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April 5, 2021

「原発」跡地に690MWのメガソーラー建設へ、蓄電池を併設 2050年までに太陽光は原子力を上回り主要電源に

 Published at Nikkei Technology - Mega Solar Business

 米アイオワ州にある、同州で唯一だった原子力発電所の跡地に出力690MWものメガソーラー(大規模太陽光発電所)開発プロジェクトが着々と進んでいる。

 米国中西部は「コーンベルト」と呼ばれ、トウモロコシが主要作物として盛んに生産されている。米西部に位置するアイオワ州は、その中心地であり、米国の燃料エタノール生産能力の4分の1を占める米国の主要なバイオエタノール生産地でもある。

 トウモロコシ由来のバイオエタノール、バイオディーゼルだけでなく、発電分野でも再生可能エネルギーの導入量が多い。実は、アイオワ州は、これまで米国でメガソーラーなどの大規模再エネ発電所の普及を牽引してきた「再生可能エネルギー・ポートフォリオ・基準(RPS)」制度の法案を全米で最初に成立させた州である。1983年のことだ。

 米エネルギー省・エネルギー情報局(EIA)によると、2019年のアイオワ州における総発電量のうち、5分の2以上は再エネで、そのほとんどが風力発電である。事実、同州はテキサス州とオクラホマ州に次ぐ米国で第3位の風力発電導入量を誇る(図1)。

図1●アイオワ州は米国の州別風力発電導入量で3番目
(出所:Iowa Farm Bureau)

太陽光では出遅れ

 しかし、太陽光発電の導入量では、大きく遅れている。米太陽光エネルギー協会(SEIA)によると、同州における2020年までの太陽光発電の累積導入量は、わずか287.8MWに過ぎない。米国における州別導入量での順位は35位に留まる。だが、2023年には太陽光の順位も飛躍するかもしれない。

 太陽光の躍進を予感させる話題の1つに、米ネクステラ・エナジーが、アイオワ州パロ郡の「デュアンアーノルド原子力発電所」跡地にメガソーラーを建設すると発表したことがある(図2)。...Read More Here

January 18, 2021

世界最大「ギガソーラー+蓄電池」プロジェクトが米加州に着工! スターバックスや大手電力、地域新電力がPPAを締結

 Published at Nikkei Technology Mega Solar Business

「大規模太陽光の首都」に建設

 米カリフォルニア州で、ギガワット(GW=1000MW)を超える巨大な太陽光発電と大規模なエネルギー貯蔵プロジェクトの建設が始まろうとしている。

 「エドワーズ&サンボーン・ソーラー・エネルギー貯蔵」と呼ばれるこのプロジェクトは、米再エネ・プロジェクト・ディベロッパーであるテラジェン(Terra-Gen)社が開発した。同社は先月ミネソタ州に本社を構える太陽光発電のEPC(設計・調達・施工)サービス事業者であるモーテンソン社にプロジェクトの施工を委託した。

 エドワーズ&サンボーンプロジェクトは、出力1118MW (1.1GW)の「ギガソーラー」と容量2165MWh(2.165GWh)の「ギガストレージ」から構成される。使用される太陽光パネルは250万枚を越え、エネルギー貯蔵設備には、11万個以上のリチウムイオン電池モジュールが使用される。

 このプロジェクトは「太陽光+蓄電池」プロジェクトで、現時点で世界最大規模といわれている。

 建設は今年第1四半期(1~3月)から開始し、来年の2022年第4四半期(10~12月)に完工する予定だ。

 立地するのは、カリフォルニア州のカーン郡。同郡は、カリフォルニア州セントラルバレー南部に位置し、その面積はなんと東海岸のニュージャージー州に匹敵する。農業が盛んだが、郡の経済は石油採掘にも深く関係している。また、多くの大規模な太陽光発電プロジェクトが建設されているため、カリフォルニア州における「大規模太陽光発電の首都」としても知られている。もちろんこれは俗称で公的な意味があるわけではない。ちなみに、エドワーズ&サンボーンプロジェクトの「エドワーズ」とは、航空機開発の拠点として知られる「エドワーズ空軍基地」の隣接地に開発されることに由来する(図1)。

図1●カーン郡に設置された大規模太陽光発電の1つで、出力は450MWになる
(出所:8minute Solar Energy)

スターバックスがPPA締結

 このプロジェクトのEPCを担当するモーテンソン社は、今まで米17州で計7GWの太陽光発電プロジェクトの建設に携わり、エドワーズ&サンボーンプロジェクトは、同社にとって78番目の太陽光プロジェクト、11番目のエネルギー貯蔵プロジェクトになるという。

 プロジェクトディベロッパーであるテラジェン社は、これまでに1.3 GWを超える太陽光、風力、そして地熱発電所を開発・運営する。

 現時点でプロジェクトから発電される電力の購入者(オフテイカー)は、サステイナビリティ(持続可能性)向上を目標とするリーディング企業、地方自治体、そして大手電力会社が含まれる。

 まずは、コーヒーチェーン世界大手の米スターバックス。同社は、環境負荷を低減するために、2030年までに、CO2排出量を50%削減することを目指している。さらに、昨年9月に2025年までに北米1万店舗を環境配慮型店舗に転換する計画を発表した。同社は、風力発電、太陽光発電から電力購入契約(PPA)を通じて、米国、カナダ、英国にある直営店舗について、既に「再エネ100%」の電力で賄っている。

January 10, 2021

「もっとソーラー、もっと安い」、電力会社も太陽光で割安料金を打ち出す 米電力大手、大規模蓄電池から「安い太陽光の電気」を供給へ

 Published at Nikkei Technology Mega Solar Business


かつては「プレミア付き」だったが…

 「太陽光発電で電気代がお得に!」「太陽光発電で家庭の電気代を削減できます!」――住宅用太陽光発電システムの販売促進では、施工会社がこうした広告で訴求するのは珍しくないが、最近ではこうした宣伝文句を、大手電力会社が打ち出している。つまり、自家消費だけではなく、電力会社の電力販売サービスのレベルでも、太陽光発電から提供する方が「お得」なのだ。

