March 8, 2021

「カーボンゼロ」に本気の米電力、「系統蓄電池」導入を加速 「資源総合計画」で上積み、蓄電池市場は「転換点」、1GW超に

 Published at Nikkei Technology - Mega Solar Business

世界最大のエネルギー貯蔵設備

 世界が温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンゼロ社会」に向けて動き出している。米カリフォルニア州では、「2045年までに電力供給の100%をゼロエミッション電源とすること」を2018年に義務付けた。これに伴い、2045年までにすべての天然ガス火力を廃棄することになっている。

 天然ガス火力の代替に太陽光発電など再生可能エネルギーの導入を大幅に拡大し、温室効果ガスを排出しない電源システムへの移行が必要になるが、その成功には、エネルギー貯蔵設備の普及が重要な鍵を握っている。

 昨年12月カリフォルニア州サンフランシスコの南約200kmに位置する港町・モントレー郡で、世界最大規模のエネルギー貯蔵プロジェクトが稼働した。「モス・ランディング・エネルギー貯蔵施設」と呼ばれるこのプロジェクトの出力は300 MW、容量1200 MWhに達する。敷地内にある火力発電所用に設置されていた変電所と送電インフラに接続されるだけでなく、この発電所から送られる電力サービスも代替し、クリーンエネルギー転換に貢献する(図1)。

図1●カリフォルニア州で稼働した世界最大規模のエネルギー貯蔵設備(出力300 MW /容量1200 MWh)
(出所:Vistra)

「ビハインド」と「フロント」

 この「モス・ランディング」の導入により、米国エネルギー貯蔵市場は飛躍的に拡大した。

 米国エネルギー貯蔵協会(ESA)と再エネを含む天然資源産業のリサーチ・コンサルティングサービスを提供するウッズマッケンジーによると、2020年第4四半期(10~12月) に商業運転を開始したエネルギー貯蔵設備の設置容量は、前期比182%増の2156 MWhに達し、四半期の導入量で、過去最高となった。

 モス・ランディングがこの四半期に占める構成比は55%となる。

 米国エネルギー貯蔵市場は、太陽光発電市場と同じように、住宅用、 非住宅用(商業・産業)、そして、発電事業用の3つに分類される。さらに、電力会社の視点から、エネルギー貯蔵設備が、電力需要家側に設置される場合 「ビハインド・ザ・メーター(電力量計の後ろ側)」(需要家蓄電池)、そして、電力系統側に設置される場合 「フロント・オブ・ザ・メーター (電力量計の前側)」(系統蓄電池)との分け方もある。後者の「フロント・オブ・ザ・メーター」のほとんどは電力会社による発電事業用になる... Read More Here