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June 7, 2018

近道をしない「RE100」達成への道(後半) 電力規制下の地域独占電力と再エネプランでパートナーシップ

Published at Nikkei Technology ---

「オフサイト」型が増加

 米アップルは4月、同社グループの全世界の事業運営で消費する電力に関し、「再生可能エネルギー100%」を達成したと発表した(関連記事・前半)。
 同社の凄さは、まず「RE100」(再エネ100%)の「近道」と呼ばれる環境価値のみの調達に依存しなかったこと。そして、電力規制下の州で再エネ導入に消極的な地域独占電力会社とパートナーシップを組み、自らメガソーラー(大規模太陽光発電所)を開発し導入を成功させたことだ。
 RE100を目指すリーディング企業が取り組む達成手段として、自社の敷地や建物に太陽光発電設備を導入する「自産自消」的な方法がある。アップルは、現在「リング」と呼ばれるスペースシップのようなガラス張りの新オフィスビルに連系出力17MWのルーフトップ(屋根置き)の太陽光発電システムを導入している(図1)。
図1●アップルの新オフィスビル「リング」に設置された太陽光発電システム
(出所:Apple)
 しかし、同社のように大規模なデータセンター事業を展開する場合、敷地内のオンサイトシステムだけでは到底、膨大な電力需要を賄えない。そこで「オフサイト」と呼ばれる、電力需要地ではない場所で発電した電力を調達する契約が増加している。
 米国立再生可能エネルギー研究所 (The National Renewable Energy Laboratory: NREL)によると、企業のオフサイト型の再エネ調達方法には、(1)独立系発電事業者(IPP)との電力購入契約 (PPA)、(2)電力小売会社の選択(グリーンエネルギー新電力への切り替え)、(3)電力会社とのパートナーシップ、そして(4)卸電力販売のライセンス取得――の4つがある。
 しかし、この4つの調達方法をどこでも採用できるとは限らない。日本では電力小売市場が全国レベルで自由化されているが、米国では州別になっており、現在、電力小売りを自由化しているのは全米50州のうち13州だけである。規制下の州で大規模な再エネを導入したい場合、「グリーンエネルギーを販売する新電力にスイッチする」、「メガソーラーを開発するIPPと契約して直接、再エネを調達する」などの選択肢がないのだ。

アップルと電力会社にとって「Win・Win」

 電力規制下の州においては、企業が地域独占電力会社とパートナーシップを組むことが、大規模な「オフサイト型再エネ電力」を調達できる唯一の方法と言われている。州公益事業委員会により全ての電力消費者にとって公平な料金の設定が義務付けられているので、一企業の「RE100」達成のためにメガソーラーを新規に建設して、他の消費者の料金にしわ寄せが及ぶことは許されない。
 そこで、ここ数年採用されているのは「グリーン料金プログラム」と呼ばれる双務契約に似たもので、電力会社が大口電力需要家のために、特別な再エネプロジェクトから電力とそれに伴う環境価値を調達し供給するものである。... Read More Here

April 23, 2018

近道をしない「RE100」達成への道(前半) 「環境価値」に頼らず、再エネ新設と化石発電の廃止に貢献

Published at Nikkei Tech:
 米アップルは4月9日、同グループの全世界の事業運営で消費する電力に関し、再生可能エネルギー100%を達成したと発表した。

各地域で再エネ投資を拡大

 同社の凄さは、「RE100」(再エネ100%)を「目標」とする企業がようやく増える中、すでに自国内でのRE100を達成し、同社本社のある米国だけでなく、43カ国にわたるグローバルレベルで達成したことだ。
 この達成にあたり同社は、環境価値を外部から購入するのではなく、同社の拠点がある地域で太陽光発電所などの再エネ発電設備を建設し、そこからの電力を直接調達するなど、再エネ投資を拡大させた(図1)。
図1●アップルがアリゾナ州に持つデータセンター向けに設置されたメガソーラー(連系出力50 MW)( 出所:アップル)
 RE100を達成するには、(1)自社の敷地内に再エネ発電設備を導入し、発電分を自家消費にあてる(オンサイト発電)、(2)電力会社から「グリーン電力」プランの電力を購入する、(3) 再エネ発電事業者(独立発電事業者など)とPPA(電力購入契約)を結んで電力を調達する、(4)環境価値(グリーン証書など)を購入するーーなどの方法がある。
 RE100を目標とする企業は、これらの方法を組み合わせて達成することが多かった。
 しかし、最近では、環境負荷低減に貢献する「真のRE100達成」とは、「顧客の拠点があって電力需要のある現場、または顧客の拠点が電力供給を受けている送配電網と同じ系統に接続している再エネ設備からの電力調達」、「再エネの新増設への投資促進」、「グリーン電力から『環境価値』と『電力』を一括調達すること」などと見られている。これにより、既存の化石燃料による火力発電所の新増設を抑制する効果があることが評価される。