 「もっとソーラーエネルギー、もっと安い」と、顧客にアピールするのは、米ネバタ州を管轄エリアとしている大手電力会社であるNVエネルギー(NV Energy)。同社は、気候変動対策として温室効果ガス排出量の削減と再生可能エネルギーの導入拡大を進めると同時に、顧客の電気料金削減に成功している。以前だったら、電力会社からの「再エネプラン」は環境価値プレミアムが付き「割高」とされていたが、現在は、電力会社が「ソーラーエネルギーと低価格」を共に消費者に提供できるようになったのだ(図1)。

図1●「もっとソーラーエネルギー、もっと安い」と、顧客にアピールするNVエネルギー
(出所:NV Energy)

法律で「2030年・再エネ50%」

 NVエネルギーは、2013年以降、ネバダ州南部に電力を提供する石炭火力発電所の所有権を完全に手放し、ネバダ州北部に残っている同社唯一の石炭火力を2025年までに廃止する予定である。実際、同電力会社の電力需要を満たすための石炭火力利用率は、2013年の18%から2020年4%にまで減少した(図2)。

図2●左はNVエネルギー社の石炭火力発電所の所有率、右は同社の再エネ調達量の推移
(出所:NV Energy)

 さらに、NVエネルギーは、ネバダ州の「再生可能エネルギーポートフォリオ基準(RPS)」を10年連続で超えた。ちなみに、「RPS」とは、全ての電気事業者または電力小売事業者に対して、電力販売量の一定割合を再エネ電源から供給することを義務付ける法律である。RPSは州レベルで法制化され、現在29州とワシントンDCで実施されている。

 大自然のスケールと迫力を満喫できるグランドキャニオンと1日中ネオンが輝くカジノが並ぶラスベガスで有名なネバダ州は、よりクリーンで、グリーンなエネルギーの将来を目指し、2030年までに同州の電力源の50%を再エネで、そして2050年までに100%をカーボンフリー(二酸化炭素を出さない)電源で満たすことを2019年4月に法制化した。...Read More Here

December 1, 2020

1GW超える米最大「ギガソーラー」着工、AT&T・ホンダなどとPPA テキサス州に建設、先進企業5社・3自治体が電力購入

 Published Nikkei Technology Mega Solar Business

1.31GWで総投資額16億ドル

 テキサス州で現在、米国で最大規模となる1.31GW(1310MW)もの巨大な太陽光発電所の開発が進んでいる。この「ギガソーラー」の建設は今年7月に既に始まっていて、完成した時の総発電量は、米国一般家庭の約30万世帯分に相当する消費電力になるという。

 「サムソン・ソーラー・エネルギー・センター(以後サムソン)」と呼ばれるこのプロジェクトは、テキサス州の北東部に建設されていて、総投資額はなんと16億米ドル。

 現在建設済み・稼働中の米国最大規模のメガソーラー(大規模太陽光発電所)は、連系出力579MW・太陽光パネルの出力747.3 MWの「ソーラー・スター」と呼ばれるプロジェクトで、2015年7月にカリフォルニア州で稼働を開始した。稼働時は、米国で最大規模だけでなく、世界で最大規模でもあった(図1)。

図1●現在米国の稼働中で最大規模のメガソーラー「ソーラー・スター」
(出所:SunPower)

「ジェミニ」は896MW

 意外なことに、米国では5年が経った今まで「ソーラー・スター」を超える規模のメガソーラーが出てこなかった。

 そんななか、今年5月にネバダ州南部のモハビ砂漠付近に計画されている「ジェミニ・ソーラー」プロジェクトと呼ばれるメガソーラー事業が連邦政府の承認を得て、ようやく「米国最大規模」のメガソーラーの記録を更新しようとしていた。そのサイズはパネル出力896MW・連系出力690MWで、出力380MW・容量1400MWhのリチウムイオン蓄電池によるエネルギー貯蔵も併設される予定である。この発電所の電力は、ネバダ州で地域独占電力会社NVエネルギー(NV Energy)に25年間の長期電力購入契約(PPA)を通じて供給される。ちなみに、2023年12月に商業稼働を開始する予定である(図2)...Read More Here

図2●建設に取り掛かろうとしている「ジェミニ・ソーラー」の計画図
(出所:Quinbrook Infrastructure Partners and Arevia Power)



November 24, 2020

米大規模太陽光のトレンド、「追尾型」のコストが大幅低下 「薄膜系+追尾型」が「結晶系+追尾型」に迫る

 Published at Nikkei Technology Mega Solar Business

「発電事業用」太陽光は30GWに迫る

 今月、米エネルギー省(DOE)の研究所であるローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)が、2019年度(1月~12月)における米国発電事業用の太陽光発電市場に関する統計データを発表した。

 同研究所によると、2019年に稼働した連系出力5MW以上の地上設置型太陽光発電設備は合計103件で、合計出力は前年比16%増の4.58GW-AC(連系出力・交流ベース)だった。ちなみに、2019年末までの累積設置数は792件で、総累積出力は29GW-ACを超えている(図1)。

図1●米国における地上設置型太陽光発電設備の年間導入容量推移
(出所:Lawrence Berkeley National Laboratory )


