Published at Nikkei Online Technology
2030年に太陽光のコストを半減
2016年11月、米エネルギー省(Department of Energy: DOE)は、「2030年までに太陽光発電のコストを2020年から半分にする」という「2030ゴール」を発表した。
それは、電力会社による発電事業のためのメガソーラー(大規模太陽光発電所)のコストを、「2030年には3米セント/kWhまで引き下げる」というものである。
DOEは2011年に、太陽光発電システムのコスト削減に向けた「サンショット・イニシアティブ(SunShot Initiative)」と呼ばれる10年間に及ぶ技術開発プロジェクトを開始した。
この「サンショット2020」の開始時のゴールは、2010年に27セント/kWhだった発電事業用のコストを、「2020年に約70%減の6セント/kWhに削減する」というものであった。ゴールの発電コストは、従来の化石燃料の発電コストに匹敵する。ちなみに、太陽光の発電コストには税額控除などの補助金は全く含まれていない。
住宅用は5セント、非住宅用は4セント/kWhに
その後、太陽光発電産業は目覚ましく前進し、2010年には 27セント/kWhだった発電事業用のコストが現時点で7セント/kWhまで下がり、サンショット開始5年で既に2020年のゴールの約90%を達成するまで下がっている。
この進展により、DOEはメガソーラーの均等化発電原価(Levelized Cost of Electricity : LCOE)を2030年には、2020年時点の半分の水準でとなる「3セント/kWh」に削減する新たなゴールを設定した。
さらに、発電事業用と同じように住宅用と非住宅用(商業用)のコスト目標も大幅に引き下げた。非住宅用の発電コストは2020年の7セント/kWhから、4セント/kWhへ、そして住宅用の発電コストは2020年の9セント/kWhから5セント/kWhに設定された。
ちなみに、現時点での非住宅用の発電コストは13セント/kWh、そして住宅用の発電コストは18セント/kWhと、発電事業用ほどではないが、2020年のゴールの70%はすでに達成している。... Read More Here
サンショット太陽光発電コスト2030年ゴール (出所:The Department of Energy) |