「環境価値」購入だけでは再エネは増えない

 これに対し、「環境価値の購入だけでRE100を達成する方法は、新規の再エネ投資を創出しない」と、国際的な環境保護団体であるグリーンピースは主張している。
 再エネ設備などからのクリーンな電力は、「電気そのものの価値」とCO2排出削減などの「環境価値」の二つからなる。電気そのものと切り離された環境価値を購入することで、購入者は、「再エネ電力を使用している」とみなされる。
 米国では、環境価値と電力の価値を一括して購入することを「バンドル」、環境価値のみを買うことを「アンバンドル」と表現する。
 米国では各州で発電事業者、または電力小売事業者に対して、電力販売量の一定割合を再エネから供給することを義務付けるRPS(Renewable portfolio standard:再生可能エネルギーポートフォリオ基準)が導入されている。発電事業者や小売事業者は、義務量を達成するために、RPSで認められた環境価値であるREC(Renewable Energy Certificate:再生可能エネルギー証書)を購入するケースが増え、その取引が活発化した。
 最近では、再エネの拡大と共に、コスト削減が進み、導入が加速した。その結果、取引される環境価値の量が急増し、供給過剰となっている。企業がこれらの「余った」環境価値を購入することでRE100を達成しても再エネの新増設につながらず、化石燃料を使った既存の発電所を減らす契機にもならない、という批判が高まってきたのである。..Read More Here

April 2, 2018

米銀行、初めて太陽光発電だけで「RE100」を達成 電力購入契約による再エネ調達が拡大

Published at Nikkei Technology --

130社を超えた「RE100」

 事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際イニシアチブ「RE100(再エネ100%)」に加盟する企業がこれまでに130社を超え、世界的に広がりを見せている。
 アップル、ゴールドマンサックス、グーグル、マイクロソフト、ナイキ、スターバックス、ウォルマートなどの米国企業が全体の30%以上を占め、世界のRE100活動をリードする。
  日本企業でもリコーを皮切りに、積水ハウス、アスクル、大和ハウス工業、ワタミ、イオンがR100に加盟した(関連記事)。
 RE100に加盟した企業はさまざまな方法で再エネを調達するが、太陽光発電のみでRE100を達成する企業も出てきた。米フィフスサード(Fifth Third) 銀行は、事業活動で消費する全ての電力を1基のメガソーラー(大規模太陽光発電所)から調達するために、発電事業者と電力購入契約(PPA)を結んだと発表した(図1)。
図1●フィフスサード 銀行はメガソーラーで「再エネ100%」達成
(出所:Fifth Third)
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1つのプロジェクトで「再エネ100%」

 フィフスサード銀行は、一つのプロジェクトから100%再エネを調達する企業として、フォーチュン500企業(米フォーチュン誌が年1回編集・発行する、総収入に基づいた全米上位500社のランキング)の中で初めての企業となった。
 さらに、太陽光発電のみで100%の消費電力をまかなうと公約した企業として、金融機関、および株式上場企業の中で初めての企業となった。
 フィフスサード銀行がPPAを結んだ発電事業者は、ノースカロライナ州を拠点に持つ米国でトップ5の太陽光発電デベロッパーである米サンエネルギー1 (SunEnergy1)である。
 サンエネルギー1 は 、ノースカロライナ州に2億ドルを投入し、出力80MWのメガソーラーを設計、建設、所有する計画である。フィフスサード銀行向けのメガソーラーの年間発電量は約194GWhで、一般家庭2万2000軒分 の平均年間電力消費量に相当する。同メガソーラーは今年後半期に完成予定である...Read More Here。


February 1, 2017

リーディング企業の「再エネ100%」で拡大する米太陽光市場: グーグル、フェイスブックの再エネ需要に電力会社はどう応えるか?

Published at Nikkei Technology Online --- 再エネで電力コストを安定化

 グーグル、マイクロソフト、ウォルマートなど米国を代表するリーディングカンパニーは、再生可能エネルギーで電力需要を賄う目標を掲げ、その達成に向け導入量を拡大している。このトレンドは他の米企業にも急速に広がっている。

 こうした企業の動きは、単に温暖化問題への対応だけではない。例えば、グーグルが再エネ導入に熱心なのは、同社のサスティナブル(Sustainability)目標を達成することに加え、再エネ電力の長期購入契約により電力コストを安定化し、化石燃料の高騰による経営への影響を回避するためでもある。
Google Data Center, Credit: Google