 「発電事業用」といっても、その定義は米国内でも異なる。

 米エネルギー省(DOE)・エネルギー情報局(EIA)の定義は、所有権、系統連系の接続が配電網か送電網に関わらず、総出力が最低1MW-ACの発電設備としている。米国太陽エネルギー産業協会(SEIA)が、コンサルティング会社である英ウッドマッケンジー社と共同で出版している市場レポートで使われる「発電事業用」の定義は、発電設備のサイズではなく、発電された電力を受け取る仕組みで決めている。「発電事業用」とは、 電力会社が所有する発電設備、または、自家消費ではなく発電された電気が電力会社に直接売られる発電設備となっている。つまり、固定価格買取制度(FIT)などを利用する小規模の設備も含まれることになる。

「追尾式」が88%占める

 一般的に米国市場の動向について言及される場合、SEIAのデータを引用することが多いが、LBNLは、SEIAと違ったアプローチを使い、発電事業用の定義は、「5MW-AC以上の地上設置型」の太陽光発電設備としている。したがって、数MWを超えた発電設備でも、屋根置型の場合、LBNLによる「発電事業用」には含まれない。ここでは混乱を防ぐために、LBNLのデータは、発電事業用ではなく、「地上設置型」太陽光発電設備と呼ぶことにする...Read More Here

November 5, 2020

人気の「ソーラー放牧」、150MWサイトで羊1050頭の計画も 機械除草から脱却で、O&MコストとCO2 削減

Published at Nikkei Mega Solar Business

「ソーラー・グレージング」で650頭

 米ソーラー・シープLLCのオーナであるジュリ・ビッショプ氏は現在650頭を超えるシープ(羊)を米国東海岸のニュージャージー州で飼っている。同氏の羊は、太陽光パネルが何十列にも渡って設置されている数十エーカーの牧草地で放牧されている。

 ソーラー・シープLLCは、ニュージャージー州中南部にある地上設置型メガソーラー(大規模太陽光発電所)に「植物管理サービス」を提供している。

 このサービスは一般的に「ソーラー・グレージング(放牧)」と呼ばれ、羊を主にした家畜を利用した地上設置型太陽光発電所の除草作業を含む植生管理方法である。太陽光発電所オーナー、またはデベロッパーに包括的な土地利用法を提供するこのサービスは、現在、米国で人気が高まっている(図1)。

図1●メガソーラーで放牧される羊
(出所:Solar Sheep LLC)


「馬」から「羊」に転身

 「ソーラー・シープ」は元々ソーラー用のビジネスではなかった。さらに、ビッショプ氏は羊ではなく、馬のブリーダーであった。同氏が羊に関わり合うようになったのは、同氏のマンディという名の牧牛犬の一種であるオーストラリアン・キャトル・ドッグを牧羊犬にトレーニングするためにまず数頭の羊を購入したことがきっかけになった。

 その後、数頭の羊がさらに増え、同氏は馬のブリーダーから羊のブリーダーに転身した。 同氏が育てる羊の種類は米国で開発されたカターディン羊と呼ばれ、羊毛ではなく食肉(ラム)や繁殖用である。

 同氏が自宅の農場で羊を飼育し始めた頃、増える羊を育てるのに十分な牧草地を持っていなかった。ある日、車を運転していた時、草やクローバーがたくさん茂る15エーカー(約6ha)に及ぶソーラーファームが目についた。 「ここは、自分の羊にもってこいの場所。きっと誰かが草刈りにお金を払っているはず。私の羊だったら(除草を)より簡単にできる」と思い、その太陽光発電所の事業者に交渉に向かった。...Read More Here 

October 26, 2020

地域新電力8社、共同で500MWのエネルギー貯蔵を設置へ 「長周期」需給変動に対応、再エネ大量導入とレジリエンス強化

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「長周期」対応の重要性が増す

 米国では今年8月に起こった大規模な山火事、猛暑などで大停電が起こり、カリフォルニア州の電力システム(グリッド=電力系統)の信頼性とレジリエンスがまた大きく見直しされている。太陽光発電を含む再生可能エネルギーの導入量では他州を引き離してダントツのカリフォルニア州だが、再エネを効率良くグリッドに統合しつつ、信頼性を高め、災害などに対するレジリエンスを強化するには、電力を長期間、放電できる「長周期」エネルギー貯蔵調達が必要になってくる。

 カリフォルニア州では、大手電力会社だけではなく、地方自治体による地域新電力も長周期エネルギー貯蔵の調達へ乗り出した。

 今月(10月)カリフォルニア州の8つの米国コミュニティ・チョイス・アグリゲーション(CCA)が共同で出力500MWもの長周期エネルギー貯蔵の提案依頼書(RFP)の公募を出した(図1)。

図1●8つのCCA共同での長周期エネルギー貯蔵のRFP(出所:Silicon Valley Clean Energy)


ちなみに、CCAは日本の地域新電力に似ていて、市や郡などの地方自治体が設立し、自ら発電所を開発、または発電事業者から電力調達し、 既存の大手電力会社が所有する送配電網を利用し需要家に電力を供給する 電気小売り事業を展開している。カリフォルニア州では、電力小売りが全面自由化しておらず、3つの大手電力会社が電力の送配電と供給を地域独占しているが、2002年に成立し法律で、地方自治体がCCAを設立することにより、地域の需要家に電力供給先の選べるようになった。特にCCAは、既存の大手電力会社との差別化として、再エネの比率がより高いプランを提供し、その再エネも「地産地消」型で調達している。...Read More Here

October 6, 2020

加州の山火事、太陽光発電にも影響、発電量が半減! 「オレンジ色の空」と「灰」で日射量が大幅に低下

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不気味なオレンジ色の正体

 「バリバリバリ、ドッカーン」――。けたたましい雷鳴と同時に、窓から見える、夜明け前の暗い空に、いく筋もの眩しい光が横に走った。米カリフォルニア州の乾燥した天候の中でこんなに激しい稲光は、今までに見たことがない。

