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November 21, 2018

米中間選挙の影で、再エネ政策が大きく進展も 住民投票と知事選でRPS義務量の拡大に大きな支持

Published at Nikkei Technology ---

中間選挙とともに知事選と住民投票

 11月6日に行われた米国の中間選挙では、民主党と共和党の上院・下院での議席割合の行方が話題を集めた。実は、この選挙では、太陽光発電を含む再生可能エネルギー政策の今後に直接的に影響する各州レベルの住民投票と知事選挙も並行して実施された。
 これまで米国の太陽光発電を含めた再エネ導入の主な牽引役はRPS(再エネポートフォリオ基準=Renewable Portfolio Standard)だった。RPSは、全ての電気事業者または電力小売事業者に対して、電力販売量の一定割合を再エネ電源から供給することを義務付ける制度である。RPSは州レベルで法律化され、現在29州とワシントンDCで実施されている(図1)。
図1●米州別のRPS義務量
(出所:Berkeley Lab)
[画像のクリックで拡大表示]
 米国ではさらなる「低炭素化」または「脱炭素化」を目指し、さらには、昨年6月のトランプ大統領の「パリ協定からの離脱」表明などにより、多くの州でRPS義務量の引き上げなど、州レベルでの気候変動対策を強化する動きが強まっている。
 実際、ハワイ州では既に「再エネ100%」を義務化する法案が成立しており、カリフォルニア州でもRPSを「2030年までに60%」に引き上げ、さらに「2045年までにゼロ・カーボン電力」義務が、今年9月に可決されたばかりである。
 RPSは主に州議会で法律化されるが、コロラド州では、2004年11月に米国で初めて住民投票によってRPSを設定した。同州の住民が署名を集めて請求を行い、 法律案を提案し、その賛否を問うために住民投票を行う「住民投票制度の発案(イニシアチブ)」の仕組みを活用した。...Read More Here

July 17, 2018

企業だけじゃない! 「RE100」目指す自治体が続々 トランプ政権「パリ協定・離脱」への反発

Published at Nikkei Technology ---

350以上の市長が「パリ協定」目指す

 昨年6月に米トランプ政権が、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱すると発表した時、世界各国から反発の声が上がり、米国の再生可能エネルギー市場が大きく後退すると予測された。そんな海外の懸念と裏腹に、国内の市や州の地方自治体、さらに企業が団結を強め、「『ワシントン(連邦政府)なし』でも米国は再エネ目標を達成する」と、独自に気候変動対策に取り組む動きが加速した。
 実際、トランプ政権がパリ協定からの離脱を発表した後、米国各地の市長で構成される「温暖化対策市長同意(Climate Mayors Agreement)」の加盟者が急増し、現在では350以上の市長が、独自にパリ協定の目標達成を目指す方針としている。
 さらに、温室効果ガスの排出削減にとどまらず、地域の消費電力を全てクリーンな再生可能エネルギーで賄うと公約する地方自治体も急増した。
 2018年7月現在、再エネ100%を条例化した地方自治体が全米に71ある。そのうち、5つの地方自治体はすでに再エネ100%を達成している。さらに、再エネ100%を条例化しようとキャンペーン中の市は150を超える(図1)。...Read More Here
図1●「再エネ100%」を条例化した地方自治体が全米に71
(出所:Sierra Club)

January 25, 2018

米「太陽電池・関税」決定の波紋、どうなる太陽光設置産業? 1年目は30%、4年目に15%、関税免除の申請は可能か?

Published at Nikkei Technology Online ---

30%は10~15セント/Wに相当

 トランプ政権は1月22日、結晶シリコン型太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して30%の関税を課すことを決定した。 まず、1年目にCSPVのセル(発電素子)とパネル(モジュール)の輸入価格に30%が 課され、4年間にわたり、関税率は年々5%ずつ下げる(表参照)。各年で、輸入セルの最初の2.5GWには関税は課されない。(図1)。
図1●輸入CSPVセルとモジュールへの「セーフガード」関税
(出所:筆者)
 クリーンエネルギーリサーチ・コンサルティングの米GTMリサーチ社によると、30%の関税は10~15セント/Wに相当する。米ゴールドマンサックス社は、30%関税は発電事業用太陽光発電のコストを3%、住宅用太陽光発電システムのコストを7%、押し上げると試算している。
 22日時点では、米国貿易代表委員によって発表された概況報告書「ファクトシート」には、貿易措置対象外の国などの詳細は発表されていなかったが、23日に情報がアップデートされた。そこには、「貿易措置対象外の国」の項目の下、「対象外から否定」という形で、メキシコ、カナダ、韓国、そして、タイとフィリピンと書かれていた。

サニバ社は50%を要求したが・・・

 今回の措置は、昨年5月米CSPVメーカーであるサニバ社が、輸入太陽電池の急増が国内産業に重大な損害を与えているとし、関税の賦課又は輸入数量を制限する「セーフガード」と呼ばれる輸入制限措置をITC(米国際貿易委員会)に要求したのが発端である。昨年9月、 米ITC は、大量に輸入された CSPV 製品が、米国内の製造業者に「深刻な損害」を与えていると認定し、米ITCはその後、 独自の救済措置提案を10月31日に発表した。
 サニバ社が要請したのは関税50%相当だったが、トランプ政権は米ITCの推薦案の1つである30%を選択したとみられる。
 「ファクトシート」によると、現在、中国は世界の太陽電池セルの60%、モジュールの71%を生産している。2012~2016年にかけて、米国における太陽電池セルの輸入は約500%増加し、価格は急落した。 太陽電池セルやモジュールの価格は60%低下し、米国の生産者のほとんどが国内生産を中止、製造工場を他の国に移転、または破綻手続きの申請などに追い込まれた。
 2012年以降、25社が閉鎖され、2017年までに米国のCSPV製造産業はほとんど姿を消した。残ったのは、太陽電池セルとモジュールの両方を生産する米サニバ社と米ソーラーワールド・アメリカ社の2社と、輸入セルでモジュールを生産する8社のみだった。 2017年には、サニバ社が破綻手続きを申請し、国内での生産を停止する事態になった。...Read More Here
図3●「ファクトシート」で発表された「30%関税」
(出所:USTR)