米エネルギーセイジ(EnergySage)社の最新のレポートによると、太陽光発電システムの全米平均導入コストは、2016年後期(7~12月)の3.36ドル/Wで前期(1月から6月)から6.25%も下がった。
この削減率は、ここ数年で一番大きかったという(図1)。この価格の低下は、顧客獲得コストの低下、市場競争の高まり、そして太陽光発電の設備コストの低下などが反映されている。
図1●米国における半期別太陽光発電システム導入コスト(米ドル/W) (出所:EnergySage) |
エネルギーセイジ社は、太陽光発電システムに興味を持つ住宅所有者に複数の業者から見積もりを取れる便利なオンラインマーケットを提供する 。 同社のサイトには、厳しい審査基準をクリアした、高い実績・評判を持つ地域の販売・設置事業者350社以上が参加している。しかし、米住宅太陽光市場において全国規模でビジネスを展開しているテスラ社に昨年末買収されたソーラーシティ社やサンラン社などは参加していない。
導入コストは州によって大きな差
エネルギーセイジ社は半年毎に、収集した見積もりデータを分析し、「ソーラー・マーケットプレイス インテリ・レポート」として発表している。このレポートで興味深い点は、全米のみならず、州別の導入コストのデータが含まれていることだ。今回のレポートに含まれている州は、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、ニューヨーク、オハイオ、テキサス、バージニアの全10州となる。
どの州でも前期から後期にかけて平均導入コストは低下したが、特に低下の大きかった州はバージニアだ。後期の導入コストは前期から14%減の3.02ドル/Wだった(図2)。ちなみに、同州の2016年における太陽光発電の導入量は192MWで、全米で17番目だった。しかし、導入量の大部分は、電力発電事業用の大規模太陽光発電所であった。
アリゾナ州の平均導入コストは、2.97ドル/Wとなり、3ドル/Wを切った。同州の2016年における太陽光発電導入量は656MWで、全米で7位番目だった。導入量の約3分の1は住宅用システムが占め、同州の住宅太陽光市場(累積)はカリフォルニア州に続き、全米で2番目に位置する。
低コスト化が進んでいるのは、住宅用システムに導入量、または普及率の高さを反映しているとも考えられる。...Read More Here