40超の大学が「100%」達成
アップル、マイクロソフト、グーグルなど米国リーディング企業だけでなく大学などの教育機関でも再生可能エネルギーへの転換が急速に拡がっている。
米エンバイロメント・アメリカ・リサーチ・ポリシーセンターによると、既に40を超える米国の大学(州、公、私立、2・4年制)は「100%転換」を実現しているという。現在、多くの大学が気候変動対策に本腰を入れ、太陽光発電設置の導入と太陽光発電電力の調達を積極的に拡大している。
現在、再エネ調達量で米国トップの大学は、米最大規模の州立大学群であるカリフォルニア大学。現在、同校による再エネ調達量は年間273ThW (2兆7300万kWh)を超える。
図1●カリフォルニア大学デイビス校に設置された自家消費用のメガソーラー。大学のキャンパスは左上(出所:Regents of the University of California, Davis campus)
|
同大学は、2025年まで電源を100%再エネまたはゼロカーボン電源に転換する目標を掲げている。同大学は既に州内に建設された合計80MWの太陽光発電所から電力を調達済みで、連系出力16.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を含む大規模な設備もキャンパス内や付近に導入している(図1)。
スタンフォード大は太陽光で100%
大学の中には、太陽光発電だけで「100%」を実現しようとしている大学がある。
それは、世界でトップレベルの大学である、スタンフォード大学である。同大学は、来年2021年には「大学で消費する電力を100%太陽光発電に賄う」という目標が達成されるという。同校は既に78MWの太陽光発電を調達済みで、現在88MWの太陽光発電所が同大学向けに建設されている。
最初のメガソーラーである「スタンフォード太陽光発電所#1」は出力67MWで、カリフォルニア州に建設され、2016年に運転を開始した。また、2017年には同校のキャンパス内に合計出力5MWの屋根上太陽光発電を設置した。