東京ドーム1558個分
米国で「未来のシティ」または「太陽のシティ」と呼ばれる、巨大なスケールの分譲住宅地プロジェクトがフロリダ州南東部で繰り広げられている。その名は「バブコック・ランチ(Babcock Ranch)」で、東京ドーム1558個に匹敵する1万8000エーカーの土地に、牛の放牧地や湖沼、野生生物の生息地など自然環境を保ちながら環境に優しい住宅開発が行われている(図1)。
図1●フロリダ州にある大規模な分譲住宅池「バブコック・ランチ」 |
バブコック・ランチが米国で最初の「太陽のシティ」と呼ばれる理由は、街区全ての消費電力をメガソーラー(大規模太陽光発電所)でまかなっている、完全なエネルギー「地産地消型」のプロジェクトであるからだ。
この街区は、2018年1月に最初の居住者を迎えた。開発を担った米デベロッパーであるキッソン・デベロップメント社の広報担当リサ・ホール氏によると、2020年5月1日時点で、新規マンション販売数は658戸、不動産取引の手続きを完了したマンションは490戸で、合計1225人が「太陽のシティ」で暮らしている。
分譲住宅地プロジェクトと言っても、バブコック・ランチは、さらに7つの地区に分かれていて、9社のホームビルダーによって下は20万米ドル、上は100万ドル以上の価格帯で新規住宅地が供給されている。20年後、このコミュニティ全体が完成した暁には、合計1万9500戸の住宅、5万人の住人が生活できるように計画されている.
50%を「グリーン空間」に設定
2006年にキットッソン・アンド・パートナーズ社の会長と最高経営責任者(CEO)を務めるシッド・キットッソン氏は、9万1000エーカーの土地をバブコック家から購入した。その後、9万1000エーカーにうち7万3000エーカーの土地をフロリダ州政府に自然保護地を創設するために売却した。ちなみにこれは、フロリダ州で歴史上最大となる保護用地の購入という。
キットッソン氏は、「(土地開発において)賢い成長と自然保護が連携できることを証明する」との熱意を持ちつつ、売却した自然保護地に隣接する残りの1万8000エーカーを、持続可能で革新的な新しいコミュニティとして開発するための承認を同州から受けた。Read More Here