May 14, 2019

太陽電池の2018年世界シェア・ランキングを公表 トップシェア企業でも8%、2位には3社が6%で並ぶ

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生産設備の過剰でパネルメーカー合併も

 太陽光発電市場に関するリサーチ・コンサルティング会社である米SPV マーケットリサーチ(SPV Market Research)の最新レポート「ソーラーフレア(Solar Flare)」によると、2018年の全世界における太陽光発電出荷量は、結晶シリコン系と薄膜系を合せ、前年比5%減の89.1GWだったという。1975年から2018年までの累積出荷量は468GWになる。
 2018年の供給元を国別に見てみると、中国は全世界出荷量の58%を占め、その量は51.9GW。2位はマレーシア 、3位台湾、4位ベトナム、そして5位韓国となっている(図1)。
図1●2018年における国別の太陽光発電供給量シェア
(出所:SPV Market Research)
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 レポートによれば、2018年における世界の太陽電池セル(発電素子)生産能力は113.3GWで、モジュール(太陽光パネル)の組み立て能力は143.9GWに達した。これら生産能力は、前年に比べ5%増加したが、その後、中国市場での太陽光発電導入の落ち込みで、多くのメーカーは生産設備の拡大計画をキャンセルした。一方で、キャンセルできなかったメーカーや、事業を売却したメーカーもあったという。
 SPV マーケットリサーチの創立者・チーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏は、「2018年のモジュール組み立て能力が、セル生産能力を30.6GW上回った。これは、モジュール組み立てメーカーに価格プレッシャーを引き起こした。(モジュール組み立てがセル生産を上回ったことにより)将来的に、(太陽光産業を)健全に保つためには、モジュール組み立てメーカーの合併も考えられる」と語った。

JAからジンコに、トップが入れ替わる

 2018年の太陽光発電出荷量をメーカー別でみると、1位は、中国ジンコソーラーで、出荷量は7GWを超え、世界シェアは8%であった。ジンコソーラーは2011年に初めてトップ10入りを果たし、2016年と2017年ともに2位で、2018年に首位を獲得した。
 中国ロンギ、カナダのカナディアンソーラー、そして中国JAソーラーの3社がともに世界シェア6%で2位に並んだ。JAソーラーは2008年からトップ10入りし、徐々にランキングを上げ、2017年にはトップに上り詰めたものの、2018年にはジンコソーラーと入れ替わることになった。カナディアンソーラーは2011年からトップ10入りし、昨年は2位と、トップを伺う位置に付けた。ロンギは2016年にトップ10入りし、わずか2年で2位まで駆け上がった(図2)。
図2●2018年におけるメーカー別の太陽光発電供給量シェア・トップ10
(出所:SPV Market Research)
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 その他、トップ10には中国トリナソーラー、韓国ハンファQセルズ、中国サンテックも入っている。米国ファースト・ソーラー はトップ10入りを逃したが、シェア3%で11位についている。ちなみに、日本メーカーは2015年以降、トップ10リストには入ったことはない。... Read More Here

May 9, 2019

アップルとサプライヤー、稼働と開発中で「再エネ5GW」 自社で「クリエイト」する再エネでさらなる前進

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1年前に「再エネ100%」達成

 事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換することを目指す「RE100」。ここ数年、この国際イニシアチブに加盟する企業が世界中で増加している。
 とはいえ、「RE100」に加盟する企業の多くは、再エネ調達の目標設定から日が浅く、本格的な取り組みはこれから、というケースも目立つ。そんななか、米アップルは「再エネ100%」目標をすでに1年前に達成している。しかも、そのスコープ(適用範囲)は、米国内のみならず、世界43カ国にある同社のオフィス、直営店、データセンターなどグローバルな事業所全体に必要な電力を再エネで調達すると掲げている。
 加えて、同社製品の製造過程などサプライチェーンから大量のCO2が排出されることから、部品メーカーなどサプライヤーの消費する電力量を削減し、再エネに転換することに対しても積極的に支援している。
 同社の最新版環境レポートによると、2019年4月時点で、アップルと同社のサプライヤーは、合計 1.9GWのクリーンエネルギーに投資し、電力を調達したという。発電量は41億kWhに達する。さらに3.3GWの再エネ発電所を開発中で、完成後に電力を調達することになっている。 これらプロジェクトの内訳は、風力発電が67%、太陽光発電が23%となっており、稼働中と開発中のプロジェクトを合わせると5GWを超えることになる(図1)。
図1●アップルと同社サプライヤーによる再エネ調達量(GW)(深緑色:稼働中、淡緑色:計画済み)
(出所:Apple)
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再エネを「クリエイト」

 アップルの「RE100」への取り組みは、再エネ調達量の規模や、サプライヤーまで「再エネ100%」に関与するなど、他の加盟企業と比べてスケールが大きい。加えて、最も違う点は、再エネプロジェクトを、可能な限り自社で「クリエイト(創出)」することである。
 同社は、再エネプロジェクトを戦略的に「クリエイト」している。現在、同社が調達する再エネの66%は、同社が創出したものという。実際、600MWを超える再エネプロジェクトを所有しており、電力事業者を除けば最大規模の再エネ投資家になるという。
 実際、再エネプロジェクトはどのように「クリエイト」されるのだろうか?
 同社は3つの方法を上げている。それは、(1)自社でプロジェクトを開発して建設、そして所有する「直接所有」型(図2)、(2)他社の開発した案件に投資し、プロジェクトの一部を所有する「投資参加」型、そして(3)地域に新規に建設される再エネプロジェクトからの電力を購入する「長期電力購入契約」型――である。
図2●アップルが開発・所有している自社事業所に導入された太陽光発電システム
(出所:Apple)
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ウォルマートは「クリエイト」せず

 日本では全国一斉に電力小売りの全面自由化が進められたが、米国では州によって異なる。電力小売市場が複雑な米国では、電力会社、または独立電力事業者などから再エネを購入するのが、一般の企業にとって手っ取り早い。 ただ、再エネ導入に消極的な地域独占電力会社が幅を利かせる電力小売り規制下の州では、需要家が再エネを調達する方法は限られている。...Read More Here