 8月16日の朝、カリフォルニア州北部全体で異常に激しい雷に見舞われた。その際に発生した稲妻の数はなんと4000近くだったという。地上にまで及んだ落雷は、その後同州北部と中部で大規模な山火事を引き起こした。

 至る所で起こった山火事で、空は不気味なオレンジ色に染まり、さらに空からは雪のように白い灰が降ってきた。

 実は、この「オレンジ色」の空は、同州に導入済みの数kWの屋根置き太陽光発電システムから数百MW級のメガソーラー (大規模太陽光発電所)にまで、「ネガティブ」な結果をもたらした。

 空一面がオレンジ色に染まるという現象は、山火事による煙、そして灰が太陽の光を遮って反射したために発生した(図1)。

図1●大規模山火事で空だけでなく、地上までオレンジ色に染めた


「PM2.5」で太陽光が散乱

 カリフォルニア 州の送電系統を管理するカリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)によると、CAISOの電力系統には同州に導入された発電事業用メガソーラーの90%が接続されているが、2020年9月最初の2週間における平均的な発電量を見ると、大規模な山火事のため、2020年7月の平均から30%近くも減少したという。

 山火事の煙には、「PM2.5」と呼ばれる、2.5μm(マイクロメートル)以下の小さな浮遊粒子状物質が含まれている。ちなみに、PM2.5は、大気汚染物質の1つである。

 一般的にPM2.5の濃度が高まると空に霞みがかる。これはPM2.5が太陽光を散乱させて生じるといわれる。この現象が起きると、太陽光が地上まで十分に届かなくなる。つまり、山火事による煙は、太陽光パネルに到達する日射量を減らし、その結果、発電量が減ることになる(図2)...Read More Here

(出所:US Energy Information AdministrationがCAISOとCalifornia Air Resources Boardのデータを元に作成)

September 27, 2020

加州「太陽光・蓄電池マイクログリッド」、地域の担い手が連携 非常時は空港・沿岸警備に電力供給し、レジリエンス強化

 Published at Nikkei Technology Mega Solar Business

送電網の末端に位置

 米カリフォルニア州北部にあるサンフランシスコ市から北に約200マイルに位置するハンボルト郡は、同州で2番目に大きな自然の入り江であるハンボルト湾に隣接していて、さらに、レッドウッドからなる国立公園や海岸山脈もある。

 同郡は、他のコミュニティから孤立した農村で、送電網の末端に位置する。さらに、津波、地震、土砂崩れ、洪水、そして山火事などの自然災害を受けやすく、「エネルギー・レジリエンス」はこのコミュニティにとって重要な課題となっている。

 そんなハンボルト郡で、「レッドウッド・コースト・空港・マイクログリッド(RCAM)」というプロジェクトが立ち上がった。このマイクログリッドは、出力2.2MWの太陽光発電に、容量8.8MWh(連系出力2.2MW)の蓄電池といった分散型電源から構成される(図1)。


テスラが太陽光と蓄電池

 レッドウッド・コーストのエネルギー・オーソーリティ(RCA)でエグゼクティブ・ディレクターを務めるマシュー・マーシャル氏は、「RCAMは、レジリエンス対応へ必要性、大手電力会社の持続可能なスマートグリッドへの転換、そして地方自治体の発電所とエネルギー貯蔵所有への関心の高まりという背景があります」と話す。ちなみに、RCAは、コミュニティー・チョイス・アグリゲーション(Community Choice Aggregation: CCA)の1つで、日本の地域新電力にとても似ている。地方自治体の関与した電力小売事業者で、地域を独占する大手電力に対して、より高い再エネ比率で、地元に換言しながら地産地消を目指している。

 このプロジェクトに関与するプレーヤーは、以下になる。

●ハンボルト州立大学のシュアツ・エネルギー・リサーチセンター:主任コントラクター兼テクノロジーインテグレーター

●パシフィックガス&エレクトリック(PG&E):カリフォルニア州北部地域をサービス管轄とする大手電力会社で、地元の配送電網を運営

●RCA:地元のCCAで、RCAMの分散エネルギー資源(DER)の所有者兼事業の投資家(600万米ドルを投資)

●ハンボルト郡:分散型電源が設置される空港の所有者・運営者

●カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC):地域マイクログリッド構築支援事業として、プロジェクトコストの約半分(500万米ドル)を補助金として支給

 さらに、システムのハードは、米テスラが太陽光発電と蓄電池、そして、コントローラーは米SEL社が提供する。...Read More Here

August 16, 2020

「草花に囲まれた」メガソーラー、周辺農家と共存共栄 発電所内に在来種を育て、ハチの繁殖を促す

 

「ポリネーター」の繁殖を促す

 米国食用鶏肉生産・加工大手のパーデュー・ファームズ(Perdue Farms)の本社が隣接する土地に、年間発電量3700MWh、出力2.8MWの地上設置型のメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある。太陽光パネルの周りには、ブラックアイドスーザン、アルシケクローバー、ノコギリヒマワリ、細い葉のトウワタ、パープルコーンフラワーなど、地域の在来植物を含む41種類の異なる花や草が植えられている。

 2018年に播かれた植物の種は今年2020年の春にようやく花を咲かせ、今年6月、メリーランド州サリスベリに本社を構えるパーデュー・ファームズは、「ポリネーター(花粉媒介者)に親切な」太陽光発電設備を米国鶏肉生産産業で最初に導入した会社と発表した(図1)。

図1●ハルシャギク、セイヨウノコギリソウが生える「ポリネーターに優しい」太陽光発電設置
(出所:Perdue Farms)

 米農務省によると、米国の農家が作物の受粉を依存しているミツバチなど、 ポリネーターが大幅に減少しているという。農家は、この深刻なミツバチ不足に悩まされているのだ。

