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October 6, 2020

加州の山火事、太陽光発電にも影響、発電量が半減! 「オレンジ色の空」と「灰」で日射量が大幅に低下

 Published at Nikkei Mega Solar Business

不気味なオレンジ色の正体

 「バリバリバリ、ドッカーン」――。けたたましい雷鳴と同時に、窓から見える、夜明け前の暗い空に、いく筋もの眩しい光が横に走った。米カリフォルニア州の乾燥した天候の中でこんなに激しい稲光は、今までに見たことがない。

 8月16日の朝、カリフォルニア州北部全体で異常に激しい雷に見舞われた。その際に発生した稲妻の数はなんと4000近くだったという。地上にまで及んだ落雷は、その後同州北部と中部で大規模な山火事を引き起こした。

 至る所で起こった山火事で、空は不気味なオレンジ色に染まり、さらに空からは雪のように白い灰が降ってきた。

 実は、この「オレンジ色」の空は、同州に導入済みの数kWの屋根置き太陽光発電システムから数百MW級のメガソーラー (大規模太陽光発電所)にまで、「ネガティブ」な結果をもたらした。

 空一面がオレンジ色に染まるという現象は、山火事による煙、そして灰が太陽の光を遮って反射したために発生した(図1)。

図1●大規模山火事で空だけでなく、地上までオレンジ色に染めた


「PM2.5」で太陽光が散乱

 カリフォルニア 州の送電系統を管理するカリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)によると、CAISOの電力系統には同州に導入された発電事業用メガソーラーの90%が接続されているが、2020年9月最初の2週間における平均的な発電量を見ると、大規模な山火事のため、2020年7月の平均から30%近くも減少したという。

 山火事の煙には、「PM2.5」と呼ばれる、2.5μm(マイクロメートル)以下の小さな浮遊粒子状物質が含まれている。ちなみに、PM2.5は、大気汚染物質の1つである。

 一般的にPM2.5の濃度が高まると空に霞みがかる。これはPM2.5が太陽光を散乱させて生じるといわれる。この現象が起きると、太陽光が地上まで十分に届かなくなる。つまり、山火事による煙は、太陽光パネルに到達する日射量を減らし、その結果、発電量が減ることになる(図2)...Read More Here

(出所:US Energy Information AdministrationがCAISOとCalifornia Air Resources Boardのデータを元に作成)

August 25, 2020

米加州で大停電!、再エネ導入で前進も系統の安定運用が後手に 「世界5位の経済大国」でも、電力網は発展途上国以下!?

 Published at Nikkei Mega Solar Business

「革新的な州にとって容認できない」

 依然として、世界を脅かす新型コロナウイルスで自粛ムードが続く中、米国では8月中旬に突然、猛暑が訪れた。とはいえ、夏なのだから当たりのことにも思える。

 そんななか、世界をリードするハイテク企業が集まるシリコンバレー、世界を魅了するエンターテイメントが生まれるハリウッドなど、世界の先端を走るカリフォルニア 州で、何と電気の供給不足で、停電に陥ってしまったのだ。

 カリフォルニア州を1つの国だとすれば、その経済規模は英国を上回り、米中日独に次ぐ世界5位に相当する。そんな先進経済大国で、猛暑によって停電が起きた背景には、どんな事情があったのか。電力系統は、途上国並みということなのだろうか。

 同州のギャビン・ニューサム知事は今回の停電を「国の最大かつ最も革新的な州にとって容認できない、不適合」と表現した(図1)。


図1●電力の専門家と今回の電力不足の緊急会議を行うカリフォルニア州知事(黄緑色の囲み内)
(出所:Office of Governor Gavin Newsom)


 国内のメディアでは、不十分な電力供給のために同州が計画停電を実施することは、2001年のエネルギー危機以来、ほぼ20年ぶりと報道されている。だが、実際には、「停電」に関して言えば、もっと頻繁に起こっている。

停電すると自家発電機がうなり声

 筆者はサンフランシスコから南に車で約1時間の、空高くそびえ立つ赤スギで有名な州立公園近くに住むが、ここ数年間で何回停電に見舞われたか、とても数え切れない。

 強風が吹くと停電。雨が続くと停電。乾燥が続くと停電、と言った具合だ。

 特に、強風と乾燥が重なった場合、老朽化して整備の不十分な送電線が火元になり大規模な山火事を起きるのを防ぐため、数百万人の電力を停止するという意図的な停電も起こる(図2

 こんなに脆い電力網を持つのは、米国内のみならず、世界でもトップ規模の大手電力会社パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)なのである。こんな状態であるから、地域の住民のほとんどは自前のジェネレーター(自家発電機)を持っており、停電とわかると、各自外に出て、ジェネレーターをブルンブルンと稼働させるのである。停電が2時間続くのか、2日以上になるのかも分からない、全く発展途上国のような生活になる。

「複数の災厄」で破滅的に

 問題の停電は8月14日の夕方に始まった。

 カリフォルニア州の送電系統を管理するカリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)は、停電後、初めての公的な声明で、今回のイベント(停電)を「パーフェクト・ストーム」と表現した。これは、「複数の災厄が同時に起こり、破滅的な事態に至ること」を意味する。Read More Here

September 6, 2019

ウォルマートが「重過失」と提訴、屋根上太陽光の火災頻発で 第3者所有モデルによる急成長の裏で起きた「手抜き施工」!?

Published at Nikkei Mega Solar Business ---

 先月、米流通最大手ウォルマートは、太陽光発電の火災に関してテスラを相手に訴訟を起こした。ウォルマートによると、テスラの設置した太陽光発電設備が、ウォルマートの7店舗で火災を起こしたという。その後、さらにアマゾンでもテスラの設置した太陽光発電設備で火災が起こったと公表するなど、テスラにとって耳の痛いニュースが続いている。
 米マスメディアは、ニュースの中で「テスラの太陽光パネル」という言い方をしているが、実は、テスラがウォルマート店舗に設置した太陽光パネルはテスラ製のものではない。
 テスラは2016年に「ソーラールーフ・タイル」と呼ばれる「建材一体型太陽電池」の開発・製造を発表したが、ウォルマートへの設置はそれ以前に施工されたものだ。ではなぜ、こうした報道になったのか。実は、200以上のウォルマート店舗に太陽光発電を設置したのは、ソーラーシティで、テスラは2016年にソーラーシティを買収した経緯がある。
 ウォルマートはテスラに対し、ニューヨーク州の最高裁判所に提訴し、約240店に設置されたすべての太陽光発電設備の撤去と火災に関する損害賠償を求めている。今回の提訴の際に提出した114ページにおよぶ訴状には、ソーラーシティによる設置、点検、保守などにおける「過失」が列挙されている。ウォルマートは、「広域にわたる過失と非プロフェッショナリズムの症状」としている(図1)。
図1●ウォルマートのカリフォルニア州にある1店舗に設置された太陽光発電から火災
(出所:Lauren Coronado)

 ソーラーシティは「初期費用なし、電気料金即削減」という 「第3者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」で急成長した。2015年には米国住宅太陽光発電市場の3分の1以上のシェアを占め、商業用の含め、分散型太陽光発電の販売・設置で米国ナンバーワン企業とまで言われた。
 TPOモデルは、ソーラーシティのような販売・施工とファイナンスを統合したソーラープロバイダーが、太陽光発電設備を家庭や企業の屋根に需要家の初期投資なしで設置する。...Read More Here