 米ビジネス協会Advanced Energy Economy (AEE) によると、フォーチュン100企業(米フォーチュン誌が年1回編集・発行する、総収入に基づいた全米上位100社のランキング)中71社、フォーチュン500企業中215社がサスティナブル、または再エネ導入目標を掲げている。

 さらに、500企業中、なんと22社は電力需要を「100%再エネで賄う」という挑戦的な目標を掲げている。ウォルマート、アップル、アマゾン、マイクロソフト、GM(ゼネラル・モーターズ)、ナイキ、スターバックスなど、幅広い業種で「再エネ100%」目標を公約する企業が増えている。

設置場所はオンサイトからオフサイトへ

 米企業が再エネに投資することで、再エネ電源が開発される州には、新たな雇用と税収をもたらす。それは、州の電源資源を分散化させ、化石燃料への依存を減らすことにもなる。しかし、一方でこのような再エネ大量導入を受け入れ、対応できるメカニズム(政策・規制)が整っていない州もある。

 逆に言うと、企業がどのような手法で再エネを導入するか、または、どの州で展開するかは、州の政策・規制で大きく変わることになる。

 ウォルマートのように、店舗、倉庫、流通センターなどの比較的規模の大きな施設を全国に持つ企業は、電力需要のある事業所・工場の屋根上、または敷地内(オンサイト)に自産自消用に太陽光発電を導入することが多い。企業がシステムを所有している場合もあるが、再エネプロジェクトのデベロッパーなど第3者が開発・所有し、 企業が電力購入契約のもとで発電電力を買い取るスキームもある。...Read More here

July 19, 2016

アメリカで電力小売り自由化が人気!

Published at Solar Journal:
日本では今年4月に電力小売り全面自由化が始まったが、米国では1990年代に自由化が始まっている。開始して20年程が経つ米国では、どのようなサービスが登場し、消費者はいかに電力会社を選択しているのか。米国の現在の様子から、日本の市場の行方を見る。

州レベルで電力自由化が実施される米国

現在50州中14州およびワシントンDCで電力小売の全面自由化を実施中である。電力の規制が国レベルではなく州レベルで可決される米国では、自由化をしている州もあれば、しない州、さらにカリフォルニア州のように自由化を試みたが失敗し、自由化が「保留」になっている州も存在する。
小売り自由化されている市場で最も規模が大きいのはテキサス州で、次いでオハイオ州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州など東海岸の州がトップを占める。

太陽光100%の電力プランで地域貢献

テキサス州オースティン市に拠点を持つGreen Mountain Energy 社は、1977年より再生可能エネルギーの小売販売を始めた。
同社は現在自由化を実施しているテキサス、ペンシルベニア、ニューヨークを含む7州で電力小売り販売を行っている。
同社が提供する電力プランの中で最も人気を博しているのが、太陽光発電で作った電気だけを買うことができる、「SolarSPARC(ソーラースパーク)」というプランだ。契約者が家庭の電力消費を太陽光発電の電力で1%賄えるだけではなく、地域への太陽光発電設置の導入も促進する。
Green Mountain Energy 社はSolarSPARC の契約数ごとに、毎月4米ドルを寄付して積み立てており、その寄付金で6ヶ月ごとに、新しい太陽光発電施設を地域に設置する計画になっている。
つまり、契約者が多ければ、より多くの、またはより大きな太陽光発電施設を設置できるというわけだ。...Read More Here

January 26, 2016

米テキサス州の電力会社が「地元の太陽光100%プラン」 地元のメガソーラーから「環境価値」を購入

Published at Nikkei Technology Online ---   日本では4月から電力小売りが全面自由化され、一般家庭の電気利用者が初めて電力を「選択」できるようになる。米国では電力自由化は国レベルではなく、州レベルで決められ実行される。米国の中で最も電力自由化が進むといわれるテキサス州で、地域の太陽光発電を100%使った地産地消を促進する電力料金プランが、初めてお見えした。

 テキサス州は電力の消費量が全米で最も多く、約378TWhに達する。この需要規模は、英国やスペインに匹敵する。同州はその消費量を賄うため発電量も多く、石油・ガス火力、さらに風力発電でも全米ナンバーワンを誇る。

 こうした巨大な電力市場を持つテキサス州では、2002年に電力自由化が実施に移された。同州の自由化は、日本でこれから行われる自由化と似ている。従来、発電と送配電設備を所有していた大手電力会社を分割し、発電会社と送配電会社に分離した。電力小売りの自由化が進むなか、送配電事業は引き続き規制の下に置かれている。

 現在、テキサス州では115社にも達する小売電気事業(REPと呼ばれる)が家庭、商業、産業向けに電力を販売している。これらの小売電気事業者は、送配電設備を所有する電力会社(全5社)の送配電ネットワークを利用して電力を供給する。...Read More Here