世界最大の「蓄電池併設型」
米AESは、再生可能エネルギーのデベロッパーで発電事業も手掛けている。2019年1月、同社は、米ハワイ州に世界最大規模の蓄電池併設型太陽光発電所「太陽光+(プラス)蓄電池・プロジェクト」の稼働を開始した。
この事業は、「ラワイプロジェクト」とも呼ばれ、太陽光パネル出力28MW、連系出力20MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に、出力20MW・容量100MWhの蓄電池を併設している。蓄電池は需要ピーク時に最長で5時間、放電できる仕様になっている。
ハワイ諸島の最北端に位置するカウアイ島をサービス管轄に持つ電力会社カウアイ島公益事業社(KIUC)はAESとの間で25年に渡る長期電力購入契約を結び、kWhあたり11.08米セントで電力を購入する。
このプロジェクトで導入した太陽光発電設備は、カウアイ島におけるピーク電力需要の約11%を賄える。その結果、島全体の再エネ比率は50%以上に高まり、同電力会社の目標である「2030年までに再エネ比率70%」の達成に大きく貢献するという。
AESの子会社であるAES・ディストリビューティッド・エネルギーで社長を務めるウッディー・ロビン氏は、ラワイプロジェクトについて、「(カウアイ島は太陽光発電の普及率がすでに高いので)系統網への再エネ電源の接続では、太陽光発電はすでにパンパンの状態です。ハワイ州の島々は昼間に新規の太陽光を受け入れるには限りがあります。大型蓄電池を併設することで、上手に電力需要をシフトしたり、ピーク需要を削減できます。さらに5時間という長い放電時間で大量の(日中に蓄えた)太陽光をシフトできます」と、米国エネルギー貯蔵協会(ESA)の会合で語った。
ちなみに、ラワイプロジェクトには1万3000もの韓国サムソン SDIのリチウムイオン電池モジュールが使用された(図1)。...Read More Here