 米エネルギー省のプロジェクトの一環として、アルゴンヌ国立研究所は、太陽光発電設備の周りのエリアが、ポリネーターに有益な植物を生息させる理想的な場所であることを見出した。そうしたなか、ここ数年、米国では、ポリネーターの生息地を保護するために、「ポリネーターに優しい太陽光発電」の開発が進んできている。

「周辺農家にも役立ちたい」

 今年で、創立100周年を迎えたパーデュー・ファームズでサステナビリティ部の副社長を務めるスティーブ・レビッツカイ氏は、「太陽光パネルを敷き詰めた5エーカー をポリネーターに優しい生息地にすることは、考えるまでもないことでした」と語る。

 さらに同氏は、こう続けた。「現在、ポリネーターの生息が、同社の鶏の育成に重要な成分の1つである大豆、そして様々は果物や野菜の収穫を増やすのに重要な役割を果たすのは多くの研究で立証されています。そのため我々は地球環境問題への貢献だけでなく、本社付近の農家にも役に立とうと考えたのです」

 「従来、太陽光発電の架台の下は、砂利や草で覆われていますが、こうした地表面の管理は、ポリネーターの生息地を新たに作り、維持するコストとほぼ同じなのです。ポリネーターにとって有益なグラウンドを作ることは経済的な障害にはなりません。これらの利点から、我が社では、今後の太陽光発電導入には『ポリネーターに親切な』グラウンドを設ける計画です」――。...Read More Here

June 26, 2020

“100%太陽光“で賄う大規模な分譲住宅地「太陽のシティ」 150MWのメガソーラー と40MWhのエネルギー貯蔵導入

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東京ドーム1558個分 

 米国で「未来のシティ」または「太陽のシティ」と呼ばれる、巨大なスケールの分譲住宅地プロジェクトがフロリダ州南東部で繰り広げられている。その名は「バブコック・ランチ(Babcock Ranch)」で、東京ドーム1558個に匹敵する1万8000エーカーの土地に、牛の放牧地や湖沼、野生生物の生息地など自然環境を保ちながら環境に優しい住宅開発が行われている(図1)。
図1●フロリダ州にある大規模な分譲住宅池「バブコック・ランチ」
 バブコック・ランチが米国で最初の「太陽のシティ」と呼ばれる理由は、街区全ての消費電力をメガソーラー(大規模太陽光発電所)でまかなっている、完全なエネルギー「地産地消型」のプロジェクトであるからだ。
 この街区は、2018年1月に最初の居住者を迎えた。開発を担った米デベロッパーであるキッソン・デベロップメント社の広報担当リサ・ホール氏によると、2020年5月1日時点で、新規マンション販売数は658戸、不動産取引の手続きを完了したマンションは490戸で、合計1225人が「太陽のシティ」で暮らしている。
 分譲住宅地プロジェクトと言っても、バブコック・ランチは、さらに7つの地区に分かれていて、9社のホームビルダーによって下は20万米ドル、上は100万ドル以上の価格帯で新規住宅地が供給されている。20年後、このコミュニティ全体が完成した暁には、合計1万9500戸の住宅、5万人の住人が生活できるように計画されている.

50%を「グリーン空間」に設定

 2006年にキットッソン・アンド・パートナーズ社の会長と最高経営責任者(CEO)を務めるシッド・キットッソン氏は、9万1000エーカーの土地をバブコック家から購入した。その後、9万1000エーカーにうち7万3000エーカーの土地をフロリダ州政府に自然保護地を創設するために売却した。ちなみにこれは、フロリダ州で歴史上最大となる保護用地の購入という。
 キットッソン氏は、「(土地開発において)賢い成長と自然保護が連携できることを証明する」との熱意を持ちつつ、売却した自然保護地に隣接する残りの1万8000エーカーを、持続可能で革新的な新しいコミュニティとして開発するための承認を同州から受けた。Read More Here

June 22, 2020

米アマゾン、615MWのメガソーラーを新規開発 パリ協定を10年早く達成へ、州の気候政策にも影響

Nikkei Technology Mega Solar Business:

2040年に「ネットゼロ」誓約

 先月、米インターネット通販大手のアマゾン(Amazon)は、同社の「気候変動対策に関する誓約」の取り組みの一環として、世界で新たに5基の大規模太陽光発電(メガソーラー)プロジェクトに着手すると発表した。
 中国に1基、オーストラリアに1基、そして米国に3基で、合計出力は615MW、年間約120万MWhの電力を供給することになっている。
 アマゾンは、昨年9月に「クライメート・プレッジ」と呼ばれる気候変動対策に関する誓約を立てた。それは、同社の世界における全ての事業を、パリ協定の目標期限より10年早い、2040年までに 「ネット・ゼロ・カーボン (温室効果ガスの排出量を正味ゼロ)」を達成する取り組みである。
 さらに、同社は、風力と太陽光発電に投資し、2024年までに同社の全事業で消費するエネルギーの80%を再エネで賄う、さらに2030年までに100%賄うという目標もある。
 メガソーラー以外にも、現時点で、50以上の同社のフルフィルメントセンター(物流施設)には屋根置き太陽光発電が設置されており、施設の電力消費の約80%を賄っている。 
 2019年12月時点で、総出力は110MWを超え、米国内における屋根置き太陽光発電システムの数は37、ヨーロッパでは12、インドでは8となっている。ちなみに、同社は2018年米太陽エネルギー産業協会(SEIA)によって、米企業で最も分散型太陽光発電を導入した企業ナンバー1に挙げられた(図1)。
図1●アマゾン・フルフィルメントセンターに導入された屋根置き太陽光発電
(出所:Amazon

