安定化、ピークカット、ピークシフト、バックアップ電源、調整火力の代替など、多くの機能やメリットを持つからだ。発電、送電、配電、需要家と電力システムのすべてのバリューチェーンで有効性を発揮する。しかし、用途ごとに、その価値を評価し、活用するにあたっては難しい課題を抱えている(図1)。
図1●米サンディエゴで開かれた「ソーラー・プラス・ストーレージ・サミット」
(出所: ESNA)
[画像のクリックで拡大表示]

EV普及でコストダウンの恩恵

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)でエネルギー・ストレージ・アナリストを務めるローガン・ゴルディースコット氏は講演で、「系統レベルのエネルギーストレージ市場は拡大しているが、依然として小さい」と指摘した。
 BNEFの最新のレポートによると、2017年の世界エネルギーストレージ市場は1.17GWに達し、2030年には2016年比で6倍の規模になると予測している。
 ゴルディースコット氏が強調したのは、蓄電池メーカーが電気自動車(EV)の需要を満たすために投資を加速し、生産規模を拡大している点である。これにより、エネルギーストレージ業界にとってもコストダウンという恩恵をもたらす。
 BNEFの調査によると、発電所に併設するタイプのエネルギーストレージの世界市場は、2017年に700MWをわずかに超えた程度である。しかし、ゴルディースコット氏は、「莫大な数のパイプライン(計画・開発中のプロジェクト)があり、今後2〜3年には大きく成長する」と見る。
 さらに、同氏によると、既設のエネルギーストレージ施設は、太陽光発電システムと併設するタイプは少なく、単独で設置されて周波数調整市場など向けに使われるケースが多い。太陽光発電とエネルギーストレージは「相補的」な関係にあるため、今後は両者の併設が進むと予測する。しかし同氏は、エネルギーストレージ市場を将来的に順調に拡大させるためには, 政府による最適な政策が必要だとも言う。Read More Here
図2●ESNA主催の「ソーラー・プラス・ストーレージ・サミット」における議論の様子
(出所:J. Movellan)

May 15, 2017

米加州、予算を大幅に増加し蓄電池を推進 放電時間と容量で補助率を変動する新手法、需給バランスに活用

Published at Nikkei Technology Online --- 蓄電池向けの予算を増額

 米国カリフォルニア州は2017~19年の3年間に5億6669万ドルの予算を投じ、コージェネレーション(熱電併給)システム、風力、蓄電池、そして燃料電池などの導入を拡大する。

この予算が組まれているのは、セルフ・ジェネレーション・インセンティブ・プログラム(SPIG:自家発電補助金プログラム)で、2010年にカリフォルニア州の温室効果ガス排出の削減とグリッド(系統網)の安定化を促すために開始した。

 今回は蓄電池への予算が拡大され、総予算の79%の4億4819万ドルが蓄電池に充てられる。うち3億9081万ドルは出力10kW以上の大型蓄電池、残りの5738万ドルは出力10kW未満の小規模・住宅用蓄電池に充てられている。

 5月1日に予約申請の公募を開始した。実は、前回の公募ではプログラム開始と同時に蓄電池用の予算枠が少数の施工業者・メーカーによって、非住宅蓄電池用に抑えられてしまった。その反省から、今回はより多くの家庭や企業に蓄電池が広まように、制度上、いくつか改善している。

 まず今回は、住宅用に予算が割り当てられ、1社の施工業者が申請できる件数にも上限をもうけた。さらに、補助金が5段階(ステップ)に分かれており、予約申請の合計額が予算に達すると補助金が下がる(ステップダウン)仕組みになっている。

 具体的には、ステップ予算に達するたびに補助金額は0.05ドル/Wh下がるようになっている。しかし、もしプログラム開始10日以内に予算に達した場合、2倍の0.10ドル/Whで下がる。つまり、需要が高ければ、補助金額の下がりかたに加速がつき、資金効率を高めている(表1・2)。
表2●加州SGIP蓄電池用補助金(ドル/Wh)ステップ別


グリッド安定化に貢献する電池を優先

 今回は、「Investment Tax Credit(ITC)」と呼ばれる連邦政府からの「再生可能エネルギー導入投資税控除(システム設置にかかった投資額の30%を税額控除)」を利用する場合、大型蓄電池用に限り、補助金額が0.04ドル/Wh低く設定されている。

 さらに、前回は少数のメーカーまたは施工会社などによって、プログラム開始と同時に補助金予算枠が押さえられてしまったので、今回は、もし1日で応募が予算を超えた場合、「抽選」制度が使用される。温室効果ガス排出の削減量、またはグリッド(系統網)への利点が多いプロジェクトは優先権が得られる。... Read More Here