May 31, 2017

保護措置で米国が世界で最も太陽電池の高い国に!? 米国の世界における生産量シェアはわずか「1%」

Published at Nikkei Technology Online ---  今年4月に破産届けを申請した米太陽電池メーカーのサニバ社(Suniva,Inc.)は、米国国際貿易委員会(International Trade Commission:USITC)に対し、輸入太陽電池用セル(発電素子)に新たな関税、そして米国以外で生産された太陽光パネルに最低価格を課すように提訴した。

 これは、中国、東南アジアから不当な安値で輸入されてくる太陽電池セル、パネルから米国太陽光発電製造業を保護するためである。

 サニバ社は、2007年に創立され、米国ジョージア州メトロアトランタに本社を置く高効率結晶シリコン太陽電池セル・パネルメーカーで、ジョージア州でセルを生産、ミシガン州でパネルを組み立てていた(図1)。昨年秋にはセルの生産規模を200MWから400MWに拡大すると発表し、12月には新しいパネル製造工場の着工式を行ったばかりであった。

図1●サニバ社の米国内でのセル工場(出所:Suniva)


米太陽電池製造業の「緩慢な死」

 同社は破産に至った理由を「アジア(メーカー)における生産過剰によって、太陽電池は世界的に供給過剰となった。そのため、(低価格の)輸入品が継続的に米国内に流入し、国内製品に対する価格下落の圧力が強まった」としている。

 米SPV Market Researchの創立者・チーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏は、「米国(太陽光発電)製造業の長く、緩慢な死」と、この米国内における製造業の衰退していく事態を表現している。

 2012年には、米国が中国から輸入する結晶シリコン型太陽電池セルに対する反ダンピング税(AD)及び不当な補助金に対する相殺関税(CVD)賦課命令が出された。

 今回、サニバ社は、米国際貿易委員会に対し、「米国太陽光発電産業のためのグローバルセーフモード」と題した貿易救済措置を提案した。それは、「4年輸入課税計画提案」で、結晶シリコン型太陽電池セルへの課税と結晶シリコン型太陽光パネルの最低価格の設定からなっている...Read More Here

May 30, 2017

Smart Solar Ensures Services at Remote Communities across the World

Published at RenewableEnergyWorld.com --- The Internet of Things (IoT) has emerged as one of the hottest topics, covering home security systems to refrigerators that tell you when to buy milk. The technology, which extends connectivity and computing capability to devices that are not normally considered computers and allows these devices to generate and exchange data with minimal human intervention, is now integrated into off-grid solar, creating “smart” solar.

Credit: BBOXX

BBOXX, a solar solutions company, and Aeris, an IoT provider, teamed up to deliver solar energy to people living in off-grid communities in the developing world. The IoT connectivity enables BBOXX’s devices to be deployed in areas such as East and Central Africa, remotely monitored, with expedited deployment time.

People living in a rural off-grid area normally spend 6-8 percent of their incomes on energy costs, purchasing kerosene and batteries and charging their phones. For those people, BBOXX provides a range of solar powered battery boxes for an individual’s home to power up small electric appliances such as lights, mobile phones, and computers. The cost of a solar system is spread over time to make it more affordable.

“For BBOXX, and the solar industry in general, real-time access to data usage, alert management and device-connectivity management is critically important to monitor solar panel connections and improve service up time, ensuring maximum service quality,” Evan Whitelock, senior product marketing manager of Aeris, said. “Additionally, these real-time capabilities allow the service provider, such as BBOXX, to manage service delivery and reduce costs.”... Read More Here

May 15, 2017

米加州、予算を大幅に増加し蓄電池を推進 放電時間と容量で補助率を変動する新手法、需給バランスに活用

Published at Nikkei Technology Online --- 蓄電池向けの予算を増額

 米国カリフォルニア州は2017~19年の3年間に5億6669万ドルの予算を投じ、コージェネレーション(熱電併給)システム、風力、蓄電池、そして燃料電池などの導入を拡大する。

この予算が組まれているのは、セルフ・ジェネレーション・インセンティブ・プログラム(SPIG:自家発電補助金プログラム)で、2010年にカリフォルニア州の温室効果ガス排出の削減とグリッド(系統網)の安定化を促すために開始した。

 今回は蓄電池への予算が拡大され、総予算の79%の4億4819万ドルが蓄電池に充てられる。うち3億9081万ドルは出力10kW以上の大型蓄電池、残りの5738万ドルは出力10kW未満の小規模・住宅用蓄電池に充てられている。

 5月1日に予約申請の公募を開始した。実は、前回の公募ではプログラム開始と同時に蓄電池用の予算枠が少数の施工業者・メーカーによって、非住宅蓄電池用に抑えられてしまった。その反省から、今回はより多くの家庭や企業に蓄電池が広まように、制度上、いくつか改善している。

 まず今回は、住宅用に予算が割り当てられ、1社の施工業者が申請できる件数にも上限をもうけた。さらに、補助金が5段階(ステップ)に分かれており、予約申請の合計額が予算に達すると補助金が下がる(ステップダウン)仕組みになっている。

 具体的には、ステップ予算に達するたびに補助金額は0.05ドル/Wh下がるようになっている。しかし、もしプログラム開始10日以内に予算に達した場合、2倍の0.10ドル/Whで下がる。つまり、需要が高ければ、補助金額の下がりかたに加速がつき、資金効率を高めている(表1・2)。
表2●加州SGIP蓄電池用補助金(ドル/Wh)ステップ別


グリッド安定化に貢献する電池を優先

 今回は、「Investment Tax Credit(ITC)」と呼ばれる連邦政府からの「再生可能エネルギー導入投資税控除(システム設置にかかった投資額の30%を税額控除)」を利用する場合、大型蓄電池用に限り、補助金額が0.04ドル/Wh低く設定されている。

 さらに、前回は少数のメーカーまたは施工会社などによって、プログラム開始と同時に補助金予算枠が押さえられてしまったので、今回は、もし1日で応募が予算を超えた場合、「抽選」制度が使用される。温室効果ガス排出の削減量、またはグリッド(系統網)への利点が多いプロジェクトは優先権が得られる。... Read More Here