 今回の発表によると、アマゾンは具体的に米国において、オハイオ州に200MWと80MWの2基と、バージニア州に130 MWの1基のメガソーラーを計画している。
 オハイオ州では、2基のメガソーラー が計画されている。オハイオ州南部に建設予定の「ネッスルウッド・ソーラー・ファーム」と呼ばれる80MWのサイトは、昨年同州の公営委員会から許可が出ており、「ヒルクレスト・ソーラー・ファーム」と呼ばれる200MWのサイトは既に建設が始まっているという。

第2本社は「再エネ100%」に

 一方、バージニア州で計画しているメガソーラーは、同社で12基目になるが、詳細はまだ発表されていない。ただ、同社とバージニア州は以前から親密な関係にあり、今回のプロジェクトもこうした流れが背景にある。
 アマゾンは2019年、バージニア州アーリントンを同社の第2本社「HQ2」を置く地に決めた。第1の本社は西海岸北部ワシントン州シアトルに構える。「HQ2」では2万5000人の雇用を創出する予定で、さらに事業に必要なエネルギーを100%再エネで賄うとしている。Read More Here

June 7, 2020

ハワイ「再エネ100%」に向け、「メガソーラー+蓄電池」続々 太陽光急増による需給のミスマッチを解消へ

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3GWh分の蓄電池が落札

 先月、ハワイ電力工業(Hawaiian Electric Industries)は、昨年末に公募した入札の結果、16の「メガソーラー(大規模太陽光発電)+蓄電池」プロジェクトと、太陽光と併設しない「単設(スタンドアローン)」のエネルギー貯蔵プロジェクトを選択した、と発表した。
 今回落札されたプロジェクトの規模は、合計出力460MW(連系出力)の太陽光発電と容量約3GWhの蓄電池で、オハフ、マウイ、そしてハワイ島に導入される。これらのプロジェクトが完成し、稼働を始めると、ハワイ州における太陽光発電の発電量を50%以上増加させることになるという。島別にプロジェクト導入を見てみると以下のようになる(図1)(図2)。
図1●島別のプロジェクト導入容量
(出所:Hawaiian Electric Company, Inc.)
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図2●「メガソーラー+蓄電池」と単設エネルギー貯蔵・16プロジェクトの計画地
(出所:State of Hawaii, Energy Office)
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 ハワイ電力工業は、昨年8月に 900MWの太陽光発電を含む再エネ、500GWhの蓄電池、210MWのグリッドサービス調達の一般競争入札を実施した。この入札はハワイ州のみならず、米国の公益事業委員会による最大規模の入札公募であった。ちなみに、今回の公募では、75件以上の入札参加があり、そのうち16件が採択された。...Read More Here

May 7, 2020

米で急拡大する「ハイブリッド型メガソーラー」、計画中は8GW 蓄電池/太陽光の出力比率は0.6、放電時間は4時間を超える

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太陽光は「ハイブリッド」へ

 米国では現在、連系出力ベースで4.6GWの再生可能エネルギー発電設備が、蓄電池を併設した形で稼働している。こうした蓄電池併設型の再エネ発電設備は「ハイブリッド型」と呼ばれ、そのなかには太陽光発電も含まれる。
 ハイブリッド型の再エネ設備は、さらに14.7GWものプロジェクトが計画されており、なかでも太陽光発電が急増している。
 この分析は、米国エネルギー省(DOE)の研究所の一つであるローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)と、米研究機関のエレクトリック ・パワー・ リサーチ・ インスチテュート(EPRI)によるもので、米「エレクトリシティー・ジャーナル」に研究レポートが掲載されている。
 「基幹電力系統内における蓄電池を併設したハイブリッド発電設備を導入する動機と選択」と題する、このレポートでは、グリッド(系統網)に接続した発電事業用の再エネ発電設備(連系出力1MW以上)に焦点を当て、「ハイブリット」の動向などについて分析している。
 近年、プロジェクトデベロッパーは、蓄電池を太陽光発電と同じ系統連系ポイントに併設する「ハイブリッド」プロジェクトへの関心を高めているという。
 天候などによって出力が大きく変動する太陽光・風力発電などの「出力変動型再エネ」の導入を拡大しグリッドに統合するためには、グリッドシステムの柔軟性をさらに高める戦略が必要である。蓄電池の活用は、グリッドの柔軟性を高め、変動型再エネの大量導入を促す貴重な戦略であることが、動機の1つになっている。太陽光・風力のさらなるコスト削減が進むにつれて、蓄電池の活用はいっそう拡大するとされている。

計画中の「太陽光ハイブリッド」は約8GW

 同レポートによると、現在米国では61の「ハイブリット設備」が運営されている。連系出力では4.6GWになる。電源種別で見ると、現時点では太陽光発電より、風力、天然ガス、石油による発電設備の方が多くなっているが、計画が発表されたプロジェクトを見ると、太陽光発電が他の発電設備を大幅に上回っている。ちなみに、計画されているハイブリッド設備の数は88で、連系出力は14.7GWに達する。
 太陽光発電のみのデータを見てみると、現在稼働済みの太陽光発電・蓄電池のハイブリッド設備は34で、合計連系出力は706MWだが、計画数は75で、合計出力は7.85MWと大きく伸びていることがわかる(図1)。Read More Here

図1●発電設備別・稼働済みと計画中の「ハイブリッドプロジェクト」
(注:単位=GW・連系ベース、左グラフ=稼働済み、右グラフ=計画中、濃い青色=発電設備の出力、薄い青色=蓄電池の出力)(出所:LBNL)

