「ビハインド・ザ・メーター」が増加
米国市場におけるクリーンエネルギーの調査・コンサルティング事業を手掛けるGTMリサーチ(GTM Research)と米エネルギー貯蔵協会(Energy Storage Association: ESA)は、2013~17年の5年間で系統連系型のエネルギーストレージ設備の累積導入容量が1000MWh(1GWh)を超えた、と発表した。
2017年単年には全米で431MWhの系統連系型エネルギーストレージ設備が導入され、同年第4四半期(9〜12月)には100MWhが導入された。
GTMリサーチの予測によると、2018年単年で1233MWh(1.233GWh)の系統連系型エネルギーストレージが導入され、今年だけで2017年までの累積導入容量を超えることになる(図1)。
2017年の米エネルギーストレージ市場は前2016年比で27%拡大したが、特に成長した分野は、「ビハインド・ザ・メーター(Behind the meter)」と呼ばれる需要家サイドに設置される蓄電池で、2016年比で79%増加した。これらの蓄電池は主に分散型太陽光と併設され、太陽光発電の余剰を系統網に流さずに貯蔵して自家消費する。
「フロント・オブ・ザ・メーター」は減少
「ビハインド・ザ・メーター」に対して、主に電力会社などの電力系統側に設置された蓄電池を「フロント・オブ・ザ・メーター (Front of the Meter)」と呼ぶ。フロント・オブ・ザ・メーターとしての蓄電池は、2017年に総導入量の65%を占めるものの、2016年と比べると構成比率は14%減となった(図2)。
今回の発表によると、フロント・オブ・ザ・メーター市場では平均放電時間が長い蓄電池の導入が増えている。これは、長周期対策向けの蓄電池市場が成長していることを意味している。
蓄電池の性能は、瞬時にどれだけの電力を流せるかを表す瞬時最大電力である「出力(単位:W)」と、どれだけの電気を充電または放電できるかを示す「容量(単位:Wh)」の2つがあり、用途によってどちらを重視するかが異なってくる。
PJM管内ではアンシラリー向け急増
米エネルギー省・エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)によると、2016年に米国に導入されたフロント・オブ・ザ・メーター向けの大型蓄電池は、地域によって用途が異なり、重視する性能も違ってくる。..Read More Here