March 24, 2020

米大学で急拡大、メガソーラーからの電力調達 「物理的PPA」と「バーチャルPPA」を使い分け

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40超の大学が「100%」達成

 アップル、マイクロソフト、グーグルなど米国リーディング企業だけでなく大学などの教育機関でも再生可能エネルギーへの転換が急速に拡がっている。
 米エンバイロメント・アメリカ・リサーチ・ポリシーセンターによると、既に40を超える米国の大学(州、公、私立、2・4年制)は「100%転換」を実現しているという。現在、多くの大学が気候変動対策に本腰を入れ、太陽光発電設置の導入と太陽光発電電力の調達を積極的に拡大している。
 現在、再エネ調達量で米国トップの大学は、米最大規模の州立大学群であるカリフォルニア大学。現在、同校による再エネ調達量は年間273ThW (2兆7300万kWh)を超える。
図1●カリフォルニア大学デイビス校に設置された自家消費用のメガソーラー。大学のキャンパスは左上(出所:Regents of the University of California, Davis campus)

 同大学は、2025年まで電源を100%再エネまたはゼロカーボン電源に転換する目標を掲げている。同大学は既に州内に建設された合計80MWの太陽光発電所から電力を調達済みで、連系出力16.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を含む大規模な設備もキャンパス内や付近に導入している(図1)。

スタンフォード大は太陽光で100%

 大学の中には、太陽光発電だけで「100%」を実現しようとしている大学がある。
 それは、世界でトップレベルの大学である、スタンフォード大学である。同大学は、来年2021年には「大学で消費する電力を100%太陽光発電に賄う」という目標が達成されるという。同校は既に78MWの太陽光発電を調達済みで、現在88MWの太陽光発電所が同大学向けに建設されている。
 最初のメガソーラーである「スタンフォード太陽光発電所#1」は出力67MWで、カリフォルニア州に建設され、2016年に運転を開始した。また、2017年には同校のキャンパス内に合計出力5MWの屋根上太陽光発電を設置した。

March 4, 2020

「RE100」IT大手に押され、バージニア州でメガソーラー続々 データセンターに供給、初の「蓄電併設型」も導入へ

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IT大手のデータセンターが集積

 米バージニア州と聞くと、政策的に太陽光発電に熱心な州というイメージはないが、実際には、着々と太陽光の導入が拡大している。米国太陽エネルギー協会(SEIA)によると、同州は、太陽光発電の累積導入量ですでに全米17位(2019年第3四半期時点)とトップ3分の1に入る。
 実は、同州で今まで太陽光発電導入を牽引してきたのは、州政府ではなく、なんと、データセンターなのである。
 米IT業界のリーディング企業の拠点は、シリコンバレーと呼ばれるカリフォルニア州北部に集中しているが、それら企業のデータセンターはバージニア州北部に集積している。バージニア州で最もデータセンターの運営規模が大きいのはアマゾン ウェブ サービス(AWS)。フェイスブック、マイクロソフトも同州でデータセンターを運営している(図1)。
図1●「データセンター裏通り」とも呼ばれるバージニア州北部
(出所:Data Center Frontier)

「経済効果」を守る

 電力市場が完全に自由化されていないバージニア州で、最大規模の電力会社はドミニオン・エネルギー・パワー(以下ドミニオン)である。同社は発電から送電まで行う垂直統合型の地域独占電力会社であり、環境保護や再生可能エネルギーにはかなり遅れをとっていた。
 AWS、フェイスブックなどデータセンターを運営する企業グループは、国際イニシアチブ「RE100」に加盟するなど再エネ転換にたいへん積極的で、バージニア州の規制当局に対し、州内での再エネの選択肢を増やすことを要望してきた。
 こうした声に応える形で、ドミニオンはメガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発に乗り出した。その背景には、データセンターによる経済効果を同州に留めるためには、十分な再エネ電力を提供できる体制を整えることが不可欠という判断がある。
 実際、ドミニオンはすでにAWS向けに6基のメガソーラー (合計出力260MW)をバージニア州で稼働している。さらに、今年1月に新たに120MWのメガソーラー をAWSと同州のアーリングトン郡用に建設することを発表した...Read More Here

February 19, 2020

米エネルギー貯蔵市場、2024年までに5.4GWに拡大! 電力会社による導入計画は合計78GW

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EV市場拡大で価格低下

 米大統領による「年頭教書」は、米政治における新春の恒例行事として知られる。年の始めに、大統領が連邦の両院議会の議員を前に、その年の主な政治課題などを演説するもので、一般教書演説とも呼ばれる。今年は、これと並行して、「米国エネルギー貯蔵産業の年頭教書:2019年の回想」と題したセミナーが2月6日に行われた。
 講演者の一人であるダン・フィンフォレイ氏は、「市場は着実に拡大している」と、米国エネルギー貯蔵設備の市場トレンドを語った。同氏は、クリーンエネルギーに関する英国調査会社・ウッドマッケンジーのエネルギー貯蔵部で アナリストを務めている。
 米国エネルギー貯蔵市場をテクノロジー別に見ると、リチウムイオン蓄電池がこれまで市場をほぼ独占しており、2019年第4四半期のシェアでは、全体の99.2%に達した。
 フィンフォレイ氏によると、エネルギー貯蔵設備の価格は継続的に低下しているという。その背景について、「エネルギー貯蔵市場が、電気自動車(EV)市場に『おんぶ』されているから」という表現で説明した。つまり、エネルギー貯蔵用だけの蓄電池市場はまだ小さいが、急速に拡大するEV市場のおかげで、コスト低下の恩恵を得ているという。
 エネルギー貯蔵市場の主体は「長周期」(長時間の需給改善)向け用途に向かっており、「真の(ビジネス)機会は長周期向けにある」と語った。米国でエネルギー貯蔵市場が立ち上がった当初は、調整力市場を通じて、短時間の充放電で生み出した調整力を系統運用事業者に提供するアンシラリーサービスがメインで、同サービス用には「短周期」(短時間の需給改善)向けシステムが活用された。
 近年では、カリフォルニア州やニューヨーク州など多くの州政府がエネルギー貯蔵設備の導入を義務化し、 昼間に太陽光発電からの電力を充電し、夕方のピーク時に放電する「シフト目的」の長周期対策での使用が拡大している。さらに、供給力の確実な確保を目指す容量市場の拡大で、長周期向けエネルギー貯蔵が大きく伸びると予想されている。

長周期向けは20%の価格低下

 エネルギー貯蔵市場は、太陽光発電市場と同じように、住宅用、 非住宅用(商業・産業)、そして、発電事業用の3つに分類される。さらに、電力会社の視点から、エネルギー貯蔵が電力需要家側に設置される場合 「ビハインド・ザ・メーター(電力量計の後側)」、そして、電力供給側に設置される場合 「フロント・オブ・ザ・メーター (電力量計の前側)」との分け方もある。後者のフロント・オブ・ザ・メーターのほとんどは電力会社による発電事業用になる。
 エネルギー貯蔵設備の価格は、容量や電力量といった技術的な特性だけでなく、設備の定格放電時間によっても異なる。主に、定格放電時間が0.5 時間未満の「短周期」、2時間までの「中周期」、そして4時間以上の「長周期」に分類される。... Read More Here

February 9, 2020

米版「地域新電力」、相次ぎメガソーラーとPPA契約、稼働済み最大は200MW 「エネルギー地産地消」を掲げ、加州で拡大する「CCA」

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電力独占下でも法的に認可

 先月末、米国コミュニティ・チョイス・アグリゲーション(CCA)の調達する太陽光としては最大規模の発電所が稼働した。CCAとは、地方自治体の関与した電力小売事業者で、大手電力の独占下でも法的に電力事業が認められている。
 出力200MWを超える「ライト・ソーラー」と呼ばれるこのメガソーラー(大規模太陽光発電所)プロジェクトは、カリフォルニア州北部のセントラル・バレーに建設された。サンマテオ郡のCCAであるペニンシュラ・クリーン・エネルギーを通してサンマテオ郡の需要家に電力が供給される(図1)。
図1●地域新電力によって導入された200MWを超える「ライト・ソーラー」プロジェクト
(出所:Peninsula Clean Energy)

「CCA」 は米国版・ 地域新電力

日本では電力小売りが全国レベルで全面自由化されたが、米国では電力自由化は各州の判断で、州別に実施される。 気候変動対策と環境保護に積極的で、太陽光発電導入量で全米をリードするカリフォルニア州は、電力小売りを全面自由化しておらず、3つの大手電力会社が電力の送配電と供給を地域独占している。
 しかし、同州は2002年に地方自治体が地域の需要家に電力が供給でき、地域の電力需要家は電力供給先を選択できる新たな法律を制定した。その法律は、コミュニティ・チョイス・アグリゲーション (CCA)と呼ばれる。
 CCAは日本の地域新電力に似ていて、まず、市や郡などの地方自治体がCCAを設立し、発電設備を有する事業者と自ら電力の購入契約を結び、電力小売り事業を運営する。...Read More Here

January 21, 2020

2020年・全米新設電源の32%が太陽光発電! 合計284GWの発電事業用太陽光が計画中

太陽光と風力で76%

 今月発表された米国エネルギー省(DOE)・エネルギー情報局(EIA)の分析によると、2020年に42GWもの新設発電所が稼働を始める。そのうち、太陽光発電は32%、風力は44%と、なんと太陽光発電と風力で全体の76%(32GW)も占める。これらに続くのは、天然ガス火力でシェアは22%(9.31GW)で、残りの2%は水力とエネルギー貯蔵となっている。
 2020年に稼働を開始するとEIAが予測する発電事業用の太陽光は13.48GW。これは、2016年に実際に導入された8GWを大きく超えることになる。導入容量を州別に見ると、テキサスが22%、カリフォルニア 15%、フロリダ11%、そしてサウスカロライナが10%、と4州で半分以上の発電事業用太陽光の導入が行われる。
 ちなみに、EIAによると、42GWが新設される一方で、2020年に11GWの発電所が廃炉される予定である。廃炉される発電所を電源別にみると、石炭火力が51%、天然ガス33%、原子力が14%となっている(図1)。
図1●2020年に稼働予定の電源別発電容量の構成比
(出所:U.S. Energy Information Administration)

284GWもの太陽光が計画中

 EIAのデータは2020年内に稼働予定となっている発電事業用太陽光だけの出力であるが、DOEの研究所であるローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)は、2018年末時点で系統連系申請中の発電事業用太陽光の計画導入量を発表した。それは、なんと交流(AC)ベースの連系出力で284GWに達する(図2)。...Read More Here
図2●2018年末時点で開発中の発電事業用電源の導入容量
(出所:Lawrence Berkeley National Laboratory)

January 10, 2020

米最大「690MW太陽光+360MW蓄電池」がネバダ州で計画 州所有地に建設、トランプ政権の承認で動き出す

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州政府の所有地内に建設

 現在、米ネバダ州で、国内だけでなく、世界でも最大規模と言われる「太陽光+蓄電池」プロジェクトの開発が始まろうとしている。
 プロジェクトの正式名称は「ジェミニ・ソーラー+バッテリー(ジェミニ)」と呼ばれ、連系出力690MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に、連系出力360MW(容量1520MWh)のエネルギー貯蔵設備が併設される(図1)。
図1●「ジェミニ・ソーラー+バッテリー」計画図
(出所:Quinbrook Infrastructure Partners)
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 このプロジェクトは規模だけでなく、政治的な面でもニュースになっている。それは、このプロジェクトがネバダ州連邦政府の所有地に開発される予定で、この場合、州だけではなく、連邦の各種機関より許認可を取得する必要があるからだ。